3Dスキャン アセットのACESカラーキャリブレーション
3Dスキャン スタジオ iris では業務用のブロンカラー社製のストロボを使用しており、そのままでも高演色で高品質なライティング環境となっています。
Nikon一眼レフの安定したトーンで高品質なDiffuseMAP(Nikon スタンダード・AdobeRGB)の生成が可能です。
最近では3Dスキャン・フォトグラメトリ案件でもキャリブレーション済みDiffuseMAPのご依頼が増えてきました。
現在3Dスキャンメッシュの追加オプション作業としてマクベスカラーチャートを基準にキャリブレーションを施し、ACESでのVFX作業に適した
ACES AP1(ACEScg)、ACES AP0、sRGB(リニアガンマ),でDiffuseMAPを書き出すことが可能になっております。
nukeのmmcolormatch、matchgrageなどでキャリブレーションする必要が無く、CGI担当の方はショット制作に集中できます。
【キャリブレーション済みDiffuse MAP 納品仕様】
VFXでは一般的ではないAdobeRGBカラースペースをACESに統一することによって3Dスキャンアセットの組み込み労力が大幅に低減します。
シーンリニアワークフローを軸とするVFX作業では各カメラメーカーの特徴である「トーン」は邪魔になってしまいます。ACESワークフローではこれらをキャンセルし露出とカラーバランスをマッチするだけで映像素材と3Dスキャンアセットの親和性が向上します。
※一般的なCGI・VFX作業ですとACEScgでのキャリブレーション納品が大半です。
収録素材とキャリブレーション後の比較
3Dスキャンスタジオ irisはcross polarizedと紗幕を利用した通常光源(半偏光)を切り替え可能です。
cross polarizedはアルベドに近しい撮影が得られ、通常光源(半偏光)でもカラーチャートとのマッチングが可能となっております。
元のカメラ内現像のjpeg (NikonD5500 Adobe RGB)
キャリブレーション済み32bit float(ACEScg:リニアガンマ)
キャリブレーション済みの状態。
確認のため『理論値のカラーチャート』を合成しています。
リニア換算でピクセル値5付近まで保持可能です。
ACEScg (AP1) +RRT + ODT Rec709
ACESの標準トーンであるRRTとモニタ出力用のODT (Rec709)を適用
他のシネマカメラ素材と3DスキャンアセットとのCGIのマッチング作業が劇的に楽になります。
理論値で生成されたカラーチャートとの比較
基準となるカラーチャートはNUKEギズモ「colour_rendition_chart.nk」で生成しています。
RawTherapeeのパラメーター調整とオリジナルのDCPプロファイルを組み合わせたRAW現像を行い、任意のカラースペースの32bit floatのTIFFを作成。
その後NUKE上でキャリブレーションが問題ないか確認します。
現像時にはカラーバランスや階調のねじれが生じないように極力極端な調整は行っていません。
カラーキャリブレーションはオプション料金にはなってしまいますが、フォトグラメトリのDiffuseMapをACES向けにキャリブレーションすることによって3Dスキャンアセットを迅速にシネマカメラのバックプレートに統合可能です。
#フォトグラメトリ #photogrammetry #ACES #AMPAS #AP1 #AP0
ACESについては以下をご参照ください
written by kuboe
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