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ACL決勝をデータでプレビュー 横浜FMは初優勝なるか?

5月11日(土)、AFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)決勝第1戦の横浜F・マリノス対アル・アインが、日産スタジアムで行われます。

この記事では、注目選手や観戦ポイントなどが知れる、Optaデータを使った豆知識『Optaファクト』をご紹介します。


横浜FMとアル・アインが、ACLで対戦するのは初。
アル・アインがJリーグのクラブと同大会で対戦したのは過去2回。
2011年の名古屋戦(4月12日:0-4の敗戦、5月11日:3-1の勝利)。
一方の横浜FMがアラブ首長国連邦(以下UAE)のクラブと対戦するのは初。

『Optaファクト』より

横浜FMがACL決勝に進出するのは初。
今大会通算7戦では1敗(5勝1分、PK戦含む)。
今対戦で勝利すると、Jリーグのクラブとしては通算4チーム目となる優勝。
浦和(2007、2017、2022)、G大阪(2008)、鹿島(2018)に次ぐ。

『Optaファクト』より

アル・アインにとっては通算4度目のACL決勝。
同初出場となった2003年大会では優勝したが(ポリス・テロFC戦)、これ以降の2回では敗れている(2005年:アル・イテハド、2016年:全北現代モータース)。

『Optaファクト』より

「初」のことが多く、展開が読みにくい今回の対戦。アル・アインは決勝の舞台を経験していますが、優勝したのは21年前なので、経験値で優位に立っているとも言い切れなさそうです。

また、独自の指標を用いてチームの世界ランキングを示す『Optaパワーランキング』では、横浜FMが214位、アル・アインが407位(ともに5月10日時点)。Optaのスーパーコンピュータが10,000回の試合シミュレーションをした結果は、46.4%の確率で横浜FMが勝利、25.1%が引き分け、28.5%がアル・アインの勝利と、第1戦は横浜FMに有利な予想となっています。

横浜FMとアル・アインのOptaパワーランキング

▼参考

横浜FMとアル・アインの今季ACLで記録した先取点は、大会全体最多タイの9点。
マリノスは同9戦では無敗(8勝1分)で、アル・アインは7勝2敗。

『Optaファクト』より

アル・アインの今季1本のシュートに対するゴール期待値は、大会全体トップの0.15。
決定率も大会全体3位(19%、セパハン:22%、川崎:21%に次ぐ)。

『Optaファクト』より

横浜FMの今季1試合平均敵陣ペナルティエリア内侵入数は大会全体最多の43回。
しかし、同エリア内からのシュートで記録したゴール数は全体5位の18点。

『Optaファクト』より

アル・アインのアル・アフバビ(27)とクアメ・クアディオ(26)の今季インターセプト数は大会全体トップと2位。

『Optaファクト』より

ハリー・キューウェル監督率いる横浜FMは、攻撃的なスタイルで勝ち上がってきたと言えます。1試合あたりのシュート数は大会最多の18.6本。グループステージを突破したチームの中で唯一、全ての試合で10本以上のシュートを記録しています。しかし、決定率は低く、ベスト8に進出したチームの中で最低の9.4%となっています。

一方のアル・アインは、ここまで12試合でのシュート数(144本)が被シュート数(174本)よりも30本少なく、相手陣内でのタッチ数は、対戦相手の281回よりも78回も少ない、203回となっています。Optaファクトにもあるように、ゴール期待値の高いシュートを多く放っていることから、少ないチャンスを確実にものにしてきたことが分かります。

試合は果敢に攻撃を仕掛ける横浜FMと、少ない機会からの得点を狙うアル・アインという構図になりそうです。

アンデルソン・ロペスは自身が出場したACL直近7試合では6得点に直接関与(5ゴール+1アシスト)。
同直近5試合では4点に直接関与していて、前回4月24日の蔚山現代戦でも1ゴール。

『Optaファクト』より
ACL2023-24 アンデルソン・ロペスの得点関与プレーとゴール期待値(xG)

上島拓巳のキャリー数(自らドリブルで5M以上進むこと)は、今大会では全体2番目の191回。
アル・ヒラルのアリ・アル・ブライヒ(225回)に次ぐ。
同キャリーで稼いだ距離は2,183mで全体3位(アル・ヒラルのアリ・アル・ブライヒ:2,677、サーレム・アッドーサリー:2,192)に次ぐ。

『Optaファクト』より

ソフィアン・ラヒミは自身が出場したACL直近10試合では13得点に直接関与(11ゴール+2アシスト)。
同直近5試合では7点に直接関与しているが、前回4月24日のアル・ヒラル戦では同関与なし。

『Optaファクト』より
ACL2023-24 ソフィアン・ラヒミの得点関与プレー
(点の中の数字はPKでの得点)

注目選手は、横浜FMのアンデルソン・ロペスと上島拓巳、アル・アインのソフィアン・ラヒミです。

特に、今大会の6得点中4得点を決勝トーナメントで記録しているロペスは、オープンプレーでのタッチの35%がペナルティーエリア内か、その少し外側となっており、この試合でも横浜FMの攻撃の中心となると思われます。

横浜FMにとって、今大会の得点ランキングトップに立っているラヒミには要注意です。ラヒミは、決勝トーナメントで全体トップの7得点を上げているだけでなく、オープンプレーでの攻撃シーケンス(マイボールになってからの一連の流れ)にチームで最も多く関与しており、敵陣ペナルティーエリア内でのタッチ数もチーム最多の66回を記録しています。

Optaのシミュレーション通り、横浜FMが優位に試合を運んで見事に初戦を勝利で飾るか、それとも、アル・アインがアップセットを起こすのか、注目です。


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