音楽業界の崩壊 その1


ソニー・ミュージックエンタテインメントの社長を務めた丸さんこと丸山茂雄さんの記事(前編・中編・後編)が、

ぜアップルに負けたのか。ソニー・ミュージック元社長が見た「サイロ」 『サイロ・エフェクト』 (ジリアン・テット 著/土方奈美 訳)

という見出しで掲載されています。
長いので後編だけリンクを貼りましたが、以下の文章に要約されています。


私がソニー・ミュージックの社長を2年足らずで辞めたのは、デジタル化、ネット化によって、従来のビジネスモデルが崩壊することが予見できているのに、体制の変革を嫌う人が多かったからです。だからSME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)に残っている既存のビジネスで生きてきた人と一緒に自分が身を引いて、次世代が変革できるような道筋をひこうと考えた。

 ところが私が辞めてから15年も経っているのに、まだ既存のビジネスモデルで食えると思っている人が多い。危機感が足りないのです。

 いまもCDが売れているとはいえ、それはAKBやジャニーズといったごく一部で、しかも彼らはグッズ販売で収益をあげるビジネスモデル。ファンはCDもグッズのひとつだと思っている。

 ところが、「売れているのはグッズ」と言ってしまえば、「音楽は売れていない」ということになるから、音楽ビジネスの人間は、「CDはまだ売れている」と、自分で自分を騙している。

そして、

「いま自分たちがいる場所がおかしい」ということを分かってほしい。このまま後輩たちが食えなくなるようになるのもツラいので。

とまで言っています。

丸さんはEPICソニーというレコード会社を、ロック専門レーベルとして育て上げた人で、ソニー・コンピュータエンタテインメント設立時の副社長でもある人です。
私もソニー・ミュージックにいた頃には、貴重な話をたくさん聞かせてもらいました。
アーティスト自身が経営者感覚を持つ必要がある、ということを教えてくれたのは実は丸さんなんです。

音楽業界を引っ張ってきた人だけに、現在の状況を見ているのは忍びないのでしょう。
しかし、今まで音楽業界で活躍してきた人たちが、今後また新しいビジネスモデルを構築していくのは相当難しいことははっきりしています。
それは丸さんの記事からも読み取れると思います。


もう一度言いますが、

音楽業界はもうすでに崩壊しているのです。

音楽業界の中でどうやって生き延びていくかではなく、自分自身で新しいビジネスモデルを構築していくしかありません。
今までのやり方が全く通用しないということだけは理解してください。









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