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football中毒

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記事一覧

とある強豪校の練習を見学した記録

はじめに昨日、尊敬している指導者がいるチームの練習を見た。自分は試合よりも練習が見たい。それも日常も日常。日常をどう過ごしているかの結果が試合だ。日常に触れなければそのチームのことは知れない。

その記録をまとめる。

場所は校外の人工芝グラウンド。選手たちも使い慣れているようで、ゴール設営も手早い。

帯同メンバーはトップチームの25人のみ。

監督が30分かけてオーガナイズを設定する。

⓪身

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インテルとシティで勉強

インテルとシティで勉強

インテル対マンチェスターシティの試合を見た。学びを記録しておく。

試合の構図は
撤退守備からのスピーディーなロングカウンターを狙うインテル

押し込んで得点を取りに行く、ボールを奪われたら即時奪回を狙うシティ

相反するチームの見応えのある試合

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練習を作る、ある側面について

練習を作る、ある側面について

はじめにサッカーのトレーニングはいろんな分類の仕方があると思う。例えば「攻撃・守備・トランジション・セットプレー」とか「オンザボール・オフザボール」とか。色んな分類が重なり合って練習を分けられる。

最近、新しいトレーニングの分類が思いついていて。

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最適な練習への介入

最適な練習への介入

練習中の介入は主に3種類です。
①シンクロ
プレーと同時進行で声をかける。
②フリーズ
プレーを静止して声をかける
③ショートミーティング
選手を完全に集めて短く話す

それぞれの方法に長所と短所はあると思うが

今回はこれらの量と頻度について考える。実はとても繊細なテーマだと思う。

ゴール型競技の指導者をやっている人は、どの程度練習に介入することが最適だと考えているだろうか。

絶えず練習に介

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組織なのか否か

組織なのか否か

サッカーは集団のスポーツだ。選手同士の能力を足し算するより掛け算した方がいい。わかってるけど人間がやるスポーツなのでこれが難しい。

掛け算はマイナスがいると全部マイナスになる。足し算はマイナスがいても一方の数字がデカければ全体はマイナスにならない。だから能力の高い選手は単純な足し算を好むのかもしれない。

掛け算を成立させるために大切なことはアクションのタイミングを共有することだ。これは攻守にお

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ビルドアップトレーニングの正しい始め方

ビルドアップトレーニングの正しい始め方

自陣から相手ゴールを目指す局面(ビルドアップ)を練習する時に、「分割した方がいいけど、分割してない事が多い」と感じる要素があって。

攻め込んでくる相手からボールを奪った後に始めるビルドアップなのか、否かという視点。

ビルドアップの練習をする時によく採用される練習がある。ビルドアップ側がハーフウェーラインにある3つのゴールを目指す。相手はビルドアップ側からボールを奪って通常のゴールを目指す。

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RBライプツィヒの哲学

RBライプツィヒの哲学

はじめに電光石火という言葉が似合う。RBライプツィヒ。このチームのプレー原則を紐解き、哲学を言語化したい。

柱となる方針は、若さを生かしたアグレッシブでバーティカルな堅守速攻。観るものを魅了し、興奮させる。

彼らはいかなる原則に基づいてプレースタイルを体現しているのか。私が読み取る原則は以下のものだ。

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オーバーラップの利点・やり方

オーバーラップの利点・やり方

はじめに自陣から前進して相手陣に侵入していく時、どこかでリスクを伴うプレーをしなければ相手を超えていくことはできません。

例えば
・ライン間でボールを受けて外す
・サイドで受けてコントロールで相手を外す
・オフの動きで相手を外して一発で背後を取る
があります。

成功率が充分に高く、リスクを抑えられる方法として

数的優位形成

があります。所謂オーバーラップやインナーラップです。数的優位に基づ

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言語化の三原則

言語化の三原則

はじめに考えていることや、伝えたいことを言語化する時に自分が注意していることを整理します。

整理することで、自分の中で体系的な知識としてしまいこむことができるからです。

振り返ってみて、自分が言語化に当たって無意識に大切にしていることがありました。

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ゴール前の優先順位

ゴール前の優先順位

はじめに年代、レベルによってゴールから何mをゴール前と定義するかは変わります。

共通して言えるゴール前の定義は

シュートを打てば入る可能性のあるエリア

とします。

ゴール前の攻撃側が持つ優先順位はどの種別でも共通です。今回はこれを見ていきます。

ボールホルダーの優先順位は以下です。

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指導者版 PDCAサイクル

指導者版 PDCAサイクル

はじめに指導者の作業サイクルには6つの局面がある

準備→用意→実践→調整→振り返り→改善

どの局面も全て大切で、手を抜いていいものは無い。以下、各局面について詳しく見る。

準備私が一番大事だと考えている局面です。準備の質で練習の質が決まります。

準備する内容は多岐に渡ります。

・練習メニュー
・時間配分
・効率の良いコーン設置の場所
・強烈に伝えるキーワード
・ミーティングで丁寧に伝える

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ストライカープロジェクト 振り返り

ストライカープロジェクト 振り返り

はじめに先日、サッカー協会が取り組んでいるストライカープロジェクトという事業を見学した。

県内のストライカーとしての素養を持つ選手を集め、ストライカーとして育っていくためのきっかけを与える1デイセッションだ。

練習内容練習の流れをまとめて、書く練習についての重要視していたポイントとそれに基づく気付きは後述する。

まず、ウォーミングアップを完了させる。

次に簡単なシュートドリルを行う。ドリブ

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ハイプレスの大原則

ハイプレスの大原則

はじめに前線からボールを奪いにいく行為をハイプレスと言います。

チーム全体が順守すべき原則が3つあります。

原則①
各選手が相手を2〜3人管理する位置で敏感に構える。

原則②
1人が限定のアプローチを開始したらすかさず全員で連動する

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「力み」について考える

「力み」について考える

下手な選手は力んでプレーしている。これは、多分通説だと思う。

力むっていうのはつまり、必要ない箇所にも力を入れてプレーしているということだ。

力んでいるか力んでいないかは見てると何となくわかる。肩のすくみ具合とか首の動かなさとか、息遣いから読み取っているのだと思う。

力む=必要のない箇所に力を入れると、体は思ったように動かない。動かせているつもりでも不具合が生じてる。対応する側の予測も経ちや

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