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スタートアップCEOがぶつかるプロダクト開発サイクルの壁(長文2000字)

CEOと開発する人はいるけど、プロダクト開発の仮説検証サイクルを回せる人がいない。

これは、初期フェーズのスタートアップがぶち当たる壁だと感じています。
最初は、とにかく必死にCEOがアイデアを形にしようとユーザーヒアリングに奔走し、それを開発できるメンバーがプロダクトにする。
そのプロダクトをターゲットユーザーに検証しにいき、ボコボコにされる。そこから開発メンバーが修正・追加実装し、また違うユーザーに検証しにいくと、今度は別の観点からボコボコにされる…

このサイクルを繰り返しているうちに、このようなことに悩むようになります。

果たしてこのままで目指している方向に辿り着けるのだろうか。
自分たちがやっていることは確からしいことなのか。

手元にフィードバックやインタビュー記録はたくさんある。顧客の声を聴くのが大切なのは理解しているつもりで、これまでその声を踏まえて改修したり検証を進めてきた。

でも、、ここから先どう進めばいいのかわからなくなっている。

どのぐらいまで到達すれば次のステージに行ってよいのだろう、
ピボットすべきなのかということもわからない。
このとっ散らかっている状態から、どういう示唆を出して進んでいけばよいのだろうか。。

遅かれ早かれ、この壁にぶつかります。

プロダクト開発のサイクルを回していくには、バランス感覚が大切。

プロダクト開発のサイクルを通じてPMFに至るまでは、数多くのチューニングが必要です。
顧客の声に向きあいインサイトを深く掘りFitを見つけていくことと同時に、社内の合意を得ながら必要リソースを確保していく必要があります。
さらに、冷静に市場はあるのか、市場のなかでのポジションはどうなのか、プロダクトのスタンス(何をやって、やらないか)をどう持つかといったような思考と行動が求められます。
顧客・市場・プロダクト・社内の全方位を、同時並行で睨みながら駒を進めていくイメージです。
プロダクト開発のサイクルを回した経験がないCEOが、このスキルを急に身につけるのはかなり難しいことだと感じます。

プロダクトマネージャーが必要?

では、初期の段階からサイクルを回した経験があるプロダクトマネージャーにジョインしてもらうことが解決策かというとそれも違うと考えています。
初期は何度も事業ピボットを繰り返し、プロダクトやビジネスモデルが様変わりする可能性が高いです。
一番コアとなる部分を早期の段階で誰かに任せてしまうと、結局うまくいきません。CEO自身が1番顧客を理解し、プロダクト開発のサイクルを回す必要があります。
また、プロダクトの確信が持てるまでは最低限の人員で抑えておくべきというキャッシュの観点もあります。

ということからも、私はやるべきことは一つしかないと思っています。

CxO自身が、開発サイクルを回せるスキルを身につけていく。

やはり、CEO(もしくはCxO)自身が、プロダクト開発サイクルを理解し進めていけるようにするしかありません。

開発サイクル全体の体系や型を理解し、その中で自分たちの事業はどの位置にいるか、これまでの取り組みで学習できたことは何か、それを踏まえて次はどこを目指してアクションするかということを、冷静に判断していきます。思いついたらすぐ行動に移したくなる衝動をグッと抑えて、しっかり振り返りを行うことが大切です。

経験者のサポートを受けながら進めることが近道だけど、、

24時間365日、その課題やサービスのことだけを考え続けていると、どうしても視野が狭くなってしまったり、根本的なことを見逃していたりなどバランスが崩れがちになります。

私自身、これまで何度となくプロダクト開発サイクルの壁にぶつかってきました。
そして、今スタートアップのCEOを支援する立場になって、皆同じようなところで躓いたり壁にぶつかっていることに気づきました。
当時の自分に対して、今の自分のような経験を持った人に伴走してもらえたとしたら、もっと速く辿り着けたと感じます。

そのため、壁にぶつかっている皆さんにはぜひ経験者のサポートを受けるといいですよと伝えたいのですが、ほとんど見当たらないと考えています。
投資家との壁打ちや起業家支援セミナーなどは沢山ありますが、単発で終わるものが中心です。次のステップになったら来てくださいね、と言われても、そのステップまで自分の場合どう進めたらいいかアドバイスが欲しいという欲求まではなかなか踏み込んではくれません。
利害関係のない経験者から、自分の事業について継続的にアドバイスや示唆を得られる機会は限られています。

今回のテーマは、自分が何とかしなければと強く感じ、創業したきっかけでもあります。
StartupAtlasでは、このような課題を解決すべく、経験者の知見を共有し、次なる挑戦者たちの成功に向けて支援していきます。

最後まで、お読みいただきありがとうございました!XでもPMFに有益な情報を発信していきます。こちらをフォローしていただけると嬉しいです。

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