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今年も秋祭りの日が来た

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橋本鮮魚店さんの刺身盛り。
これをお願いすると、ーあ秋祭り来たな、と思う。

今年も秋祭りはお休み。旗を立てて神事は行うが
おねりは無い。


ほたかぶにキャーキャー追いかけられる小学生も
鹿の太鼓が遠くから聴こえて
もう来るよ!玄関でとこうとはしゃぐことも
牛鬼をかくお兄さん達にお神酒と称した生ビールを振る舞うことも
もうずっと昔のことのような気がしてくる。
秋なのにとても寒く、その雰囲気が更に気持ちをしんみりとさせる。

あれって当たり前じゃ無かったんだな、と思い目頭がじんわり熱くなる。


毎年毎年来てくれていた、当たり前だった風景。
これもまた「かけがえのない日常の中のハレの日」だったと教えてくれる。
文化的景観とか、難しいことは置いといて
「ああ、また今年もこの季節になったなぁ」と思える風景こそ
イナカには必要なのだと思う。

いや少なくとも私には必要なのだ。
一緒に大きなテーブルでお祭りのご馳走を囲んでいたじいちゃんも、ばあちゃんも、近所のおばあさんも、兄弟も、居ない。

秋祭りだし、帰るわ!と東京に行ってる兄弟が帰ってきて
わいわいおねりを迎えていたのは本当についこないだのことなのに。

お祭りだから、帰ろう。という気持ちも
お祭りだし、帰ってきたら?という呼びかけも
打ち消された、静かな通り。

ちょっと小雨も降ったりして。
ああ、いろんなことに負けたく無いなーと思う。
別に勝ちたいわけじゃない、負けたく無いんだよ。
最近そう口に出して人とやり取りすることが多い。

見えない世界を敬い、畏れ、讃え、また日常に戻る。
今こそ必要な儀式なんじゃ無いかな〜とも思う。
気持ちだけ、あの風景の中に帰ろうと思う。

静かな冷たい雨の音を聞きながら。

今日はそんなかんじです。


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