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ステップファミリー(子連れ再婚家庭)の課題を社会に伝えるためのアンケート【結果報告】

2019年11月、「ステップパパの研究会」が実施した「ステップファミリー(子連れ再婚家庭)の課題を社会に伝えるためのアンケート」のアンケート結果をまとめました。

アンケート概要

本アンケートは、ステップファミリー(子連れ再婚家庭)のための当事者コミュニティ「ステップパパの研究会」が、ステップファミリーにおける課題を調査する目的で実施した完全匿名アンケートです。

アンケート実施期間

2019年11月10日(日)〜11月30日(土)

アンケート対象者

ステップファミリー(子連れ再婚家庭)当事者
または、これからステップファミリー(子連れ再婚家庭)当事者になる可能性のある方

回答人数

回答人数:27名


以下、回答結果となります。
なお、本アンケート結果は回答のサンプル数が少ないため、統計学的な正しさが保証されたものではありません。ご留意ください。

Q:あなたの年齢を教えてください

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Q:婚姻の状況について教えてください

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Q:あなたの家族内での立場を教えてください

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Q:結婚されている方にお聞きします。結婚して何年目ですか?

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Q:結婚されている方にお聞きします。結婚するまでに何年かかりましたか?

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Q:結婚されたとき、お子さまは何歳でしたか?

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Q:ご自身(またはパートナー)が以前の婚姻関係を解消された理由を教えてください

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Q:前の質問で、離別と答えた方に質問です。お子さまは、前のパートナー(実親)と現在も面会していますか?面会している場合、どのような形や頻度で行っていますか?

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■面会頻度
・月に一度
・年に一度。誕生日
・夫は月に1度、前妻の子どもたちと面会している。夏休みと冬休みに彼らが私達の家に泊まりに来る。
・本人同士が都合のいいときに面会している。
・月二回週末に子供だけで泊まりに行っている
・月に2、3度の面会、週に1度のFaceTime
・週一FaceTime、月一宿泊

Q:ステップファミリーであることを、周りの人にカミングアウトしていますか?

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Q:今あなたの身近に、ステップファミリーに関する悩み(子連れ再婚家庭にまつわる特有の悩み)について相談できる相手はいますか?

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Q:あなたは今、特にどのようなことで悩んでいますか?

・パートナーの悩みを受け止めつつ、子供にも配慮する役目を負っているが、そのバランスを取れない。取れていない。取れないことが更にパートナーを苦しめ、シーソーが大きく揺らいでいる日々の繰り返し。

・継子との関わり方、自分のことを大切にすることとのバランス

・特別養子縁組にするかどうか

・夫が前妻の子と面会しているときに孤独感や嫉妬が湧き上がること。

・子供がどうしたらパートナーに心を開くか。思春期の子供にパートナーの存在や将来一緒にいたいという事をどう伝えたらいいか。パートナーを支える為に具体的にできる事は何か。パートナーと子供達とどう将来の見通しを立て意見をすり合わせていくか。

・死別なので今後子供に言いにくい

・夫の前妻の子たちは前妻と暮らしているので、私は継母ではなく、彼らから見たらお父さんの今の奥さん。どんな関係を築いていけば良いのかわからない。親戚のおばさんくらいの立ち位置でいればいいのか。仲がが悪くなければいいくらいに考えて接しているが、仲良くなろうとした方がいいのかよくわかりません。

・パートナーと継親実親それぞれの葛藤や苦しみを分かち合えない。理解し合えない、なので相談すらできない。

Q:子連れ再婚をしたこと(すること)についてご両親や親戚、周囲の人はどのような反応をされていますか?

・パートナーの父は大反対で結果、断絶状態。

・長女は完全拒否、母はあきれていました。

・娘2人だから実父ではない男性と暮らすことへの危険性などを心配された

・夫の両親は喜んでくれたが、実親には言っていない

・自身も父が子連れで再婚、11歳から新しい母親なので、同じ道を辿ることに申し訳なさそうにされる。

・反対はされず、お前らしいなって言われたのが数件

・当時はネガティブな反応、今は良かったねという感じです。

・反対されて没交渉

・自分の親が子連再婚で、養子縁組を今の母としてるので、特には言われませんが「よくかんがえてね」と一言もらいました。

・母は、快諾。父は少し戸惑っていましたが反対はしませんでした。友人には引きとめられました。

Q:人から言われて、傷ついた、または嫌だなと感じた言葉はありますか?

・まだ結婚したばかりの頃、子ども(継子)を病院に連れて行った時に、子どもの体重や病歴を答えられず、「どうしてそんなに自分の子どものことがわからないんですか!?」とナースに怒鳴られたこと。

・「養子にするのが息子だったからよかったね。娘だったら異性だし、思春期になったら何が起きるかわからないからねー。」と平然と言われたこと。

・鈍感な人から『何がそんなに大変なの?』と言われた時に、すっごくイラっとしました。深い意味はないと思いますが、、、とにかくものすごく大変だから。少しでも想像してみてくれ。と思いました。

・なぜこうなったのかを根掘り葉掘り聞かれること

・連れ子と実子への愛情の違い云々は言われるとうるさいなーと思う

・再婚してまた子供作って、もしまた別れたらそれこそ大変だよ。やめた方がいい。

・子供が通う保育園のお友達から「●●(子供の名前)のパパはいないの?」「誰が本当のパパなの」など、遠慮なく聞かれるのがつらかった

・夫に気持ちを話しても、私の気持ちは理解できないと言われて悲しかった。

・中古貰ったって?

・ステップファミリーに関する事実が十分に周知されていないため、どうしても継父による虐待事件が起きた時に注目されるので、ステップファミリーは危ないとひとまとめにされ心配されることが悲しいです。

Q:結婚してから(継子の下に)新しく子どもができた方に質問です。子どもが生まれて、よかったこと、逆に悩んだことがあれば、教えてください。

・出産予定ですが、実子は初めてなので、継子、実子、分け隔てなく愛していけるか、内心不安。

・長男が生まれた時は、ずっと1人だった長女は弟ができた事がとても嬉しかったようですごく可愛がって性格も明るくなったと思います。

・子育て経験のない夫に0歳児からの子育てを経験してもらえること、子育てを学んでもらえることは良かったです。長男にとっては、これまでずっと一人っ子でマイペースに生きてきたのに、赤ちゃんに色々と邪魔されたり、赤ちゃんの泣き声がうるさくて宿題に集中できなかったりで、かなりストレスなんじゃないかなと思ってます。『(下の子)がいるから、自分はもう必要ないじゃないか!結婚しなければよかった!』と長男が怒りながら私に言ったりすることもしばしばあり、悩んでます。

・家族全員と血が繋がっているので、みんなに可愛がられている。

・良かった事しかない、家族が増えた事

・私が高校生の時に実母が新しい命を授かったのですが、私が猛反対したため、子どもを中絶したそうです(私の暴言が原因で中絶したことを、大人になってから姉に聞かされました。なのでそのことについて実母や継父と話したことはありません。でもそれを知った時とても苦しかったです。自分は父と血の繋がりがなくて、父と母に新しい子どもが生まれることにたいしてのなんともいえない不安は今でも忘れられません)

Q:ステップファミリーになってよかったと思える瞬間は、どんな瞬間ですか?

・時間の積み重ねで得られる信頼

・娘たちと夫がしている何気ない会話や、ギターを夫に教えてもらっている姿。とにかく何気ない事に幸せを感じる。

・皆が共通の話題で笑い声をあげた時。パートナーが実子へ労りを見せた時。

・私が倒れても、子どものことを助けてくれる人がいること。

・ステップファミリーになってよかった、ということは特にありません。やっぱり初婚同士にはない苦労が多いです。でも今の家族で幸せを感じるので結婚してよかったと思います。

・色んなタイプの家族がいることを子に教えられた。

・こういう形でも成り立つ可能性があることを知れた、世の中にはこういう形があるということを知れた、体験できた。

Q:家族に言われて嬉しかった言葉があれば、教えてください。

・ふつうじゃないことも、あなたらしい生き方。

・長女が再婚する前に手紙をくれて、夫の住む街に引っ越すと決まった事に、引っ越したらみんな家族になるね!と書いてくれた事。

・血の繋がりは大して大事じゃない

・父と血の繋がりがないことを知った時、継父が私たちに言ってくれた言葉です。「血の繋がりなんかなくても、本当の親子になれると信じて一生懸命お前たちを育ててきた」と言われました。

・お父さん!

・言葉ではないですが、夫の前妻の娘が、私を含め家族全員の絵を描いてくれたこと。夫の前妻の息子が私のことを「大人の親友」と言ってくれたらしいこと。

・継子が学校や幼稚園でお父さんと呼んでくれていたこと。普段は名前で呼ばれています。

・3年経った頃、子供たちが継父に甘えているのを見て、私の両親から再婚して良かったねと言われたこと

Q:子連れ再婚家庭として良い関係を築いていくために、あなたが気をつけていることや、工夫していることがあれば教えてください。

・パートナーや実子の気持ちを汲み取ろうと心がけています。ですが、汲み取ろうとするあまり自分がなくなり、結果、家族をぐらつかすことになっていないかと最近、思い始めています。

・無理をしないこと

・子供に、継父になる人を「お父さん(またはパパ)」と呼ばせることを強制しない

・夫が子育てに慣れていないところを責めない。いつも感謝

・結婚前にたくさん悩み考え、自分たちで覚悟を持って下した決断とは言え、突然2児の父になった夫の精神的葛藤は、実母である私には推測はできても心から理解することは難しいものだと思います。
彼に父親としての役割は求めないことを心がけましたし、彼も初めは「共に暮らす大人の友達」という立ち位置で子どもたちと関わっていました。
それが、日々の積み重ねにより今では子どもたちからもう一人のお父さんとして、むしろ一番の心の拠り所として信頼され尊敬されている様子を見ると、血は繋がっていなくとも人と人は愛情の土台の上で温かい家族になっていけるのだなぁと感じています。

・思いやり。気遣い。

Q:継親の虐待事件がメディアで数多く取り上げられていますが、何か思うことはありますか?

・ウチとは違うと思いながらも、共通点を探し気になってしまう。

・再婚だから、自分の子どもじゃないから…血の繋がりなんて関係ないと思います。血の繋がりがあっても同じ事が起きるのだから。再婚して幸せな家族の方が絶対に多いのに、再婚が悪いような取り上げ方は絶対に許せません!

・カミングアウトしにくい空気を感じるので継親だからという理由で報道されるならやめてほしいと思う。実親の虐待も多い。

・昭和の価値観に支配されすぎている日本社会が、現代の多様な家族の形を受け入れられる社会へと変容していく緊急の必要性を感じます。

・見ていられない、泣いてしまう

・継親だから虐待しやすい、ということはないと思うが、生まれた時から一緒にいるわけではない難しさはやはりあるとは思う。生活のために再婚すると女性の立場が弱くなり虐待につながりやすいのではないか?女性の地位向上も必要だと思う。

・してはいけないことなのかもしれませんが、加害者側を追い詰めてしまった環境や、加害者の心に寄り添ってあげられる人がいなかったのかなと、可哀想に思ってしまったりする自分がいます。

・虐待するくらいなら、子供を引き取りたい。と思うくらい悲しいし怒りを感じます。

Q:ステップファミリーが生きやすい社会になるために、社会はどう変わるべきだと思いますか?どのようなサポートが必要だと思いますか?

・夫婦別姓を認めてほしい。再婚すると名字が変わり、子どもにとっては大きな負担だから。社会が変わっていかないといけないと思っている。

・特別養子縁組制度が小さい年齢だけじゃなく、大きくなってからでも出来るようにして欲しい。

・ステップファミリーの交流の場や、カウンセリング、ペアレントスクール

・みんなの意識が寛容であること。

・ステップファミリーがお互い悩みを相談共有でき息抜きできる場所を増やす。ステップファミリーでうまくいっている家庭をもっとフォーカスし社会的イメージを良くする。社会全体で子供を教育していくという認識を拡げ、親の教育の責任を重くしない。夫婦別姓制度。そもそも結婚や戸籍や相続の制度はいろいろ見直す必要がありそう?もっと自由に堂々と一緒にいたい人と一緒にいられる社会になって欲しい。

・このコミュニティ(ステップパパの研究会)のように、それぞれの立場の人同士が素直に悩み相談をしたりできる空間が増えることだと思います。
隠そうとしたり、良い家庭に見せようと無理したりすることが、家庭内での闇をうんでしまう原因だと私は思っています。
もしかしたら継父も、誰かに相談したかったかもしれないなと思います。

・さまざまな家族のかたちを認めていくことでステップファミリーも家族の一つの形態として当たり前になっていくと思う

・多様な家族が存在していることが広く認知されること

・学校の先生には、実子でない可能性を頭に入れておいてほしい。

・助けを待つ機関や団体ではなく、働きかけてあげる様な体制が出来れば、どんな形であれ生きやすい世の中になるのではないかなと思います。その体制の中身は実経験者であれば尚良いかと…

Q:これからステップファミリーになる可能性がある人に対して、何か伝えたいことがあれば教えてください。

・我が家の場合は色々心配するよりも、案ずるより生むがやすし、というか、結果楽しく暮らしています。心配しすぎるのももったいないので、せっかくのご縁を大切に楽しく暮らしてください

・自分の事よりも子どもの事を優先してくれる人と再婚して欲しいです。
前の離婚原因をよく考え、それを活かして欲しいと思います。そして、継子を一緒に育ててくれる相手に感謝する気持ちは絶対に忘れないで下さい。

・よく考えて。想像以上にハードルは高い

・色々言う人には言わして置けばいい!その声に従ったところで、他人はあなたの幸せにも不幸にも責任を持ってはくれません。

・わりと早くに再婚したのでステップファミリーだから、実の親子だからということより他の家族とあまり変わらないことで悩んでいることが多いです。モラハラ旦那と結婚していた頃より今の方がずっと幸せです。

・理想と現実はかなり違う。関係性の話なので、個人ではどうにもできない課題が持ち上がってくる。なので、その課題を事前に知っておくべきことが大事。自分だけは別だという過信は禁物。

・子連れ再婚をする場合は、これ以上子どもを振り回さないという覚悟が必要ですが、「大人でも間違えたり失敗することはある、人と人は合う合わないがあって当然、大きな人類愛を持ちそれぞれが幸せな人生を送り認め合うことが大切」という大事なことを教えてあげられる絶好の機会にすることもできると思います。

・子育ては大変です。継子の下に新しく子を作るかどうか、よく考えてみて。新しく子どもは作らないという選択もアリだと思います。

・ステップファミリーが、良いものだとは自分からはまだ胸張って言えません。だけど世の中にはこういう形もたくさん存在しています。仲間もいます。是非その仲間を頼って、楽しい生き方をして欲しいです。

・自分もそうですが、子供のことをよく考えて、自分(親)の恋愛にだけでなくもっと家族を考えていってほしい。

・血が繋がってても、親子じゃない家庭もあるとおもう。当たり前に、子供の未来のために子育てに悩んでがんばりましょう。

・自分がどうしたいかが1番大切だと思います。

Q:他に何か伝えておきたいことがあれば教えてください。

・ステップファミリーとひとくくりにしても、家庭は人それぞれ。臆せずに進んでいってください。

・みなさんが幸せになりますように。

・ステップファミリーのカウンセリングや支援も、同性カップルには対応できておらず、ステップファミリーと同性カップル、のように、複雑さが2つ組合わさると手がつけられないほどこじれ、相談に対応できる人も少ないこと。
ステップファミリーと継親が被虐待者だった、なども同じ。継親自体の成育に少しでも愛情不足などがあると、子育ての家庭で問題が大きく露見してしまい、解決策を見いだすことが非常に困難になる

・皆さんがどんな形でも幸せな瞬間が訪れますように。

・来年で再婚して10年になります。
たまには娘の進路のことや生活面などで意見が合わない事はありますが、ほとんど喧嘩した事はありません。
再婚と知って驚かれるぐらい、周りからは普通の家族に見られます。
本当に幸せです。
相手に感謝する気持ちを忘れずに、意見が合わない事があっても、そう言う考え方もあるんだな…と思って相手の意見も受け止めてみて下さい。
私が夫の立場なら、絶対に再婚なんて出来ないと思います。
そう思うからこそ、本当に夫には感謝してもしきれません。
自分よりも子どもの事を優先してくれる人となら、再婚を決めても良いと思います。
もちろん、子どもの気持ちも聞いた上でです。
我が家は娘たちも思春期になろうがパパパパと言って色々な話しを毎日しています。
再婚は焦らずゆっくり時間をかけて。
再婚前に子どもと相手だけで過ごす時間を何度か作ってみると良いと思います。
再婚は色々あるけど、私はして本当に良かったと思います。
幸せです。

最後に

今回アンケートにご協力頂いたみなさま、本当にありがとうございました!

アンケート結果からもわかる通り、「ステップファミリー(子連れ再婚家庭)」と一口に言っても、家族のカタチはそれぞれに異なります
女性が子連れのケースもあれば、男性が子連れのケースも、また子連れ同士の再婚もあります。前のパートナーとの別れの理由は、離別の方もいれば、死別の方もいます。再婚時の子どもの年齢も、小学校入学前から、思春期の中学生の頃までさまざまです(兄弟がいるケースもあります)。

まずはこの「ステップファミリー(子連れ再婚家庭)の形や、抱える課題は多様である」という事実を、社会に認知してもらう必要があるでしょう。
私自身、シングルマザーの女性と初婚で結婚をした立場なのですが、私のようなステップファミリー当事者であっても、これほど多様な家族のカタチや課題があることは、調査を行うまでほとんど知りませんでした。

また、今回の調査では、ステップファミリーであることをカミングアウトしている、と答えた人はわずか6割、ステップファミリーに関する悩みを相談できる相手がいる、と答えた人はわずか4割でした。
みなさまの周りにも、このように誰にも打ち明けられず、相談もできないまま悩んでいる当事者の方がいるかもしれません。
その中にはきっと、同じ立場の人の話を聞くだけで救われる人もいるかと思います。
そういった方のためにもぜひ、今回のアンケート結果の情報拡散にご協力をお願いいたします

調査:ステップパパの研究会 おしだ

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