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涙腺の締め方

涙はめったに流さない
そんな人が羨ましい

お涙頂戴のCMも、全米が泣いた!な映画も必ず泣いてしまう。時々、予告編で泣いてしまうもんだから、自分の涙腺の安っぽさに辟易する。

どこかで監督やプロデューサーが見ていたら、
「くっくっく。あいつ、狙ったところで泣いてやがる」と笑われているに違いない。

本当に良くない。

道徳の教科書を読んで、よく泣きそうになっていた。でも、「道徳の授業を真面目に受けてるやつが笑われる」風潮があったから、そんな教室の雰囲気に負けないように、泣いていることがバレないように必死に堪えたりとか

反抗期のときに、家族揃って見ているドラマでウルっときてしまって、「は?こんなんで感動とかしねーし」ってフリして必死に堪えたりとか

デートで行った映画で、鼻水まで出して号泣して、目がポンポンに腫れて、珍しくつけたアイシャドウが全部取れてグチャグチャな顔になったりとか

夜中に観たYouTubeのせいで、翌日上司に呼び出されて「大丈夫か?」なんて気遣われたりとか

泣かない人には、そんな経験ないんだろう。

わかるかなぁ、泣くことは、恥ずかしいこと。恥ずかしすぎること。自分の薄っぺらさに気づかされるから。ちょっとしたことに心揺さぶられてしまう、単純で騙されやすい人間だと言っているみたいだから。

友達と飲みに行って、友達の話に泣けてきて、思わず目を逸らしてハイボールをグビッとするとか

マクドナルドでおばあちゃんが皺々の手でポテトを食べているところを見かけて、胸がキュウッと締め付けられて泣いたりとか

底無しに明るい人のブログを読んで、スタバでその過去に号泣するとか

千と千尋の神隠しで、千尋と両親が元の世界に戻ってきたときの、お母さんの冷たさに泣いたりとか(千尋のおかげで、あんたは豚から人間に戻れたんだよ?)

どんな物語にも、冷静沈着に向き合える人が羨ましい。心を乱さずに、現状を見つめられる人が羨ましい。そんな人になりたい。

まあ、なれないことをわかっていて、こうして書いている。


すてっぴぃ@一番泣いた映画は「湯を沸かすほどの熱い愛」だが、あれは涙腺が緩くなくても泣ける


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