ルーツミュージックを感じるためニューオリンズを旅した話〜DAY 8〜
前回のお話
明くる日。
夜まで時間を潰し前日のセッションで出会ったベーシストが教えてくれたライブハウスに行ってみた。
夜20時くらいだろうか。
お客さんもパラパラいてみんな自由に飲んだり談笑している中、ステージにスキンヘッドの男の人が上がりマイクで何か喋り出した。
どうやらミュージシャンがどうのこうの言っているが全く聞き取れない。
2、3分しゃべった後ステージから降りて裏の方へ行ったのでついて行き、話しかけてみた。
やあ!日本からやってきたドラマーなんだけどさっき喋ってたことがよく分からなくて。
セッションとかやってるのかな?
するとちょっと待っていろと言われしばらくするとアジア人の女性が来た。
実は彼女は日本人でユウコさんというブルースハープ奏者でそのイベントのホストバンドの一人であった。
事情を説明するとやはりその日はセッションイベントで名簿に名前とパートを書いておくと名前を呼ばれステージで演奏する日だと優しく教えてくれた。
やった!やっぱりそうだ!
お礼を言い、実はセッションでやるような曲はほとんど知らないでど大丈夫か聞いてみたところ大丈夫だよ!と快く迎え入れてくれた。
そして先程の名簿に名前を書きそわそわしながら待つことにした。
いよいよイベントスタート。なかなか盛り上がっている。
1時間ほど経っただろうか。
先程のスキンヘッドの彼が「キータ!」と呼んだ。
一瞬俺か?と迷ったがkeitaはキータと読める!と気付きステージに向かった。
ステージに上がり観客席を見渡すと意外とお客さんが入っていた。
緊張しつつも周りのバンドメンバーと軽く挨拶してドラムセットに座った。
アメリカ仕様なのか。
イスがめっちゃ高い。
スネアの位置も高い。
ただセッティング変えるのもなと思いそのままやる事にした。
そしてバンドメンバーから何やるんだ?と聞かれたので曲だったらスティービーワンダーの Supersutitionなら分かるぜと答えた。
OKと言われセッションが始まった。
元気よく僕からワン!ツー!タンッタンタカと叩き出した。
全然違う曲が始まった。
嘘、何これ。
知らない。
聞いた事もない。
微妙にキメも多く必死でその場で覚えながら3コーラス目くらいからなんとなくできるようになってきた。
そして終盤もう終わろうかと合図が来てキリいいとこでフィルイン入れてジャーンて感じで終わらそうかと思ったら最後の最後で俺以外が
ンパッパーン!!
と16分裏で食って終わった。
恥ずかしいから春日みたいにとりあえずエヘヘって笑っといた。
ともあれ演奏自体はエキサイティングでとても楽しかった。
ステージ降りるとユウコさんが良かったよー!と声かけてくれた。
そしてこの後もずっと続くからしばらくいなよ、また声かけられるからと教えてくれた。
そしてなんとステージ脇のちょっとした演者用のスペースでゆっくりしときなよと席を用意してくれた。
さらにお弁当のようなものも出してくれていたれりつくせりでめちゃくちゃ嬉しかった。
しばらくするとまたステージに呼ばれた。
今度はブルースだ。
これは普通のブルースのセッションで無難に終わった。
そして終わってステージを降りようかと思った時、イベント自体終盤だからここからずっと叩きなよと言われた。
そこから2時間くらいだろうか夜中の3時でイベントが終わるまでひたすら叩き続けた…!
何やったかあまり覚えていないのだがファンク系やよく分からん曲でこれ叩いとけと見本を見せられた後ひたすら叩いたりとにかく濃厚で楽しい時間だった。
悲しいかな自分の叩いているところは写真撮れなかったけど当初の目標を達成できた喜びと安堵でいっぱいだった。
終演後、黒人のキーボーディストにまた来週も遊びに来いよ!
と言われたが来週は日本に帰ってるんだーと言うのが寂しかった。
そしてユウコさんにも挨拶してライブハウスを後にした。
帰り道、フワフワしながら歩いて帰った。
夜中3時。ほとんど人通りもない中、アメリカで一人歩くのは少しビビったけどなんかのんびり歩いて余韻に浸りながら帰りたかった。
すると突然僕の横に車が止まった。
ヘイ!どこまで行くんだい?乗ってかないかい?
タクシーだった。(ちゃんとした会社の)
やっぱりちょっぴり怖かったのでタクシーでホテルまで帰った。
もうちょい続く
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