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食後の眠気と診断の話(中医学)

次はもっとわかりやすく簡単に書くと言ったのに、既にもう簡単に書ける気がしていないそれがわたしです・・・今日もどうにかお読みいただけるとうれしいです。

胃腸が弱り元気が出ないわたしでしたが、今日は何とか食後に気絶せずに起きてnoteを書けるくらいの元気が戻っています!食後、眠くなるわぁ〜という経験、したことありませんか?わたしはね、あります!というか食後なんてみんな眠くなって当たり前だと思って生きてきましたが、どうやら違ったようです。

食事をすると食べたものはお腹に入ります。このお腹に当たるのが中医学で言う「脾」です。よく中医学に興味を持った友達に「脾って何のこと?」と言う質問を受けるのですが、説明をするのがとても難しいです。あまり深く考えず胃腸など消化器官や腸内環境のようなものだと理解するのが良いと思います。

食べたものは脾に入り、消化吸収によって必要なエネルギーとなる気血を生み出します。食べたものは水分も含んでいるのでそこから必要な水も取り出し、津液を生み出します。脾は気血を生み出す場所であるのですが、生み出すための作業を行うのもまた気です。胃腸のエネルギーである脾の気が充実していれば良いのですが、不足していると他の場所に散っていた気も消化吸収のために脾に集まる必要があるので、食後に眠くなるという現象が起きてしまいます。胃腸が弱っている場合にも起きますし、自分の消化吸収のキャパシティを超えた量や質の物を食べた時も同じようなことが起きます。

ポットのお湯を沸かしたり、ガスコンロで鍋のお湯を温めたり、発電したり、何かのエネルギーを作り出す時には元になるエネルギーが必要です。エネルギーが本当に無くなってしまうとそこから立ち上がるためにも時間がかかってしまいます。スマホなど完全にバッテリーが切れてしまうと起動するまでに時間がかかってしまいますね・・・人も自然界の一部、小宇宙なのでやはり同じような原則なのです。

食後に眠くなってしまうのは既に脾の気が虚している状態なので、脾気虚と言います。中医学では気虚、血虚と言う言葉があるのですが気虚というのはほとんど脾気虚がベースにあるというのを教えてもらいました。脾の気が虚していれば脾気虚、肺の気が虚していれば肺気虚、心の気が虚していれば心気虚という風にどの臓腑の気が不足しているのかというのを見極めて足りない臓腑の気を補うお薬を使って治療をしていくのが漢方や中医学の世界です。その他、気の流れる方向が逆になっていたり(気逆)気の流れが停滞している(気滞)ということもあります。

そして一つの症状に対して原因というのはたくさんあるので、なぜそのような症状が起きているのか?ということを詳しく診断していくのも漢方、中医学の特徴です。「お腹が痛い」という症状一つをとっても、何かが詰まってお腹が痛いのか、冷えてお腹が痛いのか、何かが不足していてお腹が痛いのか、ここに挙げただけでも3つの理由があり、それぞれ治療法や使うお薬が違います。これはどの症状でも同じで例えば「不眠」でもそこに至る経緯や原因が違うので使うお薬が違ってきます。「弁証論治」(べんしょうろんち)というのですが、根本的な病因、そして今に至った病理機序をきちんと理解し、最適な治療手段を考え、そのためには具体的にどのように治療していくのが良いのか?というのが漢方や中医学の治療の進め方です。山頂に辿り着くためにどういうルートを辿り、どういう装備を使うのか?は人それぞれのように、どの漢方薬を使うのか?は薬であれば処方する先生や漢方家により違ってきます。そのため、治療する側の立場であればまずきちんと弁証論治が出来なければ患者さんを良くすることは出来ません。

ただし、脾気虚の人たちが症状を改善するために共通して出来ることはあります。

・朝ごはんを抜かない
・肥甘厚味(脂っこいもの、甘いもの、味の濃いもの)を避ける
・腹八分
(たくさん食べられない人は可能であれば食事回数を増やしましょう)
・とにかくよく噛む
(噛むことで消化酵素を含む唾液もたくさん分泌されますし胃腸の負担も減ります)
・温かい食事でなるべく生物を避ける
・飲み物はせめて体温以上のもので
・パンより米
・必要以上に水分を摂らない
(食べ物にも水分が含まれているし体内の水分は一部リサイクルされています)
・バランス良い食事を心がける(お米などの糖質も大切です)
・夜は出来れば8時までに食事を済ませる
(消化吸収のエネルギーは朝が一番高く、夜に一番低くなります)
・たくさん寝る(気を消費する時間を減らしましょう)

全てをやることは大変なので、出来ることから少しずつ取り入れてみましょう!

わたしも今から今日三度目のご飯を食べるのですが、午後は少しお昼寝をして室内で軽く体を動かそうと思います。(体調に合わせて分食中!)猫は寝子だから眠くていいそうです。

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