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「指動者」ではなく「指導者」に

はじめに

先日、SLAM DUNKを読み直しました。言わずと知れた名作です。

読むたびに違った視点の教唆をしてくれます。安西先生が示す、"指導者とは"には考えさせられるものが多くあります。

安西先生が選手達へ渡すものは常に「勇気」と「道」です。「プレーそのもの」を示すことはありません。

安西先生の名シーン

凄まじい身体能力を持つが、圧倒的に経験の少ない桜木で与えたものは「シュートのノウハウ」ではなく「シュート2万本」という道です。2万本の過程でも、安西先生が示したものは簡単な見本。「膝を使う」「左手は添えるだけ」などの最低限のアドバイス。あれこれ言わない。

自信を失い、意気消沈するチームにそれまでの過程を思い出させ一言で自信を取り戻させる。大切なことは「本当に強いかどうか」ではなく、「自分たちは強いと思えること」です。プレーの改善よりも前に、まず勇気を与え、自信を持たせる。

最後まで勝負を捨てない。高ぶらず、動揺せず、ただ淡々と勝ちに必要なことを見極める。

公式戦でできることは、今ある自分をただコートで発揮することです。試合の中で何か特別な成長や進化が起こることはありません。コートに全てを置いてくる。私が大切にしている考え方です。

そして、選手の成長を感じる。そこに喜びを感じる。結果はあくまでも、成長の先にあるものです。最後まで勝ち残り成果を残せるチームは本当の本当の一握りしかいませんが、成長は全ての選手に与えられる。それを見て喜びを感じる事が指導者のあるべき姿ではないでしょうか。

指動者ではなく指導者に

指導者とは「指して導く者」です。しかし時に、指動者「指して動かす者」になってしまう時がある。「あれをこーしろ」「そこはこうしなさい」などなど。

様々な壁にぶつかる選手達。またそれを超えるのも選手です。その解決策は自分で見つけていきます。解決策を探る過程で選手は伸びる。簡単に答えを与えてはいけない。

適切なタイミングで適切な内容のアドバイスをできる事が指導者の腕。タイミングと内容が適切であれば成長の起爆剤になり、また逆も然り。

おわりに

現実の世界は漫画のように行きません。言うことを聞かない選手もいます。プレーの根本的なやり方を示す必要がある時もあります。漫画のように行くことの方が少ない。

ただ、指導者としての何たるかを考える時、スラムダンクが与えてくれるものはきっとある。

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