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英語の発音が一瞬で上達する方法【子音編】:RとTH発音のコツ

前回に引き続き、今回は子音編です。

はじめに

前回の記事と今回の記事に書いている内容は、英語の音声学をもとにしたものです。音声学については、海外大学院の専門的な授業から一般市民向けの公開講座レベルまで、計3回、3名の大学教授より学びました。その中で、知識を得ることで英語の発音について目からウロコが落ちる瞬間が山ほどありました。その中でも、私の発音の上達に特に役立った知識をブログに書いています。

おそらくこの記事を読んで参考にしていただけるのは、英会話では中級以上の方々かと推察されます。母音・子音の基本的な発音方法についての記事ですので、日常会話で通じる英語は話せるけど今の発音をさらに良くしたい、と思う方々のヒントになるのではないかと思います。

具体的なアプローチ法や、私の発音に対するスタンスについては、前記事の【母音編】をお読みください。

 英語の子音は唇・舌・歯で決まる

前回の母音編では、「音が口の中のどこで作られているのか」と「唇の形と顎の位置」を意識することをオススメしました。

子音の場合も、音が口の中のどこで作られるかを知っていても損はないと思います。というわけで、口の中でどの音がどこで作られるかを図にしてみました。すべて発音記号です(実際の英語の綴り字とは違います)。オレンジ部分が舌。

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英語の子音は口腔内ではこういう場所で発音されます。

そしてこんな絵を出しておいてなんですが、別に覚えなくていいです。特に頑張って理解する必要もないです。なぜなら、子音の発音で重要なのは、唇の形・舌の動き・歯の使い方の3点だからです。

子音に関しては、子音ごとの唇の形・舌の動き・歯の使い方(使わない場合もあります)を練習して、脊髄反射で音を出せるようにします。

練習してください。YouTubeや発音教材を見ながら。

…そう、各子音の発音に関しては、母音のように「一瞬」ではできないんです。それぞれの音が、唇 × 舌 × 歯 の3つの合わせ技でできているので、すべての子音を「一瞬」で理解することは不可能です。

ですので、日本人が苦手な子音のトップ2(だと私の思っている)RとTHの発音を一瞬で上達できる知識をご紹介いたします。

あ、そうそう、前回の母音編のテスト問題の3番と4番の答え合わせです。

問題は、cars(車の複数形)と cards(カードの複数形) の発音の仕方でした。日本語ではどちらも「カーズ」です。ですが英語では、carsの「ズ」は「z音」、cardsの「ズ」は「dz音」です。上の図を見てみると、両方とも上の前歯の裏側あたりで発音されるんです。こんなの私は聞き取れないし、自分で正確に発音もできません… ただ「英語の子音は奥が深すぎる」ということを言いたかっただけです。発音の違いの説明動画を載せておきますので興味のある方は御覧ください(日本語での説明あり)


R の発音のコツ

R の発音の仕方と言えば、「舌を巻く」とか「舌先を口の中のどこにも触れない」とか言われていますよね。「舌を巻く」でも「舌先をどこにも触れない」でもどちらの方法でも構いません。それよりも重要なのは、唇をすぼめることです!これこそ、音声学を学んでみて、前回の母音編の次に目からウロコが落ちた知識です。私がこれまで見た発音教材にはそういうことは書いてなかった。ただひたすら舌の動きだけを練習していました。

ちなみ、日本では R音 は 「L音」と混合されますが(ラリルレロの音)、ネイティブの子供達は R の発音を習得する前は「W音」を代わりに使っているらしいです。つまり、唇をすぼめて発音するW音こそがR音に似ている音なんです。ただ、唇をあまりにも強くすぼめるとW音になってしまうので、軽く丸める程度がいいようです。

知らなかった方は是非試してみてください。まずは、いつも通りのR音。舌先は巻いても宙に浮かせていてもどちらでもOKです。次に、唇をすぼめた状態でRを発音してみてください。口のなかで音がよく響くのがわかると思います。私はこれをやってみて、初めてR音を理解できた気がしました。自分が思っていたよりも、ずっと個性の強い音でした。おかげで、LとRの聞き分けもできるようになりました。

R音の一瞬上達ポイントは、「Rを見たら唇をすぼめよ!」です。

そして、もう一つ重要なのは、唇をすぼめるタイミング。前回の【母音編】のテスト問題の1番で、dream の発音を出しています。

この場合、唇をすぼめるタイミングはどこでしょう? d を発音してから?それじゃあ遅いんです。最初から唇をすぼめた状態でdの音を出し、r の音につなげます。そうするとdとrの音が混ざって、カタカナの「ドリーム」にならずにすみます。

私はR音は母音に近いのではないかと思っています。なので、子音のすぐ後にRが来ている場合は(tree, free, Britainなどなど)、唇をすぼめて最初の子音を発音するようにすると、英語らしい発音になります。何度か意識して発音していたら、割とすぐに習得できました。

R音についてもおすすめの動画を貼っておきます。英語の動画ですが、スクリプトが起こしてあるので分かりやすいです。この動画でレイチェルさんは、巻き舌のRは「OKだけど正しくない」と言っていますね。あと、口をすぼめるのではなく、「口角をちょっと寄せる」と言っています。こちらの方が顎ラインのリフトアッップに良さそう。


TH の発音のコツ

"Thank you."やら "the", "think"など何かとよく出てくるTH音(発音記号はθとð)。よく、「上の前歯と下の前歯で舌先を挟む」と説明されますよね。私もずっとそうやっていました。単純な形なので簡単なのですが、問題は息がうまく流れないこと!きれいなTH音を出そうとすると、やたらと息を強く吐かないといけない。

だけれど、ほとんどのネイティブスピーカーは上下の前歯で舌先を挟んではいないそうです。これも、音声学の授業で習って目からウロコでした。

THの発音は、舌先を上の前歯の歯先か、上の前歯のすぐ後ろにくっつけるだけでいいんだそうです。

やってみれば分かりますが、舌先を上の歯のみにつけると、息がちゃんと外に流れ出ます。これも知った時、こんなに簡単だったんだ!と感動しました。TH音でお困りの方は一度試してみてください。

 最後に、前回のテスト問題の2番、"three"の発音についてです。thとr音のダブルコンボ!難しいですよね。これは練習するしかないようです。だって、ネイティブスピーカーでもチートするくらい難しい発音なんですから。"three"は、なんと"free"に置き換えられて発音されています。

初めて聞いたのは、イギリス人の先生が「ページ・トウェンティ・フリー」って言った時。意味がわからず、「20ページ代」ってことで20ページ〜29ページまでを見ろってこと?と思ったり。実際には"twenty-three"でした。その後、音声学の授業で、threeがfreeに置き換えられることがよくある、という知識を得ました。こういうのも知っていないと、会話の文脈によっては重要情報を聞き逃しかねませんよね。

こういうネイティブがやっているチート情報は知ってて損はないと思います。よくあるのは子音の省略。"asked"の発音が「アスト」(「ク」は発音しない)となったりとか。このことも知ってから海外ドラマを見ていると、それまで自分がどれだけaskedを聞き逃していたかに気づきました。このチートについても動画を貼っておきます。英語ですが字幕があって分かりやすい。この方のイギリス英語、大好きなんです。


まとめ

以上、英語の子音の中でも特に難しいR音とTH音のコツを中心に書きました。お役に立てれば嬉しいです。

 

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