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季節と心の移ろい

夏の土用もあと2日。
夏土用に鰻を食べるというのは有名ですが、土用は年に4回ある季節の変わり目のこと。中医学的にも体調を崩しやすく、特に胃腸の調子が悪くなりやすいため気をつける期間です。木(春)・火(夏)・金(秋)・水(冬)、どの季節に移る時にも土を経由するのです。土は中医学では脾胃にあたります。

今年は7月20日から土用期間に入り、8月7日までが夏土用、8月8日には立秋です。猛暑の夏ですが、もう秋がやってきますよ。

養生的にも派手なことはせず静かに過ごすのが良いとされる土用の期間、減薬も休んでいるわたしは心と体と向き合う期間を過ごしていました。
それは何となく始めたことでしたが、しばらく休んでいたセルフケアを再開して、偶然見つけて気になったセラピーヨガのクラスに参加して、毎日散歩をするようになりました。その他にも筋トレしてみたり、心肺機能上げるためにゆるくHIITやったり(笑)

体を動かすことがあまり好きではなかったわたしが体を動かし続けて気づいたことがたくさんありました。まず、セラピーヨガのクラスに参加して、毎日家でも取り組んでグラウンディングとセンタリングが少しずつ出来るようになってきたこと。そして身体の感覚、感情の輪郭がはっきりとわかるようになってきたような気がします。最初のクラスの後で、体が縦に伸びたような感覚がありました。視点が高くなったような感じ?視野が広くなった感じもあります。

それから毎日、朝晩に必ず散歩をしていたのですが、自分の感覚がしっかりしてきたお陰なのか景色や空気、風、温度など自分の外側にあるものからたくさんの気づきを得られるようになってきました。中医の先生も「肝鬱(ストレスや自律神経の乱れなどがある)の患者さんは物理的にも視野が狭くなっていることが多い」と話していたのですが、本当にかなり視野が広くなったような感じです。クラスの中でもやっている眼球運動。中医学でも目を八の字に動かすことは理気といって気の流れを整えるというのを自分でボディーワークを始めた頃に先生に教えてもらいました。自分でトラウマの研究を始めた頃です、懐かしい。

体を動かしていて、一番変化があったのは心だと思います。
全ての感情は自分の中から生まれているもので、怒りにはもっと根源にある一次感情があって、自分の心次第で世界は何とでも変わるんだということに気づいていたものの、自分の気持ちにきちんと向き合っているようで向き合えていなかったのです。頭ではわかっていたつもりで、向き合い方がいまいちわかっていなかったのだと思います。

毎日の散歩をしていると、自然と多面的に物事を捉えられるようになってきました。元々、論理的思考タイプなのですが、自分と外側の世界の境界線がわかるようになったことで冷静に判断が出来るようになった気もするので、セラピーヨガと散歩の両面からいい影響があったように感じています。

本当に長い間、自分のことを客観的に見ることも出来なかったわたしだけど、今は少しずつ自分のことを見つめる余裕が出てきたのかもしれません。自分のことをきちんと見つめられるようになって、自分以外のことも冷静に見つめられるようになってきました。理屈でわかっていたことが、ようやく腑に落ちた感じです。

ジャッジをしない、ということの本質がやっとわかりました。
あーーーー何だかちょっと人生の峠を越えられそうな気持ち!!

散歩もやり始めた頃はそんなに楽しくなかったし、暑いしきついなーと思っていたけど続けていくと少しずつ余裕が出てきてその中から楽しさが出てきて、楽しさの中から気づきが生まれてきました。

今日、セラピーヨガのクラスの最中にも同じような気づきがありました。
わたしはデザイン職をしていたり、いろんなものづくりをしていた癖にとても絵が下手、本当に!それで「絵は書けない、苦手」って言ったのかな?その時に先生が「得意じゃないってこと?好きか嫌いかででいうと?」って聞いてきたのです。
その時わたしは答えられなかったけど、後になって考えたら好きか嫌いかもよくわからないのに、勝手に苦手だって決めてたなぁ、って。勝手に上手じゃなきゃダメだって決めてたんだなぁ。

そんな固定観念に囚われた長い人生からようやく脱却出来そうな気がしています。苦しみの中からちょっと楽しさを見出せた時、人は前に進めるのかもしれません。

今年の夏土用は、とても有意義に自分と向き合う期間になりました。


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