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冷凍ラーメンで実店舗が消滅するかもしれない

2日続けて食べ物の話題になってしまいますが、まあそんな偶然もあります。まるで食べることが大好きなヤツみたいじゃないか…いいえ、僕は断じて食に関心はないのです。た、ただ人類の営みとしての摂食行動に興味があるというか、そんなところだ。細かいことはいいじゃないか。

冷凍ラーメン自販機というやつが昨今話題です。その名の通り、冷凍されたラーメンが自販機にて販売されている。とはいっても、スーパーやコンビニで売られている冷凍ラーメンとは違う。食品メーカーが全国で流通販売するためにつくっている商品ではなく、おそらくラーメン店が自社で作ったキットを自販機に送り込んで販売している。そのためか、商品自体はどこか手作り感のある出来栄えだ。スープはもちろん店舗で調合されたものだし、具材まで入っている太っ腹っぷり。ただ、その分お値段もなかなかワイルドだ。実店舗で食べるのと変わらない…というかほぼ同じだ。それでも売れているのだから、消費者の需要に適っているということでしょう。冷凍なので保存はきくし、調理の手間はあれど家で好きなタイミングで食べられる。フードデリバリーで店舗の値段の1.5倍ほどの金額を支払うことが当たり前になった今では、店舗と同じ金額の冷凍食品を買うことへの抵抗も少ないのでしょう。

実際に僕も買ってみました。福井県にある「福の神」というラーメン店のまぜそばです。

お手製感があって好きです

店舗でも食べたことがあり、とても美味しかったので比較するために購入しました。正直、作る工程は少し面倒でした。タレ、スープ、麺をそれぞれ別々に温める必要がある。レンジのボタン1つで料理が出来上がる魔法に慣れきった現代人としては、鍋を2つ以上使う時点で混乱してしまうのだ。しかし、手間をかけただけのことはある。その味の完成度たるや、紛うことなき店の味。これは売れる意味がわかる。リピートしたいし、別店舗の商品も買ってみたい。僕の住む限界集落にこういうサービスが行き届いているのは奇跡のようなものだ。

焼豚、魚粉、揚げネギまで付いちゃってさ

余計なお世話でしょうが、1つ懸念点も浮かび上がった。ラーメン店はその数も多いが、年間の閉店数もべらぼうなのだ。そんな中、この冷凍自販機は閉店に拍車をかけたりしないか。本来の目的は、店舗以外での販売機会を作り出すことや、冷食を食べて「今度は店にも行ってみよう」と思わせることな気がします。しかし同時に「家でこの味が食べられるなら店行かなくていいや」と思う人も一定数いるはず。もし後者がボリューム層になってしまうと、もはや実店舗が存在している意味がなくなる。アパレルでいうZOZOTOWNのような、店舗を持たぬ総合販売サービスが出来上がるかもしれない。東京の光ヶ丘という場所に、袋麺を販売&調理して提供してくれる店があるのですが、そういう販売形式が当たり前になる未来を想像した。これまでのラーメン店は自社の冷凍ラーメンを作ることに専念。そして、各ラーメン店の作った商品が1つの店に集結する。そこでは冷凍ラーメンの販売はもちろん、プロがその場で調理して提供もしてくれる。やや飛躍している気もするが、いずれそんな味気ない未来が訪れるのかもしれない…。

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