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振り返る気力ももう何も無い。人を殺す悪夢を生み出し、ニヤニヤするのが他人じゃないなら、お前はどう生きる。お前は、どう生きる。まだそれを問い続ける時間が続く。

 あまりにも何も無い年の瀬である。

 地獄のような一年がようやく終わり、また次の一年を否が応でも意識させられる年の瀬が来た。苦痛である。

 この世界の片隅で、どんな人にも伝わることの無い果てないいのちの、大切な人のいのちの灯が消えかかる日々に向き合い続け、槍が降っても、墨に溺れても、真っ白に消え去っても、それでも手を伸ばし続けていた。

風が吹きかけては消え、その気配さえ見せない日々にもまた、その麻薬や洗脳者がニヤニヤして人を殺す現場を目撃しては恐怖と無力さに震え、灯を手のひらで包んで守ることだけが、僕のちからであった。

 もう僕を傷つけるための僕の身体さえ残っていないほど破壊され、全てを失って、何にもない状態の僕だが、もう少し、この手のひらで灯を守れるだろうか。

 違う。なにがあっても、守る。

 生きることは、幸福に溺れて不安無きスクリーンを作り続けることじゃあない。

 生きることは、ただ、そこにある。

ただ、そこにあるものが見えるように、風が吹くまでには来年の1年じゃ足りないかもしれないけれど、

 僕のいのちは、生きているから、隠しもしないし見逃しもしない。逃げもしないし諦めもしない。

 思い切り人にぶつかることを辞めないし、白い目で一生懸命を笑ったりしない。

 風は吹く。必ず。

 僕はあなたを守れていることが、本当に本当に本当に嬉しい。魂、震えゆく。

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itsuki minamiが今感じていること見ている景色を純度の高い状態で綴っています。 Will, a fleeting memory …

大丈夫.