「金持ち父さん 貧乏父さん」
今更ながら、この本を読んでみました。
この本が発売された20年前、ちょうどアメリカに駐在で行っていて、アメリカでもブームを巻き起こしていたように記憶しています。当時の自分は、いわゆる金儲け本や投資ノウハウ本みたいなものを避けていたこともあり、この本も読まず嫌いで「どうせ、キャッチーなタイトルをつけただけだろ」と思っていました。
それから、20年。色々と角が取れてきた年齢になって、ふと読んでみたくなり読みました。
その結果・・・
イメージしていたのとは異なり、お金に関する基本的な知恵を整理した、とても良い本でした。
どうやってお金を稼いで金持ちになるか、
というよりも、
どのようにお金を使うべきか、
に焦点を当てています。
本文を少しアレンジしますが、お金の使い道は、
- 資産を買う
- 負債を返済する
- 費用を払う
の3通りですが、このうち、資産を買うためにお金を使いなさいというのが骨子です。
ここで、資産・負債を以下のように定義しています。
資産 = 将来のキャッシュの流入が見込めるもの
負債 = 将来のキャッシュの流出が見込まれるもの
この定義に従うと、マイホームは負債となります。なぜなら、マイホームを買ってもそこから現金収入は得られない一方で、住宅ローンの返済、固定資産税の支払、その他家の維持のための各種支出等、キャッシュが出ていくだけだからです。
このことを指して、「資産を買っている錯覚をしているだけで、負債を買っている」と独特な表現で著者は警鐘を鳴らしています。
通常、人の所得は、以下の3つに分類されます。
1. 勤労所得
2. ポートフォリオ所得
3. 不労所得
大多数の人が、1の勤労所得のみに頼りきり、その範囲内で日々の生活の支出を賄い、マイホームのような負債を買っている。そのままではいつまでも経っても金持ちにならないし、勤労所得を得るために奴隷のように人生を捧げてしまう。ちょうど、ハムスターが車輪の中でぐるぐる回っているようなものだと。
このようなラットレースを抜け出すためにも、得た収入からの支出を資産に買うことに振り向け、その資産から収入が生まれるようにしなければならない。
この資産からの収入が、2のポートフォリオ所得であり、3の不労所得である。
論旨が明確で良いですね。
この原則は非常にシンプルなので、いますぐにでも出来そうですが、どのような資産を購入すれば良いかの知恵が不可欠になります。そのための基本的な素養を「フィナンシャル・インテリジェンス」と著者は表現していますが、4つの構成要素から成り立っていると言っています。
1. 会計力
2. 投資力
3. 市場の理解力
4. 法律力
投資力と市場の理解力は感覚を研ぎ澄ませて、日々勉強しておかないといけないですね。
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