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7月3週 鉄鋼産業CN(脱炭素)ニュース

ただいま、過去の記事タイトルの一覧表を作成中。
できしだい掲載いたします。


■<国内・設備>三星金属工業/敷地内メガソーラー稼働(1,300MWh/y)

*(2024/7/18 Yahoo!ニュース・鉄鋼新聞)三星金属工業のメガソーラー稼働。事務所、工場に活用

合同製鉄グループの三星金属工業(本社・新潟県燕市、社長・田口聡二氏)は7月から構内の遊休地を活用し自家消費型メガソーラー発電所の運転を開始した。製品倉庫北側の約1万平方メートルの敷地内に約1900枚の太陽光発電パネルを設置。年間発電量は130万キロワットアワー。事務所向けの大部分を賄い、冷却ポンプ等の一部工場の電力を補う。年間CO2削減量は約600トン。事務所入り口には大型ディスプレーを設置。リアルタイムに発電量が分かる。

Yahoo!ニュース 鉄鋼新聞

→合同製鐵のWEBサイト記事

*(合同製鐵)自家消費型メガソーラー発電所新設(三星金属工業)

子会社の三星金属工業(株)の構内 約10千m2に単結晶パネル 1.9千枚を設置。1千MWh/年の発電により、昼間の雑電力を自社で供給。

合同製鐵

■<国内・設備>トピー工業/豊橋にてオンサイトPPAによるメガソーラー(1,700MWh/y)を導入

*(2024/7/18 トピー工業)オンサイトPPAモデルによる太陽光発電設備を導入

トピー工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:石井博美、以下「トピー工業」)は、CO₂排出量削減の一環として再生可能エネルギーの活用を推進するため、豊橋製造所(愛知県豊橋市)にオンサイトPPAモデルによる太陽光発電設備の導入を決定しました。2025年5月より運用を開始し、年間発電量は1,700MWhを想定しています。また、太陽光発電設備の導入により、年間約770トンのCO₂排出量の削減効果を見込んでいます。
リース事業者である三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:浜野 敬一)が、発電事業者である西鉄自然電力合同会社(本社:福岡市博多区、代表:林田 安弘)へ発電設備をリースし、そこで発電した電力をトピー工業が購入し再生可能エネルギーを活用

トピー工業

■<国内・製品>JFEのJGeeXがコンテナーボックスの取手部分に採用

*(2024/7/16 JFEスチール)サーキュラーエコノミー製品の資源循環型コンテナーにグリーン鋼材「JGreeX®」が初採用

サーキュラーエコノミー製品の資源循環型コンテナーにグリーン鋼材「JGreeX®」が初採用
当社のグリーン鋼材「JGreeX®」が、このたび、出荷箱として活用される資源循環型コンテナー「LOOPOX(ルーポックス)」に採用されました。鋼材品種は線材で、棒鋼・線材分野での「JGreeX®」の採用は初となります。鋼材は、住友商事グローバルメタルズ株式会社(本社:東京都)を通じて鈴豊精鋼株式会社(本社:愛知県)にて加工され、株式会社佐藤製作所(本社:三重県)にて「LOOPOX」に組み込まれる予定です。
「LOOPOX」の本体は、100%再生プラスチックが使用されており、使用後も廃棄せず原料として再利用され、再び出荷箱として生まれ変わる資源循環モデルを志向したサーキュラーエコノミー製品です。今回、「LOOPOX」を製造する株式会社佐藤製作所および株式会社新東通信(本社:東京都、愛知県)が、環境に優しい資源循環型コンテナーの商品化を目指し、「LOOPOX」の取手部分に「JGreeX®」を採用することで、さらなるCO2排出削減を実現しました。

JFEスチール
JFEスチール

■<海外・設備>SSAB・ルレオの新設グリーン製鉄所の設備パートナーにDanieliを選定

*(2024/7/15 SSAB)Danieliは、スウェーデンのLuleåにある化石燃料を使わない鉄鋼ミニミルの技術プロバイダーに選ばれました
Danieli chosen as technology provider for fossil-free steel mini-mill in Luleå, Sweden

SSABとDanieliがスウェーデンのルレオに新しい化石燃料を使わない製鉄所を建設するための技術提供契約を締結しました。主なポイントは以下の通りです:
契約内容: Danieliは、2つの電気アーク炉、二次精錬、連続鋳造機、ストリップミルを含む高度に自動化された技術ソリューションを提供します。
生産能力: 新しい製鉄所は年間250万トンの生産能力を持ち、化石燃料を使わないスポンジ鉄とリサイクルスクラップを使用します。
環境影響: このプロジェクトはスウェーデンのCO2排出量を7%削減し、SSABの持続可能な製鉄への転換を加速します。
稼働予定: 新しい製鉄所は2028年末に稼働開始予定で、2029年にはフル稼働となります。
イェリヴァーレのHybrit実証プラントから産出される化石燃料を使わないスポンジ鉄とリサイクルスクラップの混合物が供給されます。
ダニエリは、このソリューションで、Q-Oneパワーフィーダー、連続スクラップチャージ、溶融プロファイルを動的に制御する2台のDigiMelters、さらに2台の取鍋精錬ステーションと2台のツインタンク真空脱ガス装置で構成される製鋼工場を提供します。エンドレススクラップチャージにより、炉の効率が向上し、NOx排出量が削減されます。
QSP-DUE Danieli Universal Endlessテクノロジーの選択された構成は、SSABがコイル間およびセミエンドレスモードで幅広い熱間圧延ストリップを製造できるようにし、製品ポートフォリオの拡大をもたらし、二酸化炭素排出量を最小限に抑えるために完全電気式トンネル炉を組み込んでいます。
この新世代のトンネル炉は、誘導モジュールと電気抵抗の組み合わせを利用しています。また、トンネル炉にドライロールを導入することで、電気エネルギーを大幅に節約し、優れたストリップ品質を実現しています。DigiMetソリューションとロボティクスを使用した総合的な品質管理により、スクラップ処理からコイルヤードまでを高度に自動化します。この構成には、Danieliの水処理プラントとヒューム処理プラント、補助プラント、クレーンも含まれます。

SSAB

→SSAB/ルレオの高炉閉鎖 電炉化については、4月1週に記載

*(2024/7/15 Danieli)ダニエリのリリース(同一内容)集合写真は別カット

■<海外・投資>トルコTOSYALI リビアで世界最大規模(年産810万トン)のDRI設備建設に投資

*(2024/7 Tosyaliholding)TOSYALI SULB、リビアのベンガジで世界最大のDRI生産施設への投資を開始
TOSYALI SULB STARTED THE INVESTMENT OF THE WORLD'S LARGEST DRI COMPLEX IN BENGHAZI / LIBYA

グリーンスチールの世界的な製造業者であるTosyalıは、ヨーロッパからアフリカ、アジアまで、3大陸にわたって戦略的に投資を拡大しています。この先進的な戦略に沿って、Tosyalıとリビア鉄鋼連合会社(SULB)は、ベンガジ/リビアに世界最大のDRIコンプレックスを建設する契約を締結しました。この合意により、両社はリビアのベンガジにTosyalı-SULBという新しい会社を設立しました。Tosyalı SULBが実現するプロジェクトには、リビアのベンガジの産業、特に鉄鋼部門と雇用の発展に大きく貢献する一連の重要な投資が含まれています。投資プロジェクトの一環として、総生産能力810万トンの世界最大のDRIプラントが建設されます。これらのプラントには、アルジェリアのTosyalıでも使用されているMIDREX Flexi DRIテクノロジーが搭載されます。このテクノロジーにより、プラントはクリーンエネルギー源である水素を使用して稼働できるため、世界をリードするグリーンスチール生産拠点の1つになります。生産能力270万トンの統合鉄鋼コンプレックスの第1フェーズへの投資は直ちに開始されます。この工場は、近隣地域およびヨーロッパのグリーンスチールの HBI (ホットブリケットアイアン) 需要を満たすと同時に、Tosyalı のグローバルなグリーンスチール製造者としての地位をさらに強化します。この投資が完了すると、Tosyalı はグリーン変換プロセスで最も必要とされる主要な中間製品である HBI (ホットブリケットアイアン) の供給において、国際市場で最大のサプライヤーになります。

Tosyali

■<海外・設備>スペインHydnum Steelのグリーン製鉄所建設を政府が支援

*(2024/7/ Hydnum Steel)Hydnum Steelがスペイン初のグリーン製鉄所となるため、政府の支援を受ける
Hydnum Steel obtains government support to become the first green steel plant in Spain

Hydnum Steelはスペイン初のグリーンスチール工場で、カスティーリャ・ラ・マンチャ政府から「優先プロジェクト」として認定されました。これにより、再生可能エネルギーとグリーン水素を使用してゼロエミッションのスチールを生産する計画が進展します。投資額は約16.5億ユーロで、500以上の直接雇用を創出し、経済活動と雇用の促進に寄与します。CEOのエバ・マネイロは、このプロジェクトが産業の脱炭素化と経済活動の推進に大きく貢献すると述べています。
プエルトリャノに建設予定のHydnum Steel工場では、グリーン水素を使用して高品質の圧延鋼を製造し、直接還元鉄(DRI)を製造し、電気炉でスクラップと併せて使用します。当初の生産量は年間150万トンを予定しており、その後は年間260万トンに増産する計画です。

Hydnum Steel

■<海外・製品>イタリアArvediのARVZEROが自動車部品に採用

*(2024/7/15 Arvedi)Craemer社の自動車モジュール製造用のカーボンニュートラルARVZERO™鋼
Carbon-neutral ARVZERO™ steel for the production of motor vehicle modules at Craemer

https://www.arvedi.it/en/arvedi-world/news-and-media/news-archive/detail/carbon-neutral-arvzerotm-steel-for-the-production-of-motor-vehicle-modules-at-craemer/

イタリアのArvedi GroupとドイツのCraemer Groupが協力し、Craemerは認証されたカーボンニュートラルなARVZERO™スチールを使用してスチール部品を製造します。
Craemer Groupの背景: 1912年に設立されたCraemer Groupは、自動車業界向けのスチール部品やモジュールのシリーズ生産を行う主要なサプライヤーです。
ARVZERO™スチールの特徴: Arvedi-ESP-Technologyと電気アーク炉を使用して生産され、CO2排出量を大幅に削減し、認証された再生可能エネルギーを使用しています。
持続可能な供給チェーン: この協力により、Craemerはドイツとスロバキアの拠点でのスチール需要の重要な部分をカバーできます。

Arvedi

■<海外・報告>GEM;鉄鋼業の脱炭素化に向けた進展と課題

*(2024/7/17 GEM)鉄鋼業の脱炭素化に向けた進展と課題
Building momentum for iron and steel decarbonization

鉄鋼業の脱炭素化: 鉄鋼業界は、低排出の電気アーク炉(EAF)製鋼の導入が進んでおり、脱炭素化の目標に向けて大きな進展を遂げています。
新規計画の傾向: 新たに発表された製鋼能力の93%がEAFルートを採用しており、石炭ベースの製鋼からの転換が進んでいます。
インドと中国の役割: インドは石炭ベースの高炉(BF)能力の推進者であり、中国はEAF能力の推進者です。
DRIの重要性: グリーン水素を使用した直接還元鉄(DRI)は、脱炭素化において重要な役割を果たします。

GEM

→ 報告書全文は以下のPDFから

https://globalenergymonitor.org/wp-content/uploads/2024/07/GEM-Pedal-to-the-Metal-2024-steel-iron-report.pdf

この文書は、Global Energy Monitorによる2024年の報告書「Pedal to the Metal 2024」で、鉄鋼業の脱炭素化に向けた進展と課題を詳述しています。以下は主なポイントです:
脱炭素化の必要性:鉄鋼業界が2050年までにネットゼロを達成するためには、石炭ベースの技術から低排出技術への迅速な移行が必要です。
電気アーク炉(EAF)の増加:新たに開発される製鋼能力の49%がEAFを使用する予定で、2030年までにEAFの割合を37%にするという国際エネルギー機関(IEA)の目標に近づいています。
インドと中国の動向:インドは新たな製鋼能力の最大の開発国となり、中国を上回りました。しかし、依然として多くの新規開発が石炭ベースの技術に依存しています。
直接還元鉄(DRI)の重要性:DRIは低排出の鉄鋼生産に不可欠ですが、グリーン水素を還元剤として使用する必要があります。
この報告書は、鉄鋼業界が持続可能な未来に向けてどのように進化しているかを示しています。

GEM

主な図表
Proportion of Operating Steel Capacity by Technology Type

GEM

この図表は、各国の鉄鋼生産能力の技術タイプ別の割合を示しており、特に中国とインドの高排出技術(BOF)と低排出技術(EAF)の使用状況を視覚的に理解するのに役立ちます。

Steel Capacity in Development by Technology Type and Status

GEM

この図表は、現在開発中の鉄鋼生産能力の技術タイプと進捗状況を示しており、特にインドと中国の開発状況を比較するのに重要です。

Ironmaking Capacity by Status and Technology Type

GEM

この図表は、鉄鋼生産の技術タイプ別の開発状況を示しており、特に石炭ベースの高炉技術と直接還元鉄(DRI)技術の割合を理解するのに役立ちます。

■<海外・表彰>アルセロール・ミッタルの気候変動対応のスタートアップ企業の表彰プログラムの受賞者

*(2024/7/16 ArcelorMittal)アルセロール・ミッタルの画期的な気候テックスタートアップ企業向けプログラム「XCarb® India Accelerator」が受賞者を発表
ArcelorMittal’s XCarb® India Accelerator programme for breakthrough climate tech start-ups announces winners

ArcelorMittalのXCarb® India Acceleratorプログラムの受賞者についてのニュースです。以下は、3件の受賞内容の要約
UrjanovaC: 特許取得済みの触媒と廃水を使用して、産業用CO2排出を利用可能な副産物に変換するCCUS技術を開発
AgroMorph Technosolutions: 工業用排ガスから炭素を除去し、廃水から栄養素を吸収する藻類ベースのCCUSシステムを開発
Susstains Engineering Solutions: バイオマス炭化に基づく技術で、石炭の代替としてバイオチャーを提供することを目指す
これらのスタートアップは、それぞれ$50,000の賞金と技術およびビジネスモデルの開発支援を受けます

ArcelorMittal

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