じゅんじゅんの元気を測る方法
うちのじゅんじゅんは、せっかちだ。
じゅんじゅんというのは私のおばあちゃん。
12時からの予定のために、8:30ごろからソワソワしだす。
9時には玄関に荷物が置いてある。
10時ごろにはすべての準備が完了して、食卓に座って時がくるのを待つ。
次の日一便で帰る友達が泊まりに来た時は、午前3:30に起床して朝ごはんを作っていた。
そして、カレンダーをめくるのがはやい。
1月29日くらいに2月にしてしまう。
じゅんじゅんはずいぶん前から足が痛いと言っていて、
去年の末くらいから更にひどくなって心も消極的になっていた。
友達を家に呼ぶと、みんな「じゅんじゅん大好き!」って言ってくれるくらいのチャーミングさが彼女にはあるんだけど、
身体が思うように動かないというのは予想以上にチャーミングさを奪う。
近くにいると、いろいろ頼まれるから面倒になるし、「運動不足は良くないよ!ほら、動いて!」と厳しく言いたくなる。
私のチャーミングさも奪われる。(元からないのかもしれない。)
だから、お互いにイライラが募る。
それに伴って、あんなにせっかちだったじゅんじゅんが、1日になっても、2日になってもカレンダーをめくらなくなった。
いつまでも月を跨がないカレンダーを見て、ちょっと悲しくなって、じゅんじゅんに優しくしよう、と小さく決意する。
先日、医者に勧められて、手術を受けることにしたじゅんじゅん。
元のようにはならないことが多いです、と言われていたけど、痛みが取れる可能性があるなら、と手術を受けると即答した。
リハビリも頑張って、痛みがなくなった。
一日2キロ歩くというノルマもあるので、私は一緒に近くの肉屋に行く、銀行に行く。
肉屋の女将さんが「あら、久しぶり!大丈夫け?」と声をかけてくれる。
帰り道、去年八百屋を畳んだおじちゃんに会って、気遣ってもらう。
銀行の窓口のおばちゃんが、「よかったわねー!」と言ってくれる。
通りかかったクリーニング屋のおばちゃんがわざわざ車を停めて、「乗ってくけ?」と言ってくれる。
「いえ、2キロのノルマがあるので」と乗りたそうにするじゅんじゅんを横目に見ながら、丁重にお断りして、手を繋いで帰った。
クリーニング屋のおばちゃんは言う。
「あんた小さい時、毎日手ぇ繋いで幼稚園連れて行ってくれたんは、ばあちゃんやろ?交代や。」
10月29日、我が家は11月になった。
すてっぴぃ@それでもまだちょっとキツく当たっちゃう
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