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午後の紅茶を午前に飲んだ日

睡眠剤を飲んだのに眠れない。いつもならストンと眠れるのに。
あーーどうしよう。
いじっていたスマホを横に置いて目を瞑る努力をしていると、なんとなく昔のことを思い出した。

幼稚園に通っていた頃だったかな、おばあちゃん家に泊まった。
部屋で電気を消して私は寝ていたけれど、
キッチンのかすかな灯りとお母さんとおばあちゃんが話し声が聞こえて目が覚めたんだっけ。
お母さんはわたしにコンビニで飲み物を買ってこようかと言った。
「本当に大丈夫?夜中だよ、危なくない?」と心配する私に
大丈夫よ、そう言ってお母さんは午後の紅茶のミルクティー缶を買ってきてくれた。

今はもうお母さんとおばあちゃんはいないけど。

思い立ってベッドを抜け出し近くの自動販売機でミルクティーを買いに行った。
午後の紅茶はなかったから紅茶花伝。

ふと、月が出てることに気がついた。
どうかはやくしなせてください、と月に祈った。

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