見出し画像

AIが世界を食べる理由-GenAIとイノベーション①

はじめまして、MOZ(モズ)と申します。主にTwitterで活動しています。▼

今回は、AIが世界を食べる理由と言うタイトルで、今から約12年前に書かれたソフトウェアが世界を食べる理由と言う最高の記事のオマージュ的な意味でAIがこれからの産業に与える影響などを海外の有力な記事などを引用しながら書いていこうと思います。

今回は第一弾と言う事で、海外のGenAIのあり方、Gen AIスタートアップのポジション、genAI及びAIのソリューションの海外の洞察をまとめました。

※海外の記事はDeep Lで和訳して引用しています。
※ジェネレーティブAIをGenAIと略しています。


ソフトウェアが世界を食べる理由

『ソフトウェアが世界を食べる(食べた)理由』の内容ですが、一言で言うと小売・金融・メディアなどが既にソフトウェア化しているのでいずれその他全ての産業がソフトウェア化していくだろうと言う予測記事になっています。

そして2023年、こちらの記事の通りほぼ全ての産業がソフトウェアに食われています。

このようにビジネス、コミュニケーション、ライフスタイルがインターネットの恩恵を受けたと言うことで現在ではインターネット革命と呼ばれています。そして今年に入ってchat GPTが世の中に広まったことで、”AI革命の到来”と囁かれたいたりAI企業が増えてきたり、GenAI系プロダクトが異次元の速さで増えてきています。

創造的破壊は、社会と経済に対するイノベーションの変革力を反映する長波のビジネス・サイクルに基づいている。このようなサイクルは通常40年から60年続き、急速な技術進歩、経済成長、社会変革の時期と、それに続く停滞や衰退の時期によって特徴づけられる。こうしたサイクルのパターンとダイナミクスを理解することで、産業と経済の将来の軌道をよりよく予測することができる。私たちは今、創造的破壊の第6の波にあると多くの人が考えている。

AIアンリーシュド創造的破壊の第6の波に乗る

このように、AI技術の到来はインターネット革命の次にあたるAI革命の布石であると。

1700年代から2020年代までのイノベーション・サイクルの歴史をビジュアル化。

では、”ソフトウェアが世界を食べたようにAIは世界を食べれるのか。
この答えに対するヒントになるような記事を引用して紐解いていこうと多います。

GenAI

ジェネレーティブAI(GenAI)の未来像として最適なのは、さまざまなツールや企業が存在する "ポリグロット "であることだ。オープンソースは大きな役割を果たすだろうし、そこに多くのエネルギーがあるのを見ると安心する。そして私は、スタートアップ企業が最高の専門ツールや垂直ソリューションを構築してくれると信じている。

Matt Turck

と言う事でこれはMatt Turckと言うFirstMarkと言うアーリーステージに投資を行なっているVCに所属していて中でもAI系に強い方であり、その人が運営しているブログからの引用です。この方はGenAIの最適なポジションはさまざまなツールや企業が存在する "ポリグロット”と表現しています。

他にもMatt TurckはAIのあり方について言及しています。

AIが重要なのではなく、AIを使ってどのようなビジネス上の問題を解決するかが重要なのだ。 このサイクルが進むにつれて、ベンダーのウェブサイトのメッセージが、最初はAI中心だったのが、数ヵ月後、数年後にはビジネス・ソリューション中心になって、ホームページではほとんどAIについて触れなくなるのを見るのは、いつも興味深いことだ。

Matt Turck

と言及しており、GenAIが重要ではなくビジネス上の問題を解決すると言う事が重要でありGenAIを用いてビジネス上のどうゆう問題が解決できる事が重要だと。

さらに”最初はAI中心だったのが、数ヵ月後、数年後にはビジネス・ソリューション中心になって、ホームページではほとんどAIについて触れなくなる”とも言っておりこれに関してはインターネットが普及し出した1995年〜ではインターネットが及ぼす影響だったり、インターネットに何が出来るかと言う記事で溢れていたのが今になっては『このアプリ・サービスはこのような問題を解決出来る』と言うビジネス・ソリューション中心になっている事からこの発言の重要性が分かります

▲1996年の当時の記事

GenAI系スタートアップのポジション

ジェネレーティブAI(GenAI)テクノロジーの開発と応用をリードするために、国や大手テック企業の間で世界的な競争が繰り広げられているかもしれないが、起業家たちは、このテクノロジーの応用とソリューションの次の段階を切り開くユニークな立場にある。(割愛)
技術に精通した起業家たちはすでにA.I.を採用し、障がい者のアクセシビリティ、金融包摂、法的支援など、社会やビジネスの問題に取り組んでいる。私に明らかなのは、その多様性にもかかわらず、一流の起業家には決定的な資質があるということだ:多くの人々が問題に目を向ける中、彼らは潜在的な解決策を見出し、それを市場に投入するために迅速に行動する。

fortune

これはEYのCEOであるカーマイン・ディ・シビオのfortune記事の引用です。
Open AI社やその他大手のテック企業が大資本を用いて独自のLLMを作って競争している現状でのスタートアップのポジションは”テクノロジーの応用とソリューションの次の段階を切り開く”ことであると。

イノベーションは、発明をビジネスモデルの建設的な変更に結びつける方法を見出すときに起こる。

ヨーゼフ・シュンペーター

この言葉が当てはまる気がします。大手が開発したテクノロジーをビジネスモデルに応用して、インターネットやAWSを軸にして最高のソフトウェアが生まれたように新たなフロンティアを開拓していくと。

genAI及びAIのソリューション

genAI及びAIの飛躍-AIは「遅れている」産業をどのように変革するか

デジタル化された業界にAIを適用しようと躍起になっている。しかし、私たちが最大のインパクトを与えるのはそこではない

このnfxの記事はAIの飛躍について言及しているのですが、物凄くよかったので軽くまとめます。

アフリカ諸国は世界で最も早くモバイル決済を導入した国のひとつである。アフリカ諸国がより速く、ボーダーレスで、直感的な決済インフラを構築している間、米国ではまだクレジットカードをスワイプしていた。なぜでしょうか?

と言う文章から始まります。まずこのnfxの記事は軸としてリープフロッグと言う概念を元に書かれています。リープフロッグについて▼

既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術進展を飛び越えて一気に広まること。

Wikipedia

技術的リープフロッグは、産業や市場(通常は時代遅れの産業や新興市場)が、技術変革の連鎖に沿ってステップをスキップする場合に発生する。(割愛)
モバイル決済の分野でも飛躍的な進歩が起きている。米国がいまだにモバイル決済やデジタル通貨の導入に苦戦している一方で、ケニアと中国はクレジットやデビットのステップを回避して直接モバイルに移行した。

そしてこの記事でAIが本領を発揮する領域(リープフロッグを起こせる)は何なのか、なぜなのかと言う事で下記のように語っています。

AIのリープフロッグを創出するための最初のステップは、非トランスアクターを特定することです。この場合、建設、法律、製造、接客業、農業など、歴史的にSaaSの導入が進んでいない場所を探します。

現時点では、SaaSソリューションがない業界には、おそらく理由がある。

長年にわたり、SaaSプラットフォームへの移行が、技術的に時代遅れになっている多くの業種に与える負担を過小評価してきました。長年、SaaSはこれらの企業の多くにとって高価すぎた。オンボーディングは複雑で直感的ではありませんでした。

何十年もの間、ペンと紙、あるいはレガシー・ソフトウェア・システムで帳簿を管理してきたのであれば、生産性や収益に大きな変化が保証されない限り、なぜ新しいシステムに切り替えるのだろうか?準備書面をずっとマイクロソフト・ワードで書いてきたのなら、なぜシームレスに統合できないシステムに乗り換えるのか?

覚えておいてほしいのは、変化の価値は、変化の負担を上回らなければならないということだ。半自動化(Saas)の価値提案は、凝り固まったアナログプロセスに依存する業界にとって、切り替えコストを正当化できるほど強力ではない

つまりnfxの考えはGenAI及びAIがもたらすインパクトを最大限受けれる領域は、SaaSのソリューションを受けなかった凝り固まったアナログプロセスに依存する業界(建設、法律、製造、接客業、農業)だと言う事です。

一旦このnfx記事をまとめます。

SaaSプラットフォームは、特に中小企業や伝統的な業界にとっては高価な場合があり、これらの企業は長年にわたりペンと紙、またはレガシーシステムを使用してきたため、SaaSへの切り替えコストが大きな負担となり初期費用や毎月のサブスクリプション料金が、古いシステムの維持コストよりも高額になる可能性があると言う事。

①複雑なオンボーディング: SaaSシステムへの移行は、特に業界が従来のプロセスに固執している場合、複雑なオンボーディング手続きを伴うことがあります。従業員は新しいシステムを学び、変更に適応する必要があり、これは時間とリソースを要するため、導入が難航することがある。

②統合の問題: 多くの企業は長年にわたり独自のOSやシステムを使っており、それらをシームレスに新しいSaaSプラットフォームに統合することが難しい場合があると言う事。既存のシステムとの互換性がない場合、データの移行やプロセスの再設計が必要になり、これも導入の障害となります。

③利益確保の不確実性: 変化を取り入れる決断は、生産性や収益にどの程度の変化をもたらすか不確実性が伴います。長年にわたって機能してきた既存のシステムが、新しいSaaSプラットフォームへの移行で生産性向上やコスト削減につながるかどうかを確信することは難しいことがあると言う事。

nfx曰くこれらのSaaSのソリューションを受けてこなかった業界達が、AIの最大のインパクトを受けると言う事でその理由についても言及しています▼

これらの業界のメンバーは、自動化に関してはかなり遅れていることを知っている。ジェネレーティブAIは、効率的で費用対効果が高く、直感的な方法で完全自動化をパッケージ化する初めての機会である。

ジェネレーティブAIは、プッシュボタンを押すだけですぐに使えるソリューションです。ゼロから法的概要や建設計画を生成する。ソフトウェアとの対話は、友人とおしゃべりするようなものだ。すべてのプロセスを学び直す必要はなく、ToDoリストから面倒なタスクを削除するだけです。

正しくパッケージ化されたジェネレーティブAIは、複雑なオンボーディング・プロセスや、乗り換えコストを高く維持してきた直感的でないワークフローに終止符を打つだろう。

以上がnfxの記事のまとめですが、ここで個人的な洞察としては”SaaSのソリューションを受けなかった凝り固まったアナログプロセスに依存する業界(建設、法律、製造、接客業、農業)”と言うのは言い換えれば、根本のニーズがソフトで解決できなかった業界と言い換えることができるなと思いました。

slackやsalesforce、Dropboxと言う代表的なSaaSはどれも現代のビジネスの場では重要なソフトですが、これらが重要な理由は顧客管理やファイル共有、コミュニケーションはどれも欠かせない上にこれらを効率良くしたら生産性も上がるからですが、上記のような業界では”欠かせないほどではなかった”と言うことで、slackよりもメール..などと”生産性や収益に大きな変化が保証されない限り、なぜ新しいシステムに切り替えるのだろうか”と言うように根本的なニーズがSaaSでは解決できなかった業界達と言えます。

ではこのような業界の根本的なニーズがAIによって解決されると。ではそれと言うのはまさに労力やスキルであると。つまり、労力とスキルの民主化がAI革命の本質だと言う個人的な洞察です。

だからこそ労力とスキルが必要とされる業界において最大のインパクトを残すと言えます。

労働力をAIが民主化すると言うのはかなり当たり前に言われていますが、このnfxの記事のように”労働力をAIが民主化”すると言う事を一度深く考えることで色々見えて来る気がします。

ここでgen及びAIのソリューションと言う点で”「遅れている」産業をどのように変革するか”と言う観点で公にGenAIを評価しているVC(a16z)はnfx以外にもいるのでその記事の言葉を引用します。

私たちは、どのような新技術であれ、過去の技術を置き換えるには10倍優れていなければならないと考えている。エンタープライズ・ソフトウェアは、ヘルスケアにおいて10倍の壁をクリアするのに苦労したが、AIはそれを簡単にクリアする。

a16z-AIが最も大きな影響を与えるのはどこか?ヘルスケア

医療における最大の課題は、(1)アクセス-医療を必要とするすべての人にタイムリーな医療を提供できるだけの十分な数の優秀な医師がいない(そして、臨床医は燃え尽き症候群のために大量に現場を去っている)、(2)コスト-医療費は、主に人件費の増加のために急騰している。
AIはこの2つの問題を解決してくれるだろう。

a16z-AIが最も大きな影響を与えるのはどこか?ヘルスケア

a16zはAIが最も大きな影響を与える領域はヘルスケアだと語っておりこれもまさに労力とスキルをAIが民主化するからこそだと。


まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました。

今回の記事ではGenAI及びAIがもたらすソリューションなどを海外VC、起業家の洞察を元に書きましたが、”AIが世界を食べる理由”と言うタイトルですので次回はAIが及ぼす影響(雇用など)や海外VCが投資したAI企業と、なぜその企業に投資したのかと言う考察も公に出しているVCなどの洞察をまとめていこうと思います。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?