魔法を教えてくれた黒猫
夜だった
何ものにも変え難い夜だった
コーヒーの苦味を耐え忍んで僕は
センチメンタルな気分に押し流されないように
強くカーテンを握りしめた
正しく生きるのは難しい
朝起きて、夜眠って、講義に出席し、
課題を出して、やることをやる
それだけのことが
僕にはどうも難しい
「こうあるべき」の理想と
「理想」に沿う正しさと
「普通」という正義の檻で
死を宣告された囚人のように
今日という日にしがみついている
明日は夢の中で
約束は昨日の彼方
もう何も見えない先のことなど
考えるだけ無