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僕に優しくしないでよ みんなの前、君の前、スマートにキマってたのにさ 生来の甘ったれを隠せ…
大地が家を震わせたのは だれのせいですか? 海が街を飲み込んだのは だれのせいですか?…
どうしたんだい? お嬢さん 鏡に映るその顔は、ひどく元気がないようだ ああ なるほど そう…
運河の渡しに佇むは 白い羽もつ渡り鳥 ぼんやりくらい闇を背に すらりとするどい姿が浮かぶ …
白い杖で、足元を探る女がいる 義足で、階段を上る男がいる 声以外で、何かを伝えようとする…
月を見る女よ 月が愛しいか 寂しい月に見惚れる女よ その姿のなんといとけないことか 女は…
澄み切った肌に鎌風走る 硬質な線が幾重も刻まれて 切り口を風が撫でる そこから白い血が揺蕩って 傷の場所がわからないほどに拡がる 地肌までも見えなくなって 血色は黒く暗く染まる 悲痛な叫びが轟いて 血は溢れ出して地に落ちた 降ってきた血は ここで 色の違う血に変わる ここを巡って満たしてく いつか噴きあげて返すまで 泣き声が収まって 血は洗いざらい失せた 傷痕もすっかり消えて 澄んだ肌を見せていた
ガトーブルトン 小麦粉、 砂糖、 卵黄、 バター、 そして 遥かな西の潮風が染み込んだ ブ…
愛してるって言われてもさ 聞き流せるさ 愛してるって書かれてもさ 見過ごせるさ 君の言葉は…
彼女は 別のことを考えている 隣で 腕の中で 僕の下で これには 意味は無いんだ ここには…
真っ赤な三日月小脇にかかえ ステップ踏むのもいいじゃない ちゅうぶらりんな惑星蹴って 火…
夢をみるのは簡単なのに 人のせいで儚くなっていく その脆さに助けられてる僕は卑怯かな…
逃げた逃げた逃げ逃げた コウモリの腕が突っ張った 逃げた逃げた逃げ逃げた ネコの蹄が反っ…
俄かにあらわれた言葉は 我儘になる桎梏を知らない衝動 親など構わずに駆け出した あの日の夜に似ている