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デス・マッチ ″第一章″

借金四千万

会社にも借金がバレて職も失った

この先どーすればいいんだ…

残る金は手元にある2万のみ

俺は途方にくれていた

友人の連帯保証人になり逃げられたのだ

本当に馬鹿なことをした

誰よりも信頼していたやつだったのに…

嫁と子供もついさっき家を出ていった

今住んでいる家からも来月強制退出を命じられた
首でも吊って死んでやろうか…

気がかりなのは嫁と子供。あいつらには本当に悪いことをしたな…悔やんでも悔やみきれない…

家にいると嫁と子供との思い出が走馬灯のように蘇るのでツラいのでその日は昼から営業してる居酒屋に行き酒を浴びるほど飲んだ。どーせ今日死ぬんだ。金なんか持っていてもしょうがない
でも酔えないんだ。いくら飲んでも酔えない
死ぬことに緊張でもしてるんだろうか
いや、未練なんてなんもねぇ…

残り1万。居酒屋を出てパチンコに行った
あんなに好きだったパチンコも全然面白くない
無情になくなっていく玉を見つめていた
画面なんかみてもいない
勝ったところでたかが数万だ
20分ほどで1万もなくなり手元には小銭しか残っていない

さて…どこで死んでやろうか
家なんかじゃつまんねぇ
どこか景色のいいところで…

そんなことを考えながらパチンコ屋をでて道路を歩いていると

?『おい、おいっ!!!!!』

振り返るとスーツをきたチンピラが立っていた

俺『えーっと…なんですか』

?『いやいや、俺だよ山崎だよ!!!!』

あー高校のときそんなやついたなー

俺『あー…』

山崎『久しぶりだな!まだこの街にいたのかー!ってゆうかすげー顔色悪いけど体調でも悪いのか?』

俺『いや大丈夫。じゃあ』

山崎『いやいや、久しぶりに会ったのになんだよ!居酒屋でも行こうぜ』

なんだよこいつ。居酒屋ならさっき行ったし
なにより今から死にに行くんだよ邪魔すんじゃねーよ

俺『いや今日は無理だからまた今度な。じゃあ』

山崎『まーまー奢るからよ!よし行くぞ』

そー言うと腕を引っ張られ無理矢理連れて行かれた
めんどくせーな
早く死にたかった
ダラダラしていると死ぬことに躊躇してしまいそうだったから

席に着くと山崎はなにか俺に喋りかけていたが、なにも覚えていない
覚えているのはうるさいと思ったことくらいかな

山崎『おーい、聞いてんのかー!?』

俺『え、あぁ…聞いてるよ』

山崎『おまえなんかあったんだろ』

ほんとめんどくせーなこいつ
俺は黙ってほしいのと早くこいつから解放されたかった

俺『借金四千万できて家族に逃げられたから今から死のうと思ってたんだよ』

山崎『……』

俺『だからもう行くわ』

山崎『ちょっと待て。死ぬなら命を懸けて金を稼ぐ覚悟はあるか?』

俺『は?』

なに言ってんだこいつ。山崎は高校の頃悪いことが大好きでヤバい連中とつるんでいた
あれが儲かるこれが儲かるとよく自慢気に話していたのを覚えている
またその悪い癖だろう

山崎『他のやつには絶対口にすんなよ?』

俺『……』

山崎『実はな、ある廃墟の学校があってそこで3日ゲームをするんだ。そのゲームを富豪連中が金をかけて楽しむんだ』

ついに頭いかれたのかこいつ。それか映画の見すぎだな
山崎は続けた

山崎『ただ勿論普通のゲームじゃない。殺しあい。最後に立っていたやつの勝ち。賞金は5000万だ。エントリーする人数は5人で今現在4人集まってる。お前が出るなら即決行だ。どうする?信じる信じないはおまえが決めろ』

俺は半信半疑だった。でも気がついた
生きたかったんだろうな
俺はこいつの話を食い入るように聞いていた
自分が可笑しかった
どーせ死ぬならこいつを信じるのも面白いか…

俺『あぁ、信じるよ。やらせてくれ』

それからは今までが嘘のように酒がまわった
ゲームについて色々と聞いたが所々しか覚えていない
覚えているのは

・ゲームに参加するにあたってスポンサーが一人ついてくれる

・ゲームに持ち込める道具武器は全部で4つまで。スポンサーとの話し合いで決める

・相手の詳細はゲームが始まるまで明かされない

こんなとこかな
あと細かいこともいくつか聞いたが酒のせいで覚えていなかった

その日は山崎と朝まで飲んで家に帰った
家に帰ると寂しかった
この家にはもう朝帰りを叱ってくる嫁はいない
二日酔いなのに体に乗ってじゃれてくる子供もいない

あの出来事から初めて涙がでた
大人になって初めて声をだして泣いた

ゲームに勝って全てを取り戻してやる……

読んでくれてありがとうございます

2章に続きます(^^)

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