某「やっていけなくなった話」から考える

私も発達障害(風)の人間なので、浅はかだけど少し思ったことをつらつらと。もちろん、障害の程度ではあちらのが重いだろうけれど。

記事本編を読んでいない諸兄は検索して欲しい。富〇通あたりで検索すれば出ると思う。あ、〇はそのままね。

さて本題として、この記事に対して何を考えるだろうか。
私はどちらかと言えば健常ではない側なので、差し当たってはまずこの文章を読んでいるあなた自身が考えていただきたい。

どう思っただろうか。多くは2つに大別されると思う。
1.優秀な人間を死なせる社会に視線が向く人
2.甘えを感じ取る人

実はこの1と2は、私の考え方としてはそれぞれ2つに細分化されていく。順を追って説明していくが、あなたがどちらを選んでいても、とりあえず他の考え方を知るつもりで全て読んでほしい。

1-1.
優秀(ハンディあり)な人間を(活躍させず)死なせる社会

一番穏やかな思想だと思う。
いくらハンディがあっても、優秀なら優秀なりにやりようがあるはず。
その活躍の場を用意できない社会を責める、自身もその社会の一員として悔やむ。そういった考え方だ。
特に取り立てる点は無く、良い考え方だと思う。私も手助けになれるようぜひ頑張っていきたいところである。

1-2.
優秀(でもハンディあり)な人間を(叩いて)死なせる社会

昨今の炎上ネタにありがちな構図だ。もちろん、どちらのサイドでも。
人は何かと理由を付けて正当化したがる節があるが、その正当化の理由がハンディ…今回なら発達障害。そういった物に向く構図だ。
恐らく一番多いんじゃないんだろうか。そして一番意味が無い。
そんなことをしても当の本人はスッキリするだけで幸せにはなれないし、根本的な問題は何も解決していない。

2-1.
(鬱、自殺等の逃げに)甘えを感じ取る

鬱絡みの症状下にあるとき、人間は正常な判断をとれない。
こればっかりは本当に鬱になって体感してもらうしかない。
鬱でどん底にある人間は常に救いを求めていて、ふっと浮かんだ救いに縋りつく。彼らは本気だ。
もっとも、必死さのあまりそれが何なのかは分かっていない。
例え自殺であっても。(※いち個人の体験例です)

2-2.
(自殺の決断に)甘えを感じ取る

正直なところ、自殺したいと思う人間を止める気はさらさらない。
この世界合わない人間は合わないと思うし、死にたかったら死ねばいい。ただ理由もなく絶望して死ぬ人間なんていない。
例えば元記事の例だと、書いた人間は何のために技術を学んでいたかが書かれていない。何のために技術を学んでいる?承認欲求?世界平和?
もし承認欲求のために技術を学んでいたりしたなら、そのために努力するか、そんな薄っぺらい自分を呪いながら死ぬかのどちらか。
もし世界平和のためなら、技術の活かし方を一度考えてみるか、その果てに実現できないと判断して死ぬかのどちらか。
ちょっと判断甘いんじゃないの?という考え方。


自殺という選択を考える

結局人はどういう立場であるべきなのかというと、もちろん1-1だ。
でも当事者になったら?社会を恨んでも仕方がない。2-2の立場に立ってみてほしい。

元記事に話を戻すと、何故彼はここまで技術を高められたのだろうか。そしてそれを社会に求め、不足していれば持ち込もうとした。
その行動の理由をまず突き詰める必要があるだろう。
技術が楽しかったから?技術で優位に立ちたかったから?技術で世界に貢献したかったから?考えられることはたくさんあるが、残念ながら元記事の文章からその全てを読み取ることはできない。

完全に個人の仮説だが、「自分のやりたい事/できる事ができないこと」に強いストレスを感じているようには見える。
「やりたい事をやって生活できる環境」の手伝いが必要なんじゃないかと思う。そのうえで、やりたい事をやっているだけで生きていけない、足りない、求められていないと感じるようであれば、自殺も逃げの手として容認するほかないのかもしれない。

もっともこの場合に自殺を成功させたならば、人生最後に自分のやりたいことをやり通したことになるわけだけれども。


結局何が言いたいの

自殺自体は逃げの手として極めて正しい手だ。
この事実を受け入れた上であえて止めようとするならば、今がその逃げの手を打つべき場面かを考えることだ。
特に行動原理に焦点を当てて、一度考え直させる分岐点を見出してみてほしい。まずはそこから語り掛け、本人の判断までの思考から仮説を検証し、また新しい物を見出していく。最終的にたどり着いた結論をもとに本人の行動をなぞると、大体の場合はどこかで妥当でない判断や選択があるはずだ。

もちろん全てが妥当な判断のもとの選択であったなら、無理に止めることはかえって本人を苦しめるだけだろう。
そしてそれは彼が選んだのではなく、社会が選んだのだ。

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