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現実は甘くなくて、手術して終わり、とはいかない

手術が終わったから、がんももう終わりみたいな気がしていた。
というより、そう思いたかった。
そうじゃない気がしていたから、目を逸らしていた。
けど、手術したから終わりってことはなくて、これから治療の始まり。
化学療法、ホルモン療法、放射線治療。
どれもこれまでの人生では出くわさなかった言葉。

これが喉元過ぎる熱さなのは、わかってる。
何もかも未経験で知らないことだから、怖いだけ。
喉元を過ぎたらちゃんと、熱かったことは忘れられるはず。
それでも、飲み込まなきゃいけないことが今は多いと感じる。

半月ぶりに復帰した仕事も雑にはしたくない。
身体が自由にならずに、やれずにいたやりたいこともたくさんある。
やらなくてはいけないリハビリも、日々のおうちのこともある。
やりたかったこと、やらなきゃいけないことだってこの半月渋滞していたのだ。

でも、やりたいことのことばかりは考えられなくて、それと同時に治療についても考えている。
事前の知識からくる治療そのものへの不安。
(怖くなるから、あんまり予備知識は入れないようにしているけど…)
大富豪ではないから、実際に出ていくお金のこと。
そして通院のたびに使う時間の工面エトセトラエトセトラ…
悩みごと心配ごとは書き出したところで楽しくはないから、もう挙げないけど。

やっとドレーン抜けて、久しぶりのお風呂が嬉しかったのも束の間の夢。
現実逃避してただけだと思い知る。

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