![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62864591/rectangle_large_type_2_8f46475143a16c0b42608269e9efa390.png?width=1200)
効果的なポジションチェンジの条件
ポジションチェンジに必要な条件
近年、マンチェスターシティは攻撃を行う際、目まぐるしくポジションチェンジを行います。
マンチェスターシティのポジションチェンジがあれほどまでに猛威を奮っているのには理由があります。効果的なポジションチェンジに必要な二つの条件を揃えているからです。それが以下の①と②です。
①特性の異なる選手同士を入れ替える事
②移動先での役割と選手の特性がマッチする事
可変システムからポジションチェンジへ
サッカーの人的配置を述べる上で従来の静的なフォーメーションで語り切ることはできません。攻守における配置構造の差異があることや、チーム毎に基底フォーメーションからの移動方向が異なることが理由です。
バイエルン時代のペップ・グアルディオラは自チームの選手の長所が最も最大化できる位置に配置する事でチームの総合力を最大化させるという形で人的配置を行なっていました。0トップや偽サイドバックもその潮流の一環であったように思います。
ここにきて彼はさらに歩みを進めました。
様々な長所を持つ選手の位置を入れ替えて相手に認知的負荷を与え続けると言う段階です。
グアルディオラがサネやジェズスといったスペシャリスト色の強い選手(ジェズスは改造されつつある)よりもベルナルドシルバやフォーデンといったマルチタスクな選手を重宝するのは、彼が多様なポジションチェンジで相手に負荷をかけ続けると言う戦術に傾倒して来たのが大きな理由でしょう。
そこで大切になるのが最初に述べたポジションチェンジの成功条件です。
全てのポジションチェンジがチームにプラスの作用をもたらしてくれるわけではありません。寧ろ、単なる選手の入れ替えはマイナスの作用が起こります。
ポジションチェンジは異なる特性でありながら、その場所に必要な役割にはマッチしている選手同士で行われるものでなければならないのです。そのような観点でみると、ポジションチェンジ戦術の採用にはマルチタスクな選手を保有するだけの資金力が必要である事も見えて来ます。デブライネでありフォーデンでありベルナルドでありカンセロです。
スペシャリストの需要
一方で、全てのスペシャリストに道は無いのかといえばそれも違います。マフレズです。グアルディオラは「WGはGKと同じくらい特殊なポジションだ」と述べています。チームがどれだけ優位性を確保しながら前進することに成功したとしても最後には必ず一対一で勝利する確率の高いドリブラーが必要になります。そこで必要になるのがスペシャリストなのです。寧ろスペシャリストなしではポジショナルプレーは完成しないのです。現在、マンチェスターシティにポジショナルプレーを仕上げの局面を任せられる選手はマフレズを置いてほぼいません。今後は、仕上げにスペシャリスト級の仕事ができるマルチタスカーが現れるのではないかと密かに期待しています。
今後の展望
先にも述べたように、ポジションチェンジは単なる選手の入れ替えではうまくいかず、マルチタスカー同士の入れ替えでありつつ、移動先で水準以上の仕事ができなければなりません。自分が指揮している高校生年代のチームで行うのは机上の空論に過ぎないような気もします。が、部分的な採用にでも成功した時の革命にワクワクせずにはいられません。手段が目的にならぬよう工夫した設計の練習で落とし込んでみようと思います。トライ&エラーです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?