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気分転換が苦手なら強制的に

僕は気分転換があまり上手ではない。何をもって上手い、下手とするか明確な基準はないけれど...きっと気持ちの切り替えがスムーズに行えないのだと思う。タイムカードを切り退勤したあとも、なんだかんだ「あのタスク処理いまいちだったな」とか「3日後までにスライドを作らないとな、情報収集いつやろうかな」とか、ずるずると仕事の脳みそを引きずってしまう。脳内で業務の反省みたいなことをしながら風呂に入り、夕飯を食べて1時間ほど経過する。寝る前になると翌日の業務に備えるためにまた考え事をする。つまり、完全に仕事から切り離される時間が極めて短い。

気分転換が上手な人は、脳内スイッチの切り替えを滑らかにやってのけるのだろう。退勤後即ゲームに熱中したり、推しのイベントに直行したり。すごいなあと、シンプルに尊敬する。僕は脳内という形而上学的な領域では気持ちをうまくコントロールできない。なので、サルでもわかる物理的な手段によって気分転換をしています。それが地方住みのリモートワークなわけです。業務中は自宅のPCと都内の会社とが繋がっているのですが、退勤しPCを閉じれば片田舎のポツンと一軒家だ。疑似的にですが、東京と田舎とを行ったり来たりしているような気分になる。疑似的であるがゆえ、移動による肉体疲労はない。PC上とはいえ、日中働いている時はやはり東京に住んでいた頃を思い出す。刺激的で楽しい時間、人混みによる疲労、「世界が動いている!」と体感できる流動的な街並み、酸いも甘いも全てひっくるめて懐かしい。労働を終えた後は夜の田舎道をドライブして強制的に脳内をリフレッシュします。僕の脳みそは鈍いやつなので、こうでもしてやらないと気持ちを切り替えられない。

昨晩、会社の人に声をかけて少し雑談をしました。近頃社内でハブられつつある僕ですが、その人物はさほど僕に嫌悪感を抱いていなさそうなので、前々から喋ってみたいなと思っていた。こういう「一見もっとも怪しくなさそうな人」が、実は僕のことをハブっている黒幕でしたというオチもありえそうですが、疑いだしたらキリがない。小一時間ほど話すつもりが、結果5時間ほど談笑していました。社内の人と喋ると、どう足掻いても仕事の話はあがってくる。おそらく、それにどこか安心感をおぼえてしまうのでしょうね。退勤後に脳内をリセットできないのは、仕事から完全に離れることを恐れているからだ。だから頭の片隅では常に仕事を意識している。しかし、同僚との雑談であれば、プライベートと仕事の塩梅が絶妙なので、つい話し込んでしまう。雑談をしているけど仕事からは離れていない、そんな事実が脳を安心させる。

そう考えると、やはり僕にとって会社と物理的距離を取ることは必要だ。無理やりにでも引き離さないと、嫌でも仕事が頭にこびりついたままになる。ドライブはいい。車を走らせるのが爽快というのはもちろんだが、ちょっとしたミスで大事故に繋がるという緊張感があるため、脳は運転に集中する。ドライブに限らず、仕事がチラつく余裕がないほどの緊張や興奮を与えてやれば気分は強制スクロールする。もっとも、これは劇薬なので長続きはしないかもしれませんが。

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