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Ark InvestmentによるTESLAへのコメント(2021/2/1)

おはようございます。ARK Investmentのニュースレターに登録されている方向けに、TESLA(Ticker:TSLA)についてのコメントが届きました。

以下、ARKのアナリスト(Sam Korus & Tasha Keeney)のコメントを簡単にまとめておきたいと思います。

1.スケールアップの障害

・EV車の生産拡大には、バッテリー生産が障害となっている

・テスラは2022年に100Gwhのバッテリーを生産する計画。これにより年間130万台のEV生産が可能となる(2019年は年間50万台)

・他のバッテリーメーカー(Panasonic、CATL、LG化学等)も今後2年間でバッテリー生産の拡大計画を発表

・テスラのModel 3の製造工程をみると、バッテリー生産拡大の手がかりがみえる。1つの工場で生産が上手くいけば、同じ手法を他の工場に”Copy and Paste”できる。したがって、思っているよりも早く、世界中の工場でバッテリー生産が拡大できる。

2.中国顧客の動向

・中国顧客のうち、完全自動対応(FSD)オプションを選んだのはたった1~2%にすぎない。これは他の国に比べ、とても低い。

・将来いつかの時点で、テスラは中国でもっとFSDを提供することができると考える。それは現地企業をより好む国民性のある国でテスラが勝負できるか、という疑問(に対する回答)でもある。

3.中国EVメーカーとの比較

・中国企業はここ数年、自律走行機能に大幅な投資を行っている。

・最近、Xpengは、高速道路への出入りを含む高速道路の自律走行機能をロールアウトしたが、これはテスラが2018年に導入した機能である。

テスラはこの機能で、数十万台の車が生み出すデータを通じ、新しい自立走行機能使われるニューラルネットワークを訓練することができた。

・一方のXpengはたった数万台の車のデータに基づく自律走行である。数だけ見ればテスラの方が優れていそうだが、機能自体はテスラの方が劣っていると分析する映像※がある。これはおそらく、テスラが北米で開発されているからだと思われる。

※テスラ、NIOとXpengの比較映像リンクを貼っておきます。ARKのニュースレターに引用されていたものです。

・ それにもかかわらず、テスラは中国の電気自動車のトップブランド(2020年)なので、競合他社よりも速いスピードで自律走行能力を向上させることができる可能性がある。

4.どの国で完全自動運転(FSD)を完成させるべきか

・先進国と途上国の自律型ライド・ハイリング(配車サービス)の価格変動を考えると、まず米国でFSDを完成させることは戦略的に意味がある。

・ARKが公表した2024年の価格目標(近日中に2025年に向けて更新予定)では、テスラが中国で自律型ライド・ハイリングを開始した場合、特に中国のパートナーと経済性を共有することを余儀なくされた場合には、米国よりも大幅に低い乗車率になる可能性があると想定している。

・最近のビッグアイデアレポートでは、UberやLyftのような人間主導のライド・ハイリングサービスは、米国のような国では中国よりもはるかに高価であるため、先進国の方が発展途上国よりも劇的に自律型ライド・ハイリングに対応できる可能性があることを示した。ARKの調査によると、成熟度と規模が大きくなれば、自律走行型タクシーの価格は1マイルあたり25セントとなり、現在の中国のライド・ハイリングの約半分、米国の8分の1の価格になります。

・ARKは、2025年までに自律型ライド・ハイリング・プラットフォーム事業者の企業価値は世界全体で3.8兆ドルに増加する可能性があると予測しています。この機会の大きさを考えると、競争は熾烈になる可能性があります。

・しかし、長期的には、最も包括的で高品質な走行データと最高の実行力を持つ企業が、自然な地理的独占を享受することができると考えています。

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