1



「ごめんね…」
こんな声が聞こえた気がした。

1

朝、目を覚ます。隣にはまだ寝息を立てているキミがいる。


これが一年前だったら。
もうキミが起きて目玉焼き焼いて、トーストのいい匂いがしている。そしてボクが起きてきたらトマトを切りながら「おはよう。」っ言ってくれたっけな。ボクは眠い目をこすりながら「おはよう。」って返してたっけ。ボクが帰ったら、2人でご飯を作ってたくさん笑いながら食べた。一緒に食器も片付けたし、順番こにお風呂に入って一緒の布団で寝落ちするまで話してた。

もうこんな日々は戻ってこない。

いつからだろうか、ボクの方が早く起きてキミが起きる前に仕事に出かける。帰ってきたら、キミが作ってくれたボクの好みと正反対のご飯を2人で食べる。そしたらキミはすぐお風呂に入って1人で布団に入って眠る。ボクは食器を片付けてお風呂に入って眠る。ろくに会話もしない一日。

なんでそんなに、目を合わせてくれないのさ。


2

「ねぇ、今度の日曜一緒に水族館行かない?」
こんなふうに誘うのはいつぶりだろうか。1年か、たぶんそれくらい。
「…………。」
返事を返してくれないキミ。
「…………。」
しばらくしてボクの方に顔を向けてくれた。
「今度の日曜一緒に水族館…どう、かな?」
「んー……あ、ごめんその日予定あるんだ。」
「じゃあその次は?」
「ごめん、その日も友達とランチ。…………あ、そういえば今度新しい手帳買ってきてくれない?」
そうやっていつも話をそらす、キミの悪いところ。ボクがキミを疑っちゃうだけだよ。




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どこまで続くか分からない終わりのない(あるかも)小説です(`・ω・´)

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