アコースティックギターの透明ピックガード水貼りレポート提出します。

最近自分のアコースティックギターに透明ピックガードを貼る作業をしました。楽器の修理の仕事についてからそこそこの年数が経ちますが、初めての作業です!動画で貼り付け方をアップしてる人いるやろうなあと検索するも、見当たらず…販売元の説明文を頼りに貼り付ける事にしました。

戸惑いながらの作業の工程や経過を経験談としてここに書いていこうと思います。…誰が興味あるねん!とお思いでしょうが、資料も少なそうなので参考にしてもらえればと思います。まずは今回透明ピックガードを貼ったギターと私の出会いから話させてもらいます(これこそ誰が興味あるねん!ですね)。前置きが長くなりますので、作業経過のみ見たい方は※印以下を見てくださいね。

ギターを弾き始めたのは高校1年生で、この時は地元にあった音楽教室の片隅に置いてあった安いアコギを買いました。
流行っている曲が雑誌に載っていたのでそれを見て練習していました。そんな中で、雑誌に載っていたスタッフォードというブランドのアコギの丸~いフォルムが好きだなぁと思い、なんとなく憧れを持ちました。

そういえば雑誌にギタークラフトの学校の広告があり、「ギターって手作りなんや…」と深く考えずにギターを弾いていた私は衝撃を受け、手を動かすのもギターも好きだし、これは私の為の仕事ではないかと謎の思考回路が働き、急激な進路変更で母を驚かせながら学校に行き、楽器業界で働きはじめ、今に至るのでした。雑誌すごいですね。

社会人になってちょっとお金が貯まってきた頃に、ふと憧れの楽器を思い出しました。まだ今も販売されているのなら手に入れたいなあと思い探してもらった所、その時にすぐに見つかったのは1本だけでした。もうこれは買うしかないと思い、試奏もせずに購入しました。

しばらくして私はボーカルとギターのデュオで活動し始め、アコギを本格的に弾き始めました。最初は楽しく演奏したいなあとゆるゆるスタートしたのですが、ステージで演奏し始め、演奏に対してどんどんストイックになり、もっとギターが鳴ってほしいのに全然鳴らなくて右手に力が入り、その力でぶれてしまわないように左手にも力が入り、とてもしんどい時期に入りました。

この時は今の職場で働きはじめていたので社長に相談しつつ、ナット交換、サドル交換、弦の巻き方、、、色々と改善していきました。その中で、厚みのある大きなピックガードが楽器の鳴りを抑えてしまっているのでは?という考えに至り、元々着いていたピックガードをはがす事となりました。結局1番の原因はフレットが全部浮いていた事でしたが、ちょっとずつの作業の積み重ねで、私のアコギは驚くほどよく鳴るようになりました。

それから活動はストップしてしまいましたが、最近ギターレッスンに行く機会があり、またアコギを引っ張り出しました。活動している時はあまり気にしていませんでしたが、なかなかのピック傷がボディに入っていました。そんな話を社長にしたら、「薄い透明のピックガード余ってるからあげるで!」と、RPGで村人に話かけたらアイテムをゲットした感じになりました。(やっとピックガードの話になりましたね!)

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接着剤がピックガードについていて、水を塗り、気泡を抜いて、乾燥するとしっかりくっつくというながれになります。透明なのでホコリや気泡が入ると目立ってしまうという、簡単にはいかない感じがぷんぷんします。前述にもありますがこの作業は未経験でしたので、自分の楽器で勉強も兼ねてやる事にしました。説明文の口調が強めですが、これを基本にして進めました。

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・まず、弾き傷や塗装の欠けている部分があったので、そのままだと気泡が残り放題だろうなあと思い補修することにしました。

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塗装の欠けている所はアロンアルファで埋めて、その部分と弾き傷の凹凸を紙ヤスリでとって研磨していきました。研磨剤をきれいに拭き取り、ボディ側の準備ができました。

・ピックガードの位置決めをしました。

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私のギターのサウンドホールの丸い模様の部分とは形がちょっと合っていませんでしたが、削ってピチッと合わせるとなお良い感じになると思います。ただ、削りかすがピックガードの接着面に付いてしまうと取り除くのが大変そうなので今回はやめておきました。

・サウンドホールに水が流れないように、紙を詰めました。

・紙コップに水をちょっと入れて、洗剤を一滴入れて泡立てない程度に混ぜて準備しておきました。

・ボディのピックガードが貼られる辺りにも水を乗せておきました。

・ピックガードの接着面には保護シートが貼ってありました。シートをはがしてそこに水を塗るながれになりますが、シートをはがしている時にシートについているホコリが接着面に移ると嫌なので、一旦水で洗い流し、水浸しになっても大丈夫な台の上でぬれたままシートをはがし、洗剤入りの水をスプーンで接着面の全面にかけました。

・遂に接着の時がやってきました。水びたしのボディに水びたしのピックガードをのせて、周りにはみ出した水をペーパータオルで拭きつつ、ヘラを使って中央から外側へ水や気泡を追いやり、位置も確認し、水があまり出なくなるまでヘラや指で押し出していきました。外側に出た水分を吸う時、直接ピックガードにペーパータオルが当たるとケバケバがピックガードの下に吸い戻されるかもしれないので、当たらないように水分を取りました。

・説明文に重しを乗せるように書いてあり、外側がフワフワしがちだなと思ったので外側を集中的に狙いました(近くにあった丁度良さそうな物が電池でした)。

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このような流れで作業して、ホコリも気泡も見当たらず、「これは完璧なんちゃうか!」となり、すこし放置する事にしました。

1時間ほど経って見てみると…
なんか全体的にモヤーっとしてる状態になってました!!なんでや!?
どこで出来てないと判断すれば良かったのか…すっきりしませんでしたが、次に透明ピックガードを貼る時に今回の経験の事を覚えておこうと、その日は終了してギターを持って帰りました。

持って帰ってみたものの、やっぱり気になるのでモヤーっとした部分をこねくりまわしていました。すると、モヤーっとした部分が結合してしまい、ピックガードがプクっと盛り上がってしまいました。これはヤバい!酷くなってしまった!!焦ってその盛り上がりを外に出そうとしました。かなり時間がかかりましたがちょっとだけ外に出す事が出来ました。外に出てきたのは空気ではなく水でした。このモヤーっとしたのは水なのか?密着したボディとピックガードの間の水分なんて乾燥せずに残ってしまうやろうなあと、ほぼほぼ諦めてその日は気絶するように眠りました。身も心も疲れきっていました。

次の日、仕事を終えて帰ってくると…モヤーっとしてた範囲が狭くなっていました!嘘やん!まだ乾いてなかったん!?て言うかどこから乾いてるのん!?接着剤の層からかな!?希望の光が見えてきました。もう少し乾燥させれば綺麗に仕上がるかも!

貼り付けた日から4日経ち、モヤーっとした部分は消えました!すごい!むっちゃ分かりにくいですが変化の写真載せておきます。どうしてもモヤ―がうまく撮れませんでした…

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説明文の通りにやったら何とかなりましたが、水分と接着剤のハーモニーがモヤーっとする事や、自然乾燥に数日かかることがあるとわかっていると、ちょっと不安が解消するかなと思います!

ただ、縁にカタカタとなめらかでない所があり、それは残ってしまいました… 保護シートで見えてなかったのもありますが、側面や角を少し削っておいても良かったかなあと思います。ある程度乾燥しないと綺麗に貼れているかわからないので、きっと何回やっても不安の中での難しい作業になりそうです!次回はもっと綺麗に貼りたいなあ。

そんな感じで、今回の経験を書き留めておきました。自分でも今後参考にしようと思います。

それにしても、憧れのギターの1番特徴的なピックガードをはがしとった当時の私はなかなかクレイジーですね!(元の丸~いピクガードはこんな感じです↓)

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こんな長文を最後まで読んで下さった方がいらっしゃるかわかりませんが、ありがとうございました!!

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