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S-V.League 外国人枠増やして大丈夫?(1)

来年開幕予定のバレーボール S-V.League、少し情報が出てきました。個人的にはもっと情報発信してほしいと思うのですが…

例えば、SVライセンス申請の締め切りは11/30だったので、申請があったチームのリストぐらいは速報でその日のうちに出せるはずです。発表まで2週間以上かかっています。ファンはヤキモキしていましたよ?このあたり、まだまだ体質・考え方が古いと思わざるを得ません。またSVライセンスの下位にあたるVライセンスの申請クラブリストは発表されていません。今回のリーグ改革はトップリーグだけでなくバレーボール界全体に関わるものなので、SVの情報だけでは何もわかりませんね。

外国人枠の拡大の是非は?

オン・ザ・コート・ルール、つまりコート上に立てる選手に関するルールの改正により、外国籍選手は現行の1名→2名になりました。アジア枠1名はそのままなので、SVリーグ初年度からコートに立つ6名のうち最大3名が外国籍選手であってもよいということになります。またベンチ入りに関しては外国籍選手が何名いてもよいということで、外国籍選手から外国籍選手への選手交代なんてことも起こるかもしれません。さらに2027-28シーズンからはさらに1枠増えて、外国籍3名+アジア枠1名が同時にコートに立てるようになります。

この発表があってからのネットの反応として「日本人選手の出場機会が減少する」こと、特に外国籍選手に頼りがちな攻撃的ポジションの選手が育たないことを懸念するコメントが多かったように感じます。

リーグ曰く「出場機会は気合で掴み取れ」とのこと…

これについては記者会見でも質問があったようで、リーグ機構からの回答が公開されています。

2030 年に世界最高峰のリーグを目指す上で、なるべく多くの外国籍選手と対戦し、日常を世界基準に上げていきたいと考えている。日本人選手が出る機会が多い少ないという話と、日頃から世界の名だたる選手と伍して戦えることが代表の強化に繋がるという 2 つの意見が必ず出てくるが、少し舵を切った形で外国籍枠を 3 名にさせていただくということで合意した。何度か議論はしたが、日本人選手の機会をあらかじめ確保するというよりは、外国籍選手がいる中でも日本人選手が割って入れる実力を兼ね備えないと、我々が目指すところへは行けない。大きな反対意見はチームからはなかった。

<V.LEAGUE REBORN 進捗状況について> 20231220_記者会見_議事メモ(Q&A)

外国人枠拡大の狙いは「日頃から世界の名だたる選手と伍して戦えることが代表の強化に繋がる」ことのようです。一方で、日本人選手の出場機会減少に対する具体的な対策が全く示されていません。「外国籍選手がいる中でも日本人選手が割って入れる実力を兼ね備えないと…」との発言には驚かされました。どうやったらその実力を兼ね備えることができるのか、その具体策が示されなければあまりにも無責任です。一般的には試合に出て経験を積むことだと思うのですが…

半分ぐらいが外国籍になっても日本人が生き残ってのし上がれるぐらいの形にならないと、真の代表の強化にはならないだろうと思う。

<V.LEAGUE REBORN 進捗状況について> 20231220_記者会見_議事メモ(Q&A)

令和とは思えない根性論です。スポ根です。責任を選手に丸投げし、リーグは「厳しい競争環境を用意して、後は見守る(這い上がって来い!)」という昭和的スタンスのようです。バレーボール協会ないしリーグ機構の古い体質・考え方は相変わらずですね…

突き放して競争させ勝者をすくい取る方法は、同時に大量の敗者を生み出す非効率的なシステムで、競技人口がすごく多い場合にしか機能しません。ベビーブームの時代じゃあるまいし、現代の少子化時代には全く合っていません。今の時代、一人一人を大切に、取りこぼすことなく丁寧に育てていくことが必要なのです。もし本当にこのまま突き進むなら、日本のバレーボールはSVリーグとともに沈んでいくことになるかもしれません。

成功へのシナリオがあるのでは?

私が思うに、外国人枠を拡大してリーグレベルを上げつつ、日本人選手の出場機会も確保して育成を強化する方法はいくつかあると思います。そして、その方法はリーグ主導で手が打たれなければならないと思います。今のところ、リーグ機構が動いている様子は観測できていませんが…

ちょっと長くなりそうなので、続きは次回。

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