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Stationery Diary Page17/お香

今回のテーマは「お香」です。文具とお香って一見、遠い存在のようにも感じますが、文具店でお香を扱っている店舗が、実は全国にたくさんありまして、富山では、文具瀬戸大泉店さんにもたくさんお取り扱いがあります。

 なかでも、全国で大変有名なのが、京都にある「鳩居堂(きゅうきょどう)」さんです。書画用品の販売もおこなっている「鳩居堂」さんですが、 その歴史の原点はお香です。その歴史は古く、今から、350年以上前の江戸時代に漢方薬や薬の原料を扱う「薬種商」として京都の寺町に誕生しました。 薬種には、丁字や桂皮など「お香」の原料と重なるものも多く、やがて薫香線香の製造販売をおこなうようになりました。

 それと同時に、薬種の輸入先である中国からお香や薬の原料だけでなく、筆、墨、硯、紙などの書画用品も仕入れるようになったそうです。その後、お香の製造販売だけでなく、書画用品以外にも、便箋や封筒なども扱うようなり、全国の文具店でも鳩居堂さんのお香や便箋などが店頭に並ぶようになったそうです。

ユニーク虫よけお香


 そもそも文房具とは文房、今でいうところの書斎で使う用具という意味がありますが、古代の中国では、その文房具のなかに、観賞用の屏風や絢爛豪華な硯のほか、香炉や花瓶も含まれていました。きっと古代の文人たちは、美しい美術工芸品に囲まれた書斎で、お香や花の香りを楽しみながら書をしたためるなど、リラックスしたひとときを過ごしていたのかもしれませんね。
 また、日本では、香炉の上に竹などでできた籠置きその上から衣服をかぶせて香りを服に移すことが、平安時代の貴族や風流人の間で、自己表現のひとつとして流行っていたこともあり、仏事だけでなく香りの文化は古くから人々に愛されてきたものだったのですね。

ラベンダーやカモミールも人気



 さて、そんなお香ですが、現代でも、ご進物用や仏事の際に使うものはもちろん、香りを、日常生活に取り入れる方も多いです。香りの種類もスタンダードな白檀や沈香(じんこう)はもちろん、ラベンダーやカモミール、すみれやさくらなど香りも豊富になっています。

香りも豊富です



また、最近では、ユーカリなどの天然原料のみを使用した虫よけシリーズも人気だそうで、虫よけ匂い袋もあるそうですよ。
お盆のお墓参りやお仏壇にお線香をあげる機会も増える時期ですので、ぜひ、店頭でご自分好みの香りのお香をお選びいただければと思います。

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