投資契約の条項〜Part 5 公表〜

【目的】
 独断で勝手に、資金調達のプレスリリースを公表しないこと。資金調達を公表したい時には、事前に相手方の同意をとることを求める条項です。
 起業家側にとって、上場大企業から資金調達する場合に、もしかすると契約書に付いてくるかもしれません。(VCは、ここらへんは大らかなので、よっぽどプレスの文面が酷くない限りは何も言わないと思います。)

【記載例】
本契約締結後、投資家または対象会社が、本件株式発行に関する公表を行う場合には、当該公表の内容に関して、事前に投資家が公表を行う場合は対象会社の、対象会社が公表を行う場合には投資家(全員)の承諾を得るものとする。但し、法令等に基づき開示が義務付けられる場合はこの限りではないが、その場合であっても、可能な限り、投資家及び対象会社間で公表の時期、方法及び内容等について事前に協議するものとする。

【論点】
 結論からすると、この条項は”必要ない”と思います。資金調達のプレスをする時には、投資担当者と擦り合わせすることが一般的だと思いますし、それくらいのコミュニケーションを取れないなら、まず資金調達出来ていません。
 むしろ、「資金調達のプレスリリースをする際には、事前に投資家にプレスリリースをしたい旨を説明する」ということを覚えておきたいですね!

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