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300億円で解決する! 社会課題に効く休眠預金

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約

政府は、休眠預金を活用した助成金の額を2023年度から5年間で約300億円に増やす方針です。これは19年度から22年度の実績額の約2倍に相当します。助成金は、子ども支援や地域活性化などの公益活動を行うNPO法人などを支援することで、社会課題の解決に役立てることを目的としています。休眠預金とは、銀行などで10年以上取引のない預金のことで、預金者に払い戻しを求められなかった資金を活用するものです。助成金の配分を決定するのは日本民間公益活動連携機構で、行政の手の届かないところで活動するNPO法人などの支援を強化することが狙いとされています。資金面だけでなく、専門人材の派遣などの支援も充実させる方針です。



休眠預金の驚くべき額


新聞記事によると、休眠預金の額は年間1400億円ほど発生しているそうです。これは月商110億円の会社の年間売上高に匹敵する額です。毎年これだけのお金が眠っていることには驚かされます。

僕は博報堂時代に情シスとやり取りを重ねたことがありました。この金額を聞いてまず思い浮かべたのは、ITシステムの開発費用です。例えば、大手流通業のシステム更改の場合、全体で300億円程度の費用がかかると言われています。休眠預金の額で毎年4つほど、そうした大型システムを構築できてしまう計算になります。IT業界としては、これだけの資金が活用されないのはもったいないことだと感じます。

一方で、日本の資産がここまで眠ったままになっている現状には問題があると思います。資金が循環していないことが、デフレ経済の一因にもなっているのではないでしょうか。休眠預金の有効活用は、日本経済再生に向けた重要課題のひとつだと認識すべきだと思います。

NPO支援のメリットと課題


休眠預金は、NPO法人などへの支援金として活用される方針です。行政の手の届かない社会課題解決に寄与するNPOを支えることは意義深いことだと思います。

例えば、医療分野では、小児がんや難病の支援団体などがNPO法人として活動しています。彼らは、行政サービスの範囲外のニーズに対応しているといえます。休眠預金の助成は、そうした団体の存続を可能にする重要な財源になり得るでしょう。

一方で、NPOへの支援には一定の配慮が必要だと思います。補助金と違い無条件に支払われるという性質上、不正防止の仕組みが求められます。助成先の選定プロセスの透明性やガバナンス体制の確立が課題になると考えられます。

資金の有効活用がカギ


休眠預金の額は年々増加しているそうです。これを社会課題解決に役立てることは大切ですが、資金の有効活用がカギを握ります。

僕は、単にNPOへの支援金を増やすだけではなく、資金を動かす仕組み自体を改善する必要があると思います。例えば、クラウドファンディングの手法を取り入れることで、支援先やプロジェクトを公募し、支援者の意思を反映できるのではないでしょうか。そうした仕組みを使って、休眠預金の有効活用策を社会全体で考えていくことが 独創的 だと思いました。


今日の問い

貴社では、資金をうまく循環させる工夫はされていますか?眠っている資金がないかを点検する必要があるのではないでしょうか。

貴社のCSR活動は、NPOとの連携などにより、より大きな社会課題の解決に資するものとなっていますか?

貴社の事業プロセスを見直し、行政では対応しきれない社会的ニーズを発掘することはできないでしょうか。新たなサービスの種を見出す好機となります。

貴社の資金を、クラウドファンディング等の仕組みを使って社会課題解決に役立てるアイデアはありませんか。社会と WIN-WIN の関係を築ける可能性があります。

貴社の事業領域で、NPOと連携することで社会課題をビジネスチャンスに変えられる可能性はありま

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