見出し画像

第5回 導入方法(Matomoインストール編)

【登場人物】

IT営業アシスタント。上司にネットでの製品PRを命じられ、ウェブサイトを作ることになった。ただ、でき上がったサイトをどう運営していけばいいかわからず悩んでいる。

元SE。今はアクセス解析ツールの営業。
Webマーケティングについてお客様に日々説明をしている。

アクセス解析の技術者。
アクセス解析の重鎮、生き字引、サポートの鬼。
アクセス解析でわからないことがあれば何なりと。


今回はMatomoのインストールをするよ。前回の続きなので、ターミナルでrootに変わった状態まで手順は一緒だよ。

最初にやるのはMatomoのダウンロード。これには「wget」コマンドを使うよ。
Matomoはbuilds.matomo.orgというサイトに公開されているので、「wget https://builds.matomo.org/matomo-latest.zip」とコマンドをを入力すれば、zipファイルがダウンロードできる。

wget https://builds.matomo.org/matomo-latest.zip	

ついにMatomoの導入に入るのですね!
ダウンロードしたファイルはどこにあるのでしょうか。
また、保存先のディレクトリを指定したり、変更したりする方法についても教えていただけると助かります。

ファイルはカレントディレクトリ、今のケースだと「/root」という場所に保存されているよ。
保存場所を変えたい場合は、あらかじめcdコマンドでディレクトリを移動しておくのが簡単だね。

今度はこのファイルを展開して、Apacheのドキュメントディレクトリに配置しよう。
ドキュメントディレクトリというのは、ウェブサイトにアクセスしたときに見えるページファイルが置かれている場所のことだよ。
Apacheの場合は/var/www/htmlというディレクトリになる。

cd /var/www/html	
unzip /root/matomo-latest.zip	

「cd」はディレクトリを移動するコマンド。「unzip」はzipファイルを展開するコマンドだよ。

これで/var/www/htmlディレクトリにmatomoのプログラムが配置された。
これをウェブサーバーから呼び出すんだけど、今の状態だとファイルのオーナーがrootユーザーになっているので呼び出せない。なので、呼び出せるようにオーナーを変えるよ。

chown -R apache matomo												

これでApacheからMatomoのプログラムが実行できるようになったよ。
では続いてブラウザからMatomoにアクセスしよう。
URLは「http://EC2のIPアドレス/matomo/」になるよ。

この画面は単なる表紙なので、「次へ」ボタンで進むよ。

このシステムの確認画面では環境として問題があるかどうかをチェックしているんだ。

スクロールしていって、特にエラーメッセージが無ければそのまま一番下の「次へ」ボタンをクリックして。

データベースのセットアップ画面には、DBにアクセスするための情報を設定するよ。これは前回のDBのセットアップで作成したユーザー情報、パスワード、DB名を入力する。(第4回参照)

  • ログイン:matomo_user

  • パスワード:PassWord

  • データベース名:matomo

  • Database Engin:MariaDB

その他の項目は初期値のままでOKだよ。
入力したら「次へ」ボタンをクリックする。

DBに正常にアクセスできると、Matomoに必要なテーブルが作成される。「次へ」ボタンで進もう。
もし入力した情報に間違いがあった場合は、エラーが表示されて入力画面に戻るので内容をよく確認して正しい情報を入れよう。

次はMatomoにログインするためのスーパーユーザーの設定を行う。スーパーユーザーはMatomoを使用するうえでの全権限を持ったユーザーだよ。

  • スーパーユーザーログイン:matomo_admin

  • パスワード:任意のパスワード

  • パスワード(再入力):上記と同じ

  • メール:root@localhost.localdomain

入力出来たら、「次へ」ボタンで進もう。

※ここでの入力内容はあくまで例です。実際にはお使いのシステムやセキュリティポリシーに合わせて設定を行ってください。

Matomoでは、解析対象の設定を「ウェブサイト」と呼ぶんだ。
ウェブサイトの設定画面では、名前とURLなどを入力する。

  • ウェブサイトの名前:サイトABC

  • ウェブサイトのURL:https://www.sample.co.jp

  • ウェブサイトのタイムゾーン:日本(プルダウンリストから選択)

  • eコマース:eコマースではない

入力出来たら「次へ」ボタンで進もう。

トラッキングタグのページでは何もする必要は無いよ。
今回は「過去の状況を調べるためにアクセスログファイルを読み込ませる」のが目的だからね。
一番下までページをスクロールして「次へ」ボタンを押そう。

これでMatomoのインストールは完了だ。
このページの下の方にオプションがあるので、最後にそれを設定しておこう。

dbipデータベースというのは、IPアドレスと地域とを結び付ける無料のデータベースだ。有償版もあるけど、使ってみたければまず無償版を導入するといい。
定期的に自動更新もしてくれるのであまり手間はかからず、世界のどの地域からの訪問が多いかが分かるようになるよ。

ローカルプライバシー規則の項目は、主に欧州における個人情報保護法(GDPR)に対応するための設定だね。
解析対象サイトがグローバルなものならば設定しておいてもいいと思うよ。

以上でインストール方法の紹介は終わりだよ。
次回はログファイルをサーバーに置いて、Matomoに読みこませてみよう。


関連リンク

サイオステクノロジー「アクセス解析・データ活用」サービスの紹介

note「初心者のための優しいアクセス解析入門マガジン①」

note「初心者のための優しいアクセス解析入門マガジン②」


いいなと思ったら応援しよう!