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旅の記録

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旅について考えたことを、ちょっとマジメに書きます。
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急に歴史がおもしろくなったワケ 〜自分を見せてくれる鏡??〜

何物かに興味を持つまでは、自分が人生のうちでその物にただならぬ興味を持つことを、その熱量を、その興奮を、想像だにできない。 想像できない。だから、今この瞬間の人生がおもしろくないと思っているあなたも、これを読んだら急にそれに興味を持ち、世界が輝きはじめ、このnoteが有意義なる人生の第一歩になる、かもしれない。なんつって。 そう、今回のテーマは、中一のときテストで8点をとり、それ以来、苦手教科1位の座を何者にも譲らなかった日本史。それが急に興味深くなった経緯は、こういうこ

金沢JAZZ STREET 2023 人生を変えたい時に、やれること

ああ、人生は儚い。 心不全に陥った瞬間のことを考えてみてほしい。いつもと違う、不気味な動悸がする。鼓動のリズムが乱れている。おおきな拍動が押し寄せたかと思うと鼓動は一気に薄れ、細動が始まった。胸がつまる、声が出ない。これでは人を呼ぶことも電話もできない……ああそうか、これが、私の人生の終わる瞬間なのだ。まじめに勉強し、まともに仕事をし、周囲にとってある程度はいい人でいられたと思う。家族にも恵まれ、これまでにたくさんの動植物と触れあい、強烈な太陽の熱に目をほそめ、夜のしんとし

定禅寺STREET JAZZ FESTIVAL2023で感じた 旅と音楽

人は一期一会。 人に限らず人生で出逢うあらゆるものが、一期一会。その裏側には、出逢わなかった無数の存在が隠れている。 2023年2月公開のジャズ映画「BLUE GIANT」を観て、原作漫画を全巻読んで、作中で主人公が高校生のときに足を運んだ地元のジャズイベントこそ「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」、今回私が訪れた場所だ。ジャズ、フュージョン、ロック、ゴスペル、ビッグバンドーー漫画の描写にあったとおり、街のあちこちに、ジャズの枠には収まりきらない様々なジャンルの音楽が溢

温泉宿 再考 〜ゆらぎ現れる癒しの正体〜

人心を掴んで離さない。温泉は世界最古のレジャーであると言っても過言ではないほど、その歴史は深遠である。古代ローマのカラカラ浴場しかり、わが国では縄文人も温泉に入っていたと伝えられ、温泉文化は地域、時代をこえて愛されつづけている。 温泉は、いや、温泉宿は一体どうやって、客人たちを癒すのか。お湯があればよいのか? 食事が豪華ならよいのか? いやいや、そんな通り一遍の評価じゃなくて、もっと深淵を覗いてみようじゃないか。少し経営的で、ミクロな視点で……本当に細かい話になるし、長くな

街の再生~故郷への帰りかた~

昔住んでいた街は、古くて、シャッターだらけで、活気がなくて、路面が傷んでボコボコしていて、高齢化が進んでいて、交通の便がわるくて、往来を歩く人などおらず、およそ先端文化など指先に触れることもできないくらい、どうしようもない街、だった。中学生の私からは少なくとも、そう見えた。大人たちの娯楽といえばパチンコだけ。駅舎もちいさくて、レトロと呼べればいいのに、中途半端に新しくて古い。 その街に今年、新しいカフェができたと聞いて行ったのだ。 *** そのカフェは、私の人生から見て

あらためて、コト消費 ~旅で、なにをしないのか~

居室は3畳程の最小限、薄い壁ごしに隣の物音がきこえる。トイレ、シャワーも最低限のユニットで共有。風呂なし、おまけに過酷労働つき。そう聞けば、一泊の値段がけっして廉価でないこの宿にいったい誰が泊まるのだろうと不思議に思われるだろうが、私が宿泊したその日、参加者は定員まで一杯だった。 KURABITO STAY ここは、日本酒の酒蔵に泊まり日本酒の醸造工程を体験できる、全国でもまれな体験型ホテルだ。所在地は13の酒蔵がひしめく酒どころ、長野県佐久市。 KURABITOとは「