見出し画像

【大人】意識的に生きる時代へ④ ~目をつぶって描くにじみ絵~


「意識の時代」を学んだ翌月、Hさんがにじみ絵を用意してくださいました。一体何が始まるんでしょうか? 誰かが正解やコツを教えてくれる「分別の時代」から、自分たちで考え、自由に能動的に学ぶ「意識の時代」へ。大人クラスのあり方、そのものです。

えーと、何を言われているのかな?

にじみ絵を用意してくださったHさんが提示したのは、なんと「目をつぶって絵を描く」という課題。へ? えーと…???

おっしゃっている課題がわからなくて3回くらい確認。何度聞かれても、たじろぐことなく「始めから終わりまで、一切目を開けないで、ビンに入っている絵の具が何色かも、紙の位置もわからないまま、“意識”を意識しながら描きます」ときっぱり。

なんて斬新な発想!! お、、、おもしろーーーーーい!!! やるやる〜〜。ウズウズ。

描いているうちに、ビクビクから解放感へ


左手で絵具のビンを探りあて、そこに筆を入れるだけでも一仕事。筆の長さとビンの口の角度を予想し、その場所に筆を入れているつもりがビンの縁に筆が当たったりして。さすがに大人なのでビンを倒さないようには細心の注意を払いましたが、見えない中で筆を動かすので、ビクビクでした。

目を閉じると、聴覚はもちろん、隣の人の気配や皮膚感覚など、いろんな感覚が総動員されますし、自分の内面もいつもよりビビッドに意識化されてきます。いつも囚われがちな「絵は下手だから苦手なの」というような思いも吹っ飛んでいきます。描いているうちに、幼い頃クレヨンをグルグルした時のような、ただ描きたい気持ちをそのまま表現できる解放感にどっぷり浸ることになりました。
絵を描いたのに、絵を描く目的が「絵を描くこと」じゃない。そんな、他では決して味わえない非日常の体験で、と〜~っても楽しめました。

そろそろ満足したな~と思ったころに、終了の合図。満足して筆を置くタイミングが揃っているのも不思議。目を開けて仕上がったものを見てみると、ほんとに個性もいろいろで、リアルに「みんな違ってみんないい」。というか、オモシロイ。写真を残してないのが残念ですが、同じぐちゃぐちゃでも人によって不思議とトーンが違うのです!


描いている時の感覚や気持ちが教えてくれる

何色かに関わらず、色で画用紙をエリア分けして、そのまん中に自分がいるイメージを描いた人。包まれている中に自分を描いて、目を開けたら、まるでその「自分」が瞑想の姿勢みたいだった人、絵の具を判別するために、持ち上げて重さではかった人。いろんな色でぐるぐるを重ねた人…。

目を閉じていたから、描きながら見えていたのは自分の感覚と内面。何を体験していたのか、何を見ていたのか、思い出しながらシェアしてみました。
紙の端っこギリギリまで描きたかった(→私って意外と几帳面なのかな)とか、とりあえず全部の色をまんべんなく使いたかった(→バランス考えて動きたいのね)とか、相手に近いビンを使うのは手前のビンより勇気が要るな(→人に近づく時は、準備してから行くのね)とか、目的が気になった(アタマから入るタイプだな)とか、意味を知りたい(→素直にやってみて気づくことを味わおうよ)などなど。

自分で説明しながらツッコミながらシェアすることで、自分の行動パターンや気持ちのクセに気付く事にもなりました。

時々でいいから、頭やカラダの非日常な使い方をしてみる。そして自分の受けた感覚や気持ちを繊細にキャッチしてみることで、いろんなことに気付けそうです。目を閉じて布団を敷いてみる、後ろ向きに階段を上る、なんていう些細な事も、新しく何かを教えてくれるかもしれません。それらを意識できれば、自分をどう育てたいのかのヒントにもつながりそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お読みくださりありがとうございました! スキやコメントをいただけると励みになります。 サポートは子どもたちの活動費用に使わせていただきます。