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普通のサラリーマンがなぜ写真集を出版したりiPhoneアプリを出したり出来たのかをお話しします。星景写真家の前田徳彦の初回note。



こんにちは。
はじめまして。45年以上星空の写真を撮影している前田徳彦です。星の世界ではブログやSNS(下の方にリンクがあります)で長年発信してるので知っている方もいらっしゃるかと思います。


星景(せいけい)写真とは星空と風景が一緒に写っている写真のことです




趣味の1つとしてはじめた星の写真ですが、1996年にホームページを作った時から状況が一変しました。普通のサラリーマンだった私が後に写真集を商業出版したり、iPhoneアプリで日本の総合3位をとったり、毎年カレンダーを発売したりというきっかけになったのです。
今回、はじめてのnoteではその経緯をお話ししたいと思います。

1996年 ホームページというものを素人でも作れるらしいと知って1996年にマック一式を購入。ナナオのモニター、アルプス電気のプリンターと合わせて50万円以上はしたでしょうか?ホームページビルダーなども無かったのでHTMLを勉強してなんとか作ったサイトは、行ったばかりのオーストラリアの星の写真があったので、それをベースに構成。まだ星関係のサイトが少なかったこともあり、雑誌に載ったり大前研一さんの「さぁインターネット」という番組に1週間出演したりとそれなりに注目を集めたりしました。ヘールボップ彗星接近の時は1日に2000アクセスとかいう日もありました。

しばらくすると星関連のホームページも続々と出来てきてアクセス数も徐々に減っていきました。
2004年頃「ブログ」というものが流行りだしました。ホームページと違い「ブログ」は読ませる構造となっていたのでこれは面白そうだとライブドアで「星空散歩的ブログ」という題名ではじめました。今読むと「なんだかなぁ」というつまらない日記でとりあえずはじめましたという感じでしたが、徐々に本来の星空写真中心のペースになり、2006年12月には写真が大きくきれいに見えるということで今のJUGEMに引っ越しました。写真の方向性も「星空のある風景写真」1本でいくと決めて題名も「星空のある風景BLOG」に変えました。

その時なんとなく感じたのは、この「星空のある風景BLOG」に星景写真を毎週のようにに載せていけばきっと良いことがおこるに違いない。という妙な確信です。当時は写真のクオリティもそれほど高くなかったと自覚していたので、技術も含めて向上しなくてはと思いながら続けていきました。

ブログの効果が現れました。ブログを見た出版社さんから連絡があり、星景写真の撮り方を記事にしてほしいというのです。もちろんお受けして2009年6月1日に発売した 「人気ブロガーとプロに学ぶおしゃれな写真の撮り方手帖」に掲載されました。この他にも雑誌やテレビ局などからブログを見て写真使用の問い合わせなどがコンスタントに入るようになりました。


50歳までに写真集を出版するという目標がありました。最初は紙の本を想定していました。ところが電子出版がはじまり、iphone、ipadからアンドロイド、さらには専用端末によるものなど続々と新しい表現方法が世の中に出始めました。
電子出版ってありかも!と思いiphoneの写真集アプリを調べ、ダメ元でアプリ製作会社に連絡してみました。「私は星の写真を撮影しているものですが、アプリで写真集を出せないでしょうか?」みたいな内容のメールをしたところ、興味があるので会いましょうということになりました。話を聞いてみるとアプリの製作には100万とか200万とか金額がかかるとのこと。でも面白そうなので無料で制作するので利益を折半するということで話がまとまりました。

無料で自分の写真集アプリが作れるなんてとてもラッキーなことが実現することになりました。今なら絶対にありえないことなのですが、当時は有料アプリの発売が相次いでいる状況で、アプリ制作会社はコンテンツを探していたという背景があったのです。こうしてiphone・ipad向けのアプリとして「星空のある風景写真集 -眠りたくない夜がある-」を2010年11月にアップルApp Storeにて発売開始しました。


はじめてのiPhoneアプリ「星空のある風景写真集 -眠りたくない夜がある-」

売り上げの結果はiPad有料アプリ写真カテゴリーで1位,iPad有料アプリ総合でも14位。iphoneランキングには入りませんでしたが、まずまずかなという売り上げでした。その後担当してくれていたFさんが独立したこともあり第2弾も作ろうかと言うことで新たなアプリ制作が進められました。それが2011年3月に発売した「星空時景」です。このアプリは星景写真をバックに時計機能があるアプリなのですが、僕のアイデアをプログラマーさんが実現してくれて流星が流れたり、振ると流星雨が出たりする楽しいアプリになりました。

アプリ「星空時景」の画面

このアプリは発売4日目で前作を上回る売れゆきで、iPhoneアプリ総合で30位になり喜んでいたのですが、そんなものでは終わりませんでした。「アップルが選ぶお勧めのアプリ」に選ばれたことでぐんぐんランキングが上がり、最終的には日本の全てのiPhone有料アプリの3位という大ヒットとなりました。売り上げだけでなくこのアプリは高く評価され、第38回「石川県デザイン展」「金沢広告協会会長賞」を受賞したのです。総出品数は560点に上り、その中から数少ない入賞作の1つに選ばれて嬉しい限りです。

「星空時景」は日本の全てのiPhone有料アプリの3位となりました

アプリに関してはその後2013年に「星空のある風景アプリ」、2014年には「星空壁紙」というアプリを発売しましたが、しだいにアプリブームも去ってアプリの開発は4つで終了しました。一般のサラリーマンがアプリを発売できたというのはとてもラッキーだったと思います。

さて、アプリがヒットしたことから思いもしない出来事がありました。ある大手広告代理店の方から一度会ってもらえないかという連絡があったのです。話を聞いてみるとある大手企業のスペシャルサイトのメインを星にしたいので写真を使わせてほしいということでした。僕に連絡をした理由はその担当者が「星空時景」を使っていたことでした。もちろんOKし、その後しばらくの間私の写真のサイトが運営された他、パッケージにも写真が使われました。

前述した通り私には「写真集」を出すという夢がありました。これはアプリと言うかたちで実現したのですが、紙の写真集はその後も目標になっていました。ある時「出版業界に詳しい」と言われている人とお話する機会があり、星の写真集についてお話したのですが、その時の答えが「可能性としてはゼロにちかい。そもそも写真集自体が売れていないのでアイドルや超有名な写真家以外で素人が商業出版などあきらめた方がいい」でした。
まあ、それが現実なんだろうなと思いつつあきらめきれない自分がいました。

ある時に星で有名な出版社である「誠文堂新光社」の方とお話する機会がありました。そこで自分の写真のことや「写真集」を出したいことなどをお話したのですが、その時は自費出版という方法もありますよと説明されただけでした。

ところがそれからしばらく経ったある日の夜に突然電話がかかってきて「前田さんの写真集を出版させてください」と言われました。いきなりでとてもびっくりしたのですが、誠文堂さんの企画がちょうどマッチしたようでした。後から聞いた話ではデジタル化の波が来る中でデジタルの世界でも実績のある人ということでアプリがヒットした私に声がかかったようです。こうして2014年9月2日 誠文堂新光社より写真集「星空風景」を出版されたのです。ついに夢が実現しました。

写真集「星空風景」

ここまで読まれてきてどう感じられましたでしょうか?普通のサラリーマンで何者でも無いのに、写真集やアプリや大手企業との仕事が出来るとか普通では考えられないですよね?なぜそれが可能になったかはここまで読まれたあなたならおわかりですね。そうです。すべてインターネットのおかげです。

1996年にマックを買いホームページを作ったこと、その後ブログを立ち上げ毎週のように更新し続けたことでありえないようなことが起こり続けました。
自分の好きなこと、やりたいことに集中して発信することで誰にでもこのような可能性があると思いますし、僕自身がそれを体験したので多くの人に伝えたいと思いました。

今でも晴れればほぼ毎週撮影に行って日曜日の夜にはブログを更新するということを続けています。こういう話をすると「毎週のように撮影してすごい努力ですね」「頑張っていてすごいです」などと言われるのですが僕は全く努力をしていません。
え、どういうこと?と思われるかもしれませんが、僕は星の写真を撮ることが何よりも好きなので、たとえばパチンコ好きな人が土日パチンコ屋さんに通ったり、麻雀好きな人が徹夜麻雀するのと本質的に変わらないのです。
パチンコや麻雀ですと家族やまわりの人からも何かと良い印象は与えないかもしれませんが、僕は褒められるのですから本当にラッキーな趣味を持ったものだと思います。

好きだから長年続くのであって、もし好きじゃなくてお金のためとかでやっているとしたら、確かにマイナス10度の山の中で一晩中外で撮影したりするのはものすごい努力だと思います(笑)

私の物語はその後も続きまして、「カレンダーを5年連続で出版」「テレビ出演」「ラジオ出演」「コンテストの審査員」「教科書に採用」などまだまだ続くのですが機会があればお話ししたいと思います。当時はブログでしたが、今はSNSが出現してInstagram、Twitter、Facebook、YouTubeなど発信の手段は増えました。ブログは以前よりは影響力がなくなりSNSもその時によって浮き沈みがあり僕もいろいろ試行錯誤しています。


NHKラジオ「石丸謙二郎の山カフェ」には2回出演させていただきました。

昨年60歳になったのですが、(今は61)そのときその事実に愕然としまして、あと元気で活動できるのは後何年かと真剣に考え、とりあえず5年は今の体力気力でいけるのではないか、その次は65で考えようと。
まずは「いつかやってみたいこと」を実行しようと今年7月7日からの銀座富士フォトギャラリーでの個展を決め、仕事でも温めていた企画をスタートするなど新しいことも始めたのでその過程などもnoteで書いていけたらとおもってます。
今後もお付き合いいただけたら嬉しいです。

SNSなど私の活動は以下をご覧ください。


2023年7月7月から13日まで写真展を開催します。ぜひお越しください!
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期間:2023年7月7日(金)~13日(木)
場所:富士フォトギャラリー銀座 スペース2
東京都中央区銀座1丁目2-4 サクセス銀座ファーストビル 4F
入場無料
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本業:創業100年の眼鏡の総合商社の役員として約40年働いています。
主にメガネフレームの企画をしておりデザインからやらせていただいています。
アニメや特撮とコラボしたメガネなどの企画もしています。




☆ここまで読んでいただきありがとうございました☆

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