ソーシャルゲームの社会性

ソシャゲ、ソーシャルゲームのソーシャル、つまり社会性って何だろうと考えてきましたが、ようやく自分なりの答えが出てきました。ユーザーの介入です。

買い切り型のゲームはストーリーやゲームシステムが決まっています。ストーリー、システムなどをいったん完結させた上で作品として世に送り出します。アップデートはあるにしても、物語やシステムの根本を変えることはありません。

対してソシャゲはどうでしょうか。買い切り型のゲームと大きく違う点は「存続が目的」という点です。

買い切り型はそのゲーム自身が作品として面白い、楽しいと評価され多くの本数を売り上げればとりあえずOKです。内容があまり良くなかったとしても、とりあえず物語をいったん終わらせることができます。読み手としてもスッキリします。

一方ソシャゲには物語の完結がありません。例え限りとしてメインストーリーのエンディングを迎えても、必ず後に遊べる要素や追加ストーリーを残さなければなりません。物語を完結させるということは「存在が目的」を消してしまうからです。

そういうソシャゲが持つ社会性要素、それがユーザーの介入です。

ソシャゲもある程度システムやストーリーは最初から存在しますが、買い切り型のように作り手だけで完結できません。ユーザーの不満が大きくなったり、そもそも面白くないと相手にされず、すぐにサービス終了に追い込まれるからです。

そこで生まれる行動が「ユーザーの声を聞く」こと。ガチャの排出率に始まり育成の必要素材量、アイテムドロップの確率、ストーリーの倫理観など様々な要望がメールなどのお問い合わせとして届きます。

バグやエラー周りは要改善としても、運営は他の要素に対するお問い合わせも無視できないのではないか、と私は考えています。

実例を挙げると、ラブライブでお馴染みのスクスタはカード強化で衣装解放できるシステムなのですが、その衣装を解放させるために2段階強化が必要でした。そこにユーザーから、衣装をすぐに着せられないのは悲しいと意見があったことで、1段階強化で衣装が解放されることになりました。

これはシステム面の例で運営からの説明もあったのでわかりやすいですが、ストーリー面にお問い合わせが反映された場合、わかるのはお問い合わせをしたユーザーくらいなのではないでしょうか。もし自分の意見でストーリーに影響が出たら、それはそれで嬉しい人がいると思います。

ソシャゲのガチャは新手のギャンブルだし、買い切り型に比べてゲーム性はないし、ソシャゲの何が面白いのかわからないという意見をよく聞きます。

しかし私は、ソシャゲの面白さは「存続を目的」としたことだと思っています。

存続を目的とするからこそ物語に終わりがないし、ユーザーなどの意見によって影響を受けるし、リアルタイムで更新をすることで他の人たちとお祭り気分が味わえます。課金はゲームのレアキャラを手に入れること以上に、そのゲームに積極的に参加して支えるという意味を持ちます。

だからこそ、ソシャゲはソーシャルであり続ける。

現実的に友達と頻繁に会えるような世の中ではないからこそ、ソシャゲは心の穴を埋めてくれ、名前も顔も知らない、会話をしたこともない人々との一体感を生み、誰かの生きる支えになっているのだと思います。





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