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【コラム】まっすぐ理想に向かう時期に

私たちが進めている「中学生のハローワーク」。大人クラスも子どもクラスも、今年は毎月いろんな人に出会うことが出来る。いろんな人に出会うということは、いろんな場所の、いろんな常識、いろんな立場の、いろんな思いの人と出会うということ。

中学時代の私は、妥協した打算的な大人に厳しかった。諦めの悪い、もがき続けている大人をカッコイイと思っていた。身の回りの人だけじゃなくて、ミュージシャンだったり、役者だったり、本の主人公だったり、いろんな所に「理想を実現しようとする人」を捜し求めた。

いくら憧れてもメディアの中の人と直接対話することはできなかったけれど、この「中学生のハローワーク」の企画では、社会の中の「諦めない大人」と実際に話をすることができる。4月、5月と、2回実施し、6月の打ち合わせをしたところで、こういうカッコイイ人と出会える機会って、本当に大事だと改めて思っている。

自分たちに向けて話してくれている「この人」と、そこにつながるいろんな人のいろんな努力で実際の社会が成り立っていることを知る。学校の友達や先生とは違う常識の人に触れることで、自分の考えを広げ、自分を知っていく。それは、外国に行くことで、日本が意識できるのと少し似ている。

他者との出会いは、今の自分に気付かせてくれる。自我を作って行く時に、それはとても大切なことだ。留学したり、社会活動や様々なサークル活動をする意味も、自分に気付くことかもしれない。別の場所にいる人と触れ合うことで感じられることって、いろいろあるんだろうな。

社会が閉鎖的になり、分断されている時期に、自分を作り、理想を考える時期を過ごさざるを得ない中学生たち。社会に出る前に話す大人が、身内と先生だけであっていいわけがない。

大人になるにつれて、自分の力が思ったよりも小さい事にガッカリしたり、相手の様子を伺ったり、何やかや下手な作戦を繰り出したりもする。でも若い人たちには、まっすぐ理想に向かって欲しい。カッコイイ大人、諦めない大人の中に、理想を探し、大人になったら自分もそんな風に活躍をしようと思いながら育ってほしい。

最初から安全圏を計算するなんて、若者にはふさわしくない。自分に万能感を持って理想に向かう若者たちは、そこにいるだけでキラキラ輝いて見える。多くの中学生が、近い将来、希望のバトンを持って力強く走り出してくれることを祈りつつ、この企画を進めていきたい。

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▼オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
書く人、聴く人、考える人、作る人、遊ぶ人。小さな勉強会や仕事、普段の暮らしの中で、ちょっと立ち止まって考え、言葉にし、行動してみる。少しずつ、みんなで幸せになっていけたらいいな。
ブログ毎日更新中。「自由の哲学を読む」~日々の暮らしから~
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