日記その10/220716

組織内での異動があった。中途半端な時期で、皆に、なぜ今?と問われ。また、中途半端な時期のために、仕掛中案件が数多く、急遽引き継がれた後任の苦労は計り知れない。前ポストは人間関係に恵まれていたこと(人格面、業務面ともに)、また、いくつかの大きな進行中プロジェクトがあり、また、いくつかの大きなプロジェクトが進行中だったこともあり、若干の名残惜しさはある。夏から秋にかけて、組織を挙げての中長期的な課題を議論していく中にあって、中心的な役割を果たすことが期待されていたポストだけに、なおさらその想いが強くなる。
 その一方、新しいポストで新たな業務分野についての知識をゼロから九州することについて、ワクワクする気持ちを抑えられない面もある。単純に新しい分野で知識体系を構築することが好きなんだろう。知的好奇心が強いというか、単純に知識の収集癖があるというか。また、異動後は、業務量が激減すること、そのため、かなり自律的に業務マネジメントできる環境が期待できることといった労働環境面も改善される見通し。来春からの大学院進学に向けて、その環境をいかに戦略的に活用するか、自身の選択が問われることになる。というよりも、自身で問うていきたい。

 大組織の中間管理職という立場は、とかく日々の業務フローの奔流の中で、右へ左へ上へ下へと流れにさらわれ巻き込まれ、溺れないようにするだけで精一杯(そして、その中で溺れないことだけに存在意義があるという説も…)。あらゆる知的作業を分解すれば、インプット、処理、アウトプットの3ステップに集約され、組織の情報の交通整理を行う中間管理職もその例外ではない。ここでの処理には、インプットデータからアウトプットデータを生み出す加工・分析と、インプットデータから組織として意思決定をする経営判断とが含まれる。インプットの差別化のためには、組織内での非公式ネットワーク(飲み友達、勉強会など)と組織外の人脈。
 処理の差別化のためには、技術を磨くこと。加工・分析の技術とは、マクロな政治・経済の枠組みやミクロデータからマクロな洞察を導く統計的データ処理技術など。意思決定の技術とは、普遍的な原理原則や判断基準の仮説を持ちながら、日々の業務の意思決定局面で適用して、その妥当性を検証する。時間軸を延長させ、過去の事例に当てはめてもよいし、未来の出来事を予測してみるのもよいかもしれない。また、同業他社や他業界、ひいては、世界中の国々にまで空間軸を延長させてみるのも面白い。
 意思決定の技術を磨くことで、何ができるようになるのか。人間が持つ認知バイアス~例えば、現状維持バイアス、確証バイアスなど~を乗り越えて、長期的視野に立って、自分個人ではなく属するコミュニティ全体の利益を最大化するオプションにコミットすることが可能になる。意思決定とは、即ちコミットメント(リソース投下)であって、その目的を「社会全体の将来」に定めることができるようになるということだろうか。

 ともあれ、異動後のポストが少し落ち着いていたら、これを機に中間管理業務をしっかりと整理して、子育てや山梨移住などのプリベートの充実と、大学院進学に向けた準備(入試だけでなく、入学後の研究計画が大変)との両立を模索していきたい。

 今週は天候不順だけども、頑張っていこう。

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