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オオカミウオは格好良い美味しい...が。 その1。

新潟でオオカミウオ

新潟下越民の私にはよく巡回する鮮魚店がある。
中でも「道の駅 新潟ふるさと村」は気合いが入りまくっており時として思いがけない出会いがある。
鮮魚コーナーの冷蔵ショーケースに品物を並べる時間帯を見計らい何が出るかワクワクしながらうろついていると店員のおじさんがやたら長い発砲スチロールの中から二つ…茶色くドチャッとした細長い物体を氷の上に陳列させた。
何が並べられたのか気になりのぞき込んでみると…

「オオカミウオ」

テトラポットの隙間や磯の潮だまりで釣り人と遊んでくれているギンポを大きくし顔を厳つくしたような見た目でなかなかに迫力がある…
北海道やイギリス、アラスカなどでは食べられており市場にも並ぶことは聞き及んでいたがよもや新潟の魚屋で邂逅するとは…大興奮である。
名前はよく知られている魚であり観光客も群がってはいるが値段がまだ出ていない事と何よりどう調理したらよいものか分からず野次馬は誰一人買おうとする気配は
無かった。
私自身も値がつかない以上購入に至らなかったのだがおじさんが魚を並べ終え今度は値札を持って並べ始めた。
「1200円」
これは安い…!即決で購入した。

オオカミウオ解体

買って帰りシンクに出すとやはり大きい。70〜80cm程はあろうか体高や胴回りも合わさりかなり身が取れそうだ。
北に住む肉食性の大型魚ということもあり寄生虫を懸念していたものの筋肉や腹膜
さらには内臓に至るまでアニサキスなどの寄生虫は一匹もいなかった。
生食をしたい私からすれば厄介な要素が一つ消えて大変嬉しい。
体表から出てくるピンク色のぬめりを取り三枚に卸しブヨブヨとした皮を剥ぐとこれまたピンク色を帯びた白身が現れた。

上:肋より後ろの尾の肉(皮下)
左:腹部の肉  右:背中の肉(背骨側)

私も魚食いの端くれで知りうる中で魚に詳しいサイトやブログを見て回ると「旨味や脂肪にかけて刺身よりも昆布締め」「身の中に脂が混在している」「繊維質であるが水っぽく皿の上に放置すると水が出てくる」等評価はまちまち。

確かに一見ベチャッと頼りなく水でふやかしたタラかカレイみたいな身質をしているものの芯はしっかりしており指に包丁にフグのような弾力を感じた。
一方、脂はというと意外にもある。確かにサシが入っているように身の層の間に脂があり切った端から手がサラサラしてきた。
更に皮下脂肪もありなんだか巷の評価を見ていた時よりも期待値が跳ね上がっていく。

腹側の肉。適度に脂が入り分厚めのエンガワの様相を呈している。

魚なので当然個体差はあるもののこの個体は大当たりだったようだ。
またメスで未熟ながら抱卵していた。(成熟した卵はイクラのようにして食べられるらしい。試してみたい)
更に更に嬉しい事にでっぷりとしたなかなか美味しそうな肝臓まで入っていた。
この二つは血抜きと臭み取りのために酒につけておこう。
(写真は取り忘れました。申し訳ありません)

解体編だけでボリュームが出てしまったので実食編はその2に続きます…。

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