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【大人】アートフェスタ出展③当日~総括まで

学ぶ時はどうしても考え方の近い人と学ぶことになります。そこで、一度外に出てみよう。いろんな世界の方たちと触れ合って、自分たちの価値観を広くお伝えしたり、逆に刺激を受けたりする場を作ってみようと考えました。そんなわけで、美術館主催のアートフェスタに出展することにしました。

これまでの経緯は以下をご参照ください。
アートフェスタ出展①目的や出展するものの方向性を決めたところまで
アートフェスタ出展②ブースのレイアウト決め、実際準備から当日まで

▼参加してくれた子ども、自分たちの子ども

さて、準備が整ったところで、いよいよ当日です。お天気に恵まれて5月下旬なのに暑いくらい。棚や机など、大きなものは前日に運び込み、当日の朝は開始1時間ほど前に来て、ギリギリまでブースの設営や飾りつけをしました。さて、いよいよ開店時間です。

広場の一番奥に近いブースだったにも関わらず、子どもたちが大勢来てくれて、熱心にアレコレ作ってくれました。作ったもので遊んでいる子を見たまわりの子が何人も来てくれたり、一度来た子が友達を連れて来てくれたり。熱中するあまり、なかなか席を立たない子もいたし、2日続けていくつものメニューを作ってくれた子もいました。ありがとう!

自分たちの子どもは、準備段階から手伝い(?)ながら、親が協力して何かを作り出すのを隣で見ていました。少なくとも「何かやるのって大変だけど楽しそうだな」ということは伝わった様子。その点、やってみて良かったな、と思います。

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「楽しそうな事してるね~」と、急遽メンバーのおばあちゃんが自作のパッチワーク小物を出してくれました。ちょっと世界観は違うけど、ま、いいか。これがお孫さんを連れて遊びに来た方に大人気でした。

▼反省点アレコレ

一方、反省点は、ワークショップのメニューが多くて、店番担当が質問に答えきれなかった事。メニューを絞れば、全員がすべて教えられたかな。もちろんそれぞれやり方は知っていたけど、細かい質問には答えられませんでした。

また、手仕事の楽しさを伝えると同時におこづかい稼ぎにもなるかな、と、時間をかけて準備したわりに、物販の売り上げが振るわなかったこと、集金係がワークショップや案内も兼ねる時があり、体験代をいただき損ねた人がいたのも反省です。

収支について。事前に「各自のワークショップメニューで使うものは自分持ち。なるべく手持ちのものを活用しよう」と決めていました。各自が買った物や交通費を考えれば赤字、考えなければギリギリ黒字、という程度でした。

▼出展して学んだこと

準備から実際の出展まで、協力してひとつの場を作っていくことを通して、私たちはいったい何を学んだのでしょうか。

いろいろ楽しめたから、それで十分なのですが、あえて言葉にしてみましょう。受け取ることの多い日常の中で、考えた事を形にして、自分から何かを繰り出す自由。それに伴う手応えと充実感、責任を体験した。そんな風に言えるでしょうか。まさに「自由の哲学」に書いてあることです。

今回は、普段一緒に学んでない方で、子どもつながりの方にも、お一人メンバーに入っていただきました。シュタイナー独特の世界観を、今の世の中でどう表現したらいいのか。その方の反応や動き方を通して、たくさんヒントをいただきました。「なんで私を?」と不思議がっておられましたが、実際、とてもイベント向きの華やかな方で、その方のワークショップ(パラシュート作り)が一番人気でした。ありがとうございました。

お金、ブース配置、見せ方や進め方など、物質社会とつながっている所は物質社会のルールに則った運用が必要です。一方、心の世界は、ワクワクしたり、直前になって焦ったり、期待したり、がっかりしたり…。物質とは別のルールで動いていることも実感しました。お互いに強く作用し合っているものの、心に物質のルールを強制したり、逆に物質に心のルールを適用しても、うまくいかないってことですね。

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一丁前にウェイティングリストも作りました。大声で呼ばれてもいい名前を書いてもらって(自分で書きたがる子の多いこと!)、近くで遊んでいてもらいました。大きな岩がいっぱいあって、遊ぶのにも夢中です。

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▼シュタイナーの言葉「教えを受け取るためではなく」


同じアートフェスタに出展していた他のブースも色とりどりでした。お隣のブースの「ステンシルTシャツづくり」はとても人気がありましたし、他にも親子で手しごと族、ハーバリウム族、はんこ掘り族、石けん族、プラバン族、木工族、陶器族、布あそび族、サイコロ工作族…。いろんな部族(?)が共存して楽しい国を作っていました。その世界の一員になれて、私たちも賑やかで楽しい時間を過ごしました。

では最後に、シュタイナーの言葉を。
「私たちが学びの場に集まるのは、中央からの教えを受け取るためではなく、個々になされている神智学的な行為を、共通の祭壇に供えるためなのだ」。

その言葉に沿って、今回のアートフェスタ出展を「学びの場」として捉えてみましょう。それぞれのブースの人たちは、主催者=美術館の教えを受け取るために集まったのではありません。各ブース出展者がひとつの学びの場に集い、ひとつのコンセプトから発展させて多様な形を作り出し、それぞれの力を「アートフェスタ」という場に捧げることで全体が良くなり、互いに共存しながら、その場を豊かにしていった。そんなあり方が形になった2日間だったと言えそうです。

ありがとうございました。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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