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『CLANNAD』プレイ感想~町と家族と夢の想い

こんばんは。

Key25周年なんですねー。サマポケアニメは来年に決定、めでたい。
すでに遊んだゲームのアニメ化ってなかなか縁がないものなので、果たしてどうなるでしょうか。

といいながら、今回は『CLANNAD』をプレイした感想回となります。
25周年ということを知って初期のkey作品のどれかをやろうと考えたところでNSW版がセール。都合がいい。keyのゲーム歴は1年程度の新参です
全年齢版のみの作品でもあるということで初期3作の中からピックアップ。
あとから全年齢版化した場合に作品の核が削れうるという思想で選択。

冒頭でさらっと触れましたがkey作品は『サマポケRB』のみプレイ済み。
敢えてかなり前の作品に触れ、変わらぬもの変わったものなども考えるのもいいかしら。

というところで始めていきます。さすがに相当前の作品ですしネタバレ配慮はなしで進めますね。

プレイ期間(タイトル画面最終変化まで):6/15~7/5
プレイ時間:67時間弱
(6割オート、ボイス飛ばしは原則なし、既読スキップは活用)


プチ不良・岡崎朋也の学園生活

ある町のある高校。主人公・岡崎朋也は親友(?)の春原陽平とともに授業はサボるし騒ぎも起こす進学校にあるまじき問題児。
高3に進級したある時、通学路である坂の下にたたずむ少女に声をかけた所から彼の物語…通称学園編ははじまります。

学校が舞台なので賑やかな日常が描かれており、ギャグ描写がタップリ。
友人枠の春原はその筆頭。率先してくだらないことやユニークなことをやってくれるのでいつも笑わせてもらってます。

▲ボケつつツッコミ役してこのCV…ときたら某メガネのぱっつぁんが浮かぶ

逐次出る選択肢で日々の行動を決定し、各キャラのルートに突入したりできなかったりする恋愛アドベンチャー系ではオーソドックスな進行。
選択次第でまったく出会わないまま終わる人物も多数。

初周はシンプルに渚と交流する選択を取っていきましたが見事に初手バッドくらいました(5月エンド)。この周では智代、風子にエンカウントすらせず。きっちり渚に導かれた気がします。

光を集める物語

CLANNADの物語は各ルートを攻略する過程で「光の玉」を集めることが目的の一つ。
大抵の場合グッドエンドを迎えると得られるのですが、ヒロインだけでなくサブキャラのルートでも集められるため、様々なキャラとの交流が大事。

▲学園編ではルートがなかった芳野祐介。後になって重要度がガンガンあがる

選択肢がかなり枝葉を広げるため、誰と交流し誰と交流しないことで望む人とのルートに入れるか、探し当てるのが大変。
サマポケが行動選択でどのヒロインと会うかわかるシンプル構造でしたが、こちらでは誰と会えるかわからないし何気ない選択が遥か先の差分や選択肢に影響するのでもう大変。そもそもチュートリアル的セクションがないからOP飛ばしたらどんな人物と会えるのか一切わからない。これが時代か

そんな学園編でのエンド到達順は以下の通りでした。

幸村→渚→美佐枝→有紀寧→春原兄妹→ことね→智代(美佐枝の光)→勝平→風子→(光消失)→藤林姉妹

本筋完全クリアまで一切の攻略情報は見ずに突き進みましたが、今思えばかなり理想的な流れだったようですね。
有紀寧ルートで現実世界で光の玉がどういう扱いなのかを早期に伺い知れましたし、ドツボにはまる攻略順も見事回避。フラグ未回収時の会話も拾えていて、幸運だったのかもです。

▲この町の風土として語られる「光」。初回しか見れないテキスト差分があるのは末恐ろしい

ちなみに入り口がなかなか見つからなかったのが風子ルート。グッドエンドに辿り着くのに最も苦労したのは杏エンドでした。この辺りは個別振り返りにて。

渚ルートにおいて、幕間に挟まれる幻想世界の描写もまた気になる所。
彷徨っていた魂が収められたガラクタと、終わり続ける世界に一人いる少女の触れ合いそして逃避行。どんな物語が紡がれるのか―

▲現実世界との関連…よりも渚との関連が気になる序盤

個別ルートピックアップ振り返り

ということで、個別ルートを振り返り。
と言っても学園編の時点でヒロイン6名、サブキャラ4名(組)と想定以上にエンディングがあり、全部追っていくだけでもかなりのお時間。

お目当てのキャラだけ追っかければいいなんてことは決してなく、時には他のキャラとの仲も並行する必要があるのがミソ。
先ほど触れた風子ルートがその筆頭。渚ルートのフラグをかなり進行させてないと突入できないとは思わず苦戦しました。渚ルートで公子さんに出会う→風子の話と幽霊の噂を結び付けて縁を察してようやく可能性に気づく、と漠然とやってもたどり着けないのはゲームとして好評価。

個別ルートサラサラ振り返り

まずはピックアップ以外のキャラのルートを突破順にサクッと。
渚ルートはあとでまとめて振り返ります。

美佐枝ルート…まさかあると思ってなかったルート。過去惚れた子と同じ口説き文句とはまったく朋也も因果よなぁ…と思ったなど。ファンタジー要素もありますが、しっかりまとまってていい物語でした。

▲「今」を受け入れられることに弱かった美佐枝さん

有紀寧ルート…幼くも見える姿から想像もつかないほど強い人だったのが驚き。辛い思いをすでに多くの人と越えていっているところも強い。朋也はそんな子に足りていないやすらぎとなれるのだろうか。…総じてあたたかいお話でした。トラウマを解消するだけではないってのが良いですね。

▲めずらしく朋也から安らぎを与える関係性。…甲斐性ないから将来どーかなー

春原兄妹ルート…芽衣の物語かと思いきや、兄弟合わせて一エピソード。
芽衣が朋也との悪い遊び?を咎めなかった理由が朋也になら任せられる、というところは驚かされた。あんなに弄られても信用が深いんだなぁ…
最後の最後でカッコいいお兄ちゃんに成れたところはホントにホッとした。

▲この言葉、かなり深く刺さりますね

智代ルート…他のルートと異なり、肉欲的な関係が描かれているのが印象的。あと朋也たちのスペースにあまりにも軽く入り込んてくる積極性も驚いたっけ。ルート突入してからはずっと格差が描かれ続けるひどい仕打ちだったので、そこからもう一度結びつくのは本当に驚いた。いつバッドエンドになるんだ…?と変わった形でハラハラしました。

▲智代の確固たる意志が凄い一方、ここでの朋也は色々情けなかったのが微妙ポイントだった

勝平ルート…当人には当初苦手意識こそあったのに行きつけばやっぱりドシリアスへ落ちていって辛かったですし、椋が気持ちをきっちりぶつけて生への考え方を改めていったところは良いと思います。春原のぶっ壊れっぷりを楽しむルートでもあった。

▲椋が物怖じせず朋也と接したレアルート。かっぺのどこがいいんだ?というのは置いとく

風子ルート…幼い子…もとい、幽霊?との交流が描かれたシナリオ。居ないと強く認識しているがゆえに公子が風子に気づけない切なさはわかっていても悲しかった。
このルートラストの風子はどういう存在だったのか?というところで色々考察が捗りそう、そんなシナリオ。霊体も実体も等しく不思議っこを突っ走るのは笑っちゃいますが。

▲この頃から謎称号、あったんだね…これも差分フラグなのね

あと2ルートは特に語れることが多いのでピックアップ!

最推しはことみルート

個別ルートで最も心に来たのはやっぱりことみルートでした。
このルートではヒロインと深く関わるキャラも多く、ことみが友達と触れ合っていく日常描写もよいです。春原は犠牲となったのだ…まあ描写的に当人も関わらなかった可能性は高そうだけど

▲ことみがヴァイオリンを弾いたとき、テーマ曲の楽器割りの意味がふかまるのが良い

名前呼びの件で朋也を旧知であるのはすぐ察したのですが、その頃を思い出し、思い出の庭を再現していく朋也個人の頑張りがきっちり描かれていたのも高ポイント。

▲ただカネはともかく結構な園芸用具をこさえてたが、現代でも一日で揃うのか…?

また、朋也がふと溢した「外の世界」という単語をはじめとした伏線が最後に綺麗に回収されたこと、エピローグも人に囲まれ、かつて形に出来なかった誕生会を叶えたこともあって読後感がとても爽やか。全体を通して完成度が高かったです。

▲喪服を連想する黒から白いワンピースに身を包んだことみは前を向けたとしっかり示す

なんといっても紳士が起こした行動の真相とアタッシュケースの中身の真実は本当に泣きました。実話足りえる奇蹟は本当にグッと来てしまいます
しかしあの紳士、キザすぎである

悩まし選択肢、藤林姉妹

さて、ルート入ってからグッドエンドに辿り着くまで一番バットエンドに突撃したのがラストに回した藤林姉妹ルート。
「最初から主人公と気兼ねなく会話する女性」ポジションは得てしていい意味での落差が待っているのが相場です。

▲気兼ねなくいいこと言ってるようでブーメラン刺さってく子

そして杏に誘導されまくって椋と付き合って…となりますが、勝平ルートを先に進めたこと、見てしまったOPも相まって最終的に杏とくっつくのは自明の理。…なのにこの作品はここからがうまい。

朋也は椋の中に杏を視るようになり、神視点としては「ハッキリしろよ!」となり、どっちを選ぶ?という意味を持つ選択肢群で片方への想いを貫きがちになってしまいました。
それが落とし穴だなんてひどくない!?ホワルバ2が頭過ったよ

▲ずっと突き放す展開が続いて苦悶した

正解はどっちつかずでいる(いいように言えばどちらへの想いも膨らませる)というもの。一番選びにくい答えが一番正しいとはやってくれる。

そうやって踏ん切りがつかないところに現実を突きつけつつ背中を押した春原も印象的なルートでもありますね。
彼の後押しもあって迎えたクライマックス。よく見てたらもっと早く気づけたのでしょうが、まさか髪バッサリまでするとは

▲よく見たら、でも冷静なんかではいられない。いい一枚だった

基本読み進めていくだけの作品のほうが多かったこともあり、ゲーム的に凝ってるな、と改めて思わせたルートでした。

かなり前から椋は杏の想いを察しており、その上で恋愛の手伝いを求めたことを外伝で知った時は戦慄しました。ますますホワルバだった

学園編まとめ、「夢」と「家族」

学園編通して、「夢を諦めた、あるいは断たれた」キャラが非常に多いという印象を受けます。朋也が出会った人と関係を深めていく過程としてはシンパシーを起こしやすい設定ではありますね。

▲このあたりのトラウマの示し方は歯がゆい気持ちで見ていた

明確な悲しみのバックボーンがないのは藤林姉妹くらい。個人的にはトラウマを抱えて生きてる人ばかりでもないと考えているので、そういうキャラがいてくれたほうがリアリティあって良い。

そして、夢を見つけたり託したり、形は様々ですが朋也が生きる意味を見つけ出すのも物語上大事なところでした。

同じくらい大事なファクターが「家族」。これまた藤林姉妹以外は家族の存在が重要となっています。家族の存在を意識しない選択肢は漏れなくグッドから外れていくご丁寧ぶり。渚ルートはそこでしっかりバッドへ…主人公ひとりでがんばってもどうにもならないのである。

▲演劇発表での秋生の言葉はとても重いものですね

このあたりがフィーチャーされてるのがやはり渚ルート。バスケ3on3のきっかけも合唱部設立の経緯からくる春原の反骨心からですし、渚が演劇発表をやり切れたのも父・秋生の後押しがあってこそ。メインルートだけあって手厚かった印象です。

▲同じ存在だと言えたはずなのに、それは武器としなかったこの場面は印象深い

ではここからは渚ルートをすべて含めて振り返りになります。

渚ルート&AFTER STORY振り返り

ではパッケージヒロインの渚ルートと、後日談であるAFTER STORYを振り返りましょう。

渚ルート感想ざっくり

渚ルートはやはり、夢を諦めかけて後押しされて…と七転び八起きな展開が印象的。というか優しすぎて彼女一人では物語が全く進まない。

▲大人しすぎて焦るシーンすらレアどいう

単体で見た時にグッドエンド感が一切なかったのが何より印象的。体調を崩して再び留年し、それでも前を向くべきだと言ってあらためて歩き出す…わけですが、恋人にはなれたけど全然報われた感のない終わり方ですもんね。
何かがこの先にあるだろうことは想像に難くない。

▲他人である岡崎家と誰もを家族として扱わんとする古河家の対比も一つの軸

そんなわけで上述の通り個別ルートをクリアしたことでAFTER STORYが開放。チラ見したら渚シナリオの進行状況を引き継いでプレイとある。
フラグ見直しの旅が始まった。

▲渚END時だけUI違うセーブ処理あるなぁとは思ってたけど

草野球ルート勝利エンドを見た際の経験を活かして、立てられるフラグや関わり合いが増えそうな選択肢を片っ端から選んだデータを作るために奔走。そしたら差分が出るわ出るわ

顕著だったのがバスケの3on3。最初は出会ったキャラも少なかったので初回は杏を仲間に加えたのですが、遭遇イベントを可能な限りこなすことで選択肢が爆増。最終的には自力で7択までは開拓できました。
…クリア後調べたらまだ2択あるとかマジ?(ちなみに渚と秋生のパターンを見逃した)

▲とはいえ芳野参戦ルートがあるとわかった時点でこれしかない、と運命をフィックスしました

そんなこんなでいい感じのデータをこさえ、AFTERSTORYへ。

AFTER STORY振り返り

しょっぱなから古河パンで働くところからスタートする始まり。渚もリスタートだが朋也もやっぱり職に手を付けるところからのスタート。

▲思いなおせば、なんだかんだ職を自力で得た智代ルートはマシだった

最終的に電気工に落ち着いたわけだが、ここで芳野とまた接点が。
学園編では野球ルートや風子ルートでないと目立たないまである中で、急に存在感を放ってきたのは驚いた…過去もここで明らかとなるなど、選択肢の影響を改めて感じた。

そこからは同棲、奮闘、そして渚の卒業…と描かれる中で、希望と絶望の相転移みたいな出来事が続く。学園編での悲しみを軽く超えるレベル。希望のモノローグがすべて転落の予兆…残酷極まりない。

そのエッセンスのひとつとして、学園編では時々水を差すだけの存在と化していた朋也の父・直幸が逮捕されるという最悪の形で関わりだすのがこれまたつらい。家族が鎖として機能する一幕です。"他人"の関係が少しでも変わるかもと思わせてコレなのがもうね…

▲婚約もタイミング的に焦ってる感が出てくる

病が小康状態となってようやく行えた渚の卒業式。ここでは懐かしの面々が色々顔を出したりしてくれてちょっとほっこりできた場面です。

▲学園編では夢となっていたものが叶えられた、名場面

そこからは渚のアルバイトだったり妊娠だったりと色々ある中、変わりゆく町がフィーチャーされるように。変わっていくことを恐れだした朋也の苦悶は、最序盤における渚の呟きと連動するのですよね。

▲印象的な出会いながら、明らかに本人らしくない語り口。示唆していたのはこのことだった

そうして再び倒れる渚。秋生から渚の身に起きたことの真相が語られてからの一連の流れは…不思議と泣きはしなかったけど、いろんな思いが去来して辛かった…

その後の朋也は長いことかつて古河夫婦がとっていた振る舞いにどこか似ていて、散財もまた親を思い起こす行い…繰り返してることに気づけ!と思いながら汐とのかかわりを見守っていました。

▲汐の振る舞いもまた、聞かされていた幼き日の渚そのものだったのが余計クる

早苗さんの策から始まったドギマギしたままの二人旅。終着地で汐と本当の意味で親子になれたシーンは多分一番泣いたと思います。

▲情景もあって思わず涙…

…ここで幸せの絶頂期をまた迎えてしまったのがこの物語の本当に辛いところ。物語は続いてしまう。
その後も公子・風子姉妹の幸せを見届けたりしていたと思いきや汐まで病に倒れてしまう。そして絶望の果てに、かの幻想世界に繋がり、助けたい人を助けに行くための光探しが本格的にスタート。グランドEDへ進みました。

▲冒頭の幻想世界が終わりの始まり。うまい構成

古河家と幻想世界

グランドEDが感動できるものだったのはここまで心動かされてきた自分にとっては当然そうだったのですが、色々気になることはあります。
本編完走・攻略封印解除後調べてから驚いた筆頭が、幻想世界の少女=汐であること

エピローグで風子が見つけた子は、匂いを辿ったということなのでその点では確かに汐ではあるんですが、幻想世界ラストの叫びは表の世界から朋也を呼ぶ声という見方も出来たこと、幻想世界の意思が朋也に最後に語り掛けた言葉を渚が(多分無意識に)知っていたこともあり、誰かと断定するのは難しいと思っていたんですよね。朋也と渚を繋ぎ続ける役目が誰か、という見方をしてようやく渚よりは汐なのだろうと考えることが出来た形です。
(後述しますが、外伝小説で確定してた模様)

▲超然とした雰囲気を前に、何かの意志を感じずにはいられなかった場面

もうひとつ。町の痛みが渚、汐にフィードバックしているということだったけれど、朋也が高2~3時代に渚が倒れたとき、明確に町が開発されている描写がなかったことが気がかり。
AFTERではレストラン建設、大病院建設というわかりやすい出来事が起こっていましたが、学園編だとここはいい町という側面が強調されてばかりで影の部分はほぼなかったはず。
渚ルートを単に通っただけだと他ルートに進まない=町の人に光が灯らない、という図式ならまあ違和感も低減できうりますが…
伏線を丁寧に撒くべきとまでは言いませんが、あればもう少し説得力が上がっていたな、と思いました。


ここからは、外伝「光見守る坂道で」を踏まえた考察。
汐は明確に幻想世界=町の意志と深くかかわる存在と明確になりました。グランドEDでは神隠しに遭って「そうならなかった未来」と整合性を取るかのような出来事があったことも発覚。
渚ルート~AFTERを町の光を見つけていくループものと見做すなら、朋也の願いや医者の言葉も何もかも振り切って汐を産んだ渚の意志も運命に拠るものと捉えられてしまう。本当にこの物語は残酷である。
それはそれとして朋也はもっと二人を繋ぎ留めようとしてほしかった。

膨大なる選択肢、読み終わりのない差分

CLANNADを通して思ったのはやはり、ここに尽きるでしょう。
バスケの3on3でも触れましたが、この作品はえげつない分岐量を持っています。ルート分岐に関わらない選択肢でも数日、数週間どころか数年後のAFTERにまで響くものはザラにあります。

▲風子マスター再習得時、有紀寧面識あり時の差分に初遭遇の会話。たぶんこんなのだらけ

例えば芽衣関連だけ見ても、「芳野と出会っているか」「芽衣をこの町に来させるか」「渚を手伝っているか」「芽衣に渚との仲にちょっかい出させるか」、これらすべてが展開をガラッと変える選択肢。
本編クリア攻略に絞っても複雑なルート取りもありますし、ネタにしては壮大な仕込みを経て見られるレアルートも。クリアしてから調べてようやく知ったもの多数。なんなんだよ春原BAD

▲前述の風子マスター自体は自力到達。使いどころは気づかなかったが…

AFTER STORY完全クリアまでのルート漏らし回収一つとっても、思わぬ差分が発生して何度驚いたことか。まだまだ奥が深いゲームですわ…

▲グランドEDに至る最後の選択肢はここだった。家族は愛すべきなのだね

終わりに:壮大な家族と町の物語

今でこそ大人編、後日談や第2部なんて展開はどんなゲームでもよくある話ですが、(特にこういう恋愛が絡む作品だと)この当時はなかなかなかったでしょう。
けれど、それによって学生時代から大人へ差し掛かり、親になるまでの長い期間を描がけた壮大な作品になったのだと思います。たくさんの感情に出会わせてもらいました。

▲変わることを痛みでなく成長と捉えられたら、前向きに進めるというメッセージなのかも?

ファンタジーもあれど、やっぱり根幹は様々な交流で生まれる恋愛、親愛、友情の形が見どころ。
またギャグ描写が非常に多く、感動にしんみりする以上にたくさん笑わいました。まだまだ見れていない差分もあったりとガッツリなボリュームもあって非常に濃厚なストーリー体験となりました。
なお噂のいたる絵も初体験でしたが、なんだかんだ慣れましたね。

▲唯一突っ込んだのは、あの朋也の性格からそのキス顔になるのか?というとこだったり

ちなみにいろんなエピソードの中で一番好きなものは藤林姉妹ルート、積極的に攻めてる椋が語っていた彼女の占い観です
周りからは外れることで定評な彼女の占いについて、悪い占いはもちろん外れてほしい、いい占いなら外れてもっと良い結果になってほしい、と非常にポジティブシンキングだったことにいい意味で驚きました。
もちろん占いの結果でしっかりガッカリする椋も可愛い

▲この時は前向きモードだったとはいえ、多分根幹にあるステキな考え方

町の人がここでの出会いや思い出を大事にし、ifを紡ぐことで、グランドへの可能性が広がったことを考えると、作中世界でもそうですし現実でも、この考え方は生きる学びになった気がします。


そんな感じで今回のゲーム感想はここまで。
この文章をしたためつつ、NSW版外伝『光見守る坂道で』も読み進めていました。物語の裏側やキャラの掘り下げなど色々あって深みがより増したように思えます。その結果深まった謎もなくはないですが…

またノベルゲームに触れたりそろそろ頭使うゲームでもやるべきか、と考えつつまた次の機会まで。それではー。

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