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カメラ選びは「品質」よりも「マウントの将来性」が重要、という話

まだまだ、進化を続けて目まぐるしく変わりつづける最新デジカメたち。
スマホ写真の一歩先を目指してこれから参入してみたい人へ、提言したいことがあります。それは、

カメラ選びの1番のポイントは
もはや「いいカメラを選ぶこと」では無い!

ということ。

これ、「カメラ本体じゃなくて、レンズが大事だよ」などといった類の、言葉遊びではありませぬ。
そういう表面的なことではなくて、開発事情やこれまでの流れを踏まえると、自然とたどり着く結論だと主張したいのです。

つまり、

スペックでカメラを選ぶのは、もはや時代遅れ。
いまはマウントの将来性を重視すべき!!

というのが、わたしからの提案です。


・品質よりマウント将来性が重要な、3つの理由

その理由を、端的に説明すると、

①無理に甲乙つけなくて良い
カメラ自体の品質は、各社いずれもじゅうぶん素晴らしく、ほぼ横並び。品質の比較は無意味とは言わないまでも、大きな意味を持たない。
②カメラマウントの将来性
数年後、グレードアップできる可能性を維持することが重要。
そのためには、やがて消えてしまう可能性の高いマウントは避けたい。
つまり、将来も引き続き有望なマウントを選んでおきたい。
③新マウントは、当面出てこない
ミラーレス新規格の登場も一段落し、今後は当面の間、カメラの新マウント規格が出てくる可能性は低い。なので、いまの情勢がしばらく続くことを念頭に、将来を見越すべし。

そう、つまり現在のカメラの品質比べでは差が出ないけれど、その後、カメラを使い続けるときには、カメラマウントの将来性 が、いろんな形で重要になってくるのです。

将来性が有るマウントの利点はいろいろあるけれど、とくに大きいのはレンズの選択肢が豊富なこと。有望なマウントほど、サードパーティ含めて熾烈なレンズ開発競争が繰り広げられますので、質が高くて価格もこなれた素晴らしいレンズがどんどん展開されていきます。現在のEマウントは、まさにそんな感じ。

・本格カメラ入門の、定番4機種で考察

実例を挙げてみましょう。
いま評判の良い、本格カメラ入門に最適なモデルをAPS-Cで探すとすると、以下の定番4モデルの評価は

① Sony α6400 [Eマウント]     
Fujifilm X-S10[Xマウント]    ★
③ Canon EOS Kiss M2 
[Mマウント]
④ Nikon Z50    [Zマウント]  ー

といった感じ。どれもカメラ自体は、ほんとに素晴らしい。愛好家や評論家も認められている高評価のモデルばかり。

しかし、マウントの将来性には、歴然とした差があります。

・各マウントの将来性

◎SONY Eマウント

自社ブランドで高品質なレンズが多数有ることに加えて、シグマやタムロン、あるいは新興の中華メーカーなども、どんどん意欲的なレンズを投入してきており、熾烈な競争を繰り広げている真っ最中。つまりレンズの選択肢が、ますます増大中

○富士フィルム Xマウント

富士フィルムは、数こそ多くないけれど、フルサイズを捨てた結果、APS-Cにうまく注力して、手堅く良いレンズを開発し続けている。

△~✕ Canon Mマウント

Canonは、Mマウントよりも、今後はおそらく最新ミラーレス規格のRマウントのほうに力を集中していくと予想される。そうなると、どうしてもMマウントはどこかで区切りをつけてしまうのでは、と懸念される。カメラ自体の評判は悪くなくても、新しいレンズの開発は、すでに下火の印象であり、今後は徐々に勢力ダウンするしかなさそう。

✕ Nikon Zマウント

Nikonは、誰もが認める技術力はあれど、いかんせんミラーレス競争で完全に遅れを取ってしまった。
もうすでに、販売シェアの順位がどんどん落ちてきており、、、おそらく数年後にはカメラ事業自体が続けられなくなってしまうのでは、と本気で心配されている。他社メーカーのレンズ展開も、全く期待できない。


・カメラ選び初心者が見落としがちなこと

カメラ選びの初心者さんにとって、マウントの将来性って評価が難しいものですよね。

考えてみれば、

●カメラ自体の質は、撮った写真を見れば、それなりに分かる。
 また、カメラのスペックに関する解説記事は、そこらじゅうにある。
●現在のレンズ群の充実さも、カメラ屋のラインアップなど見れば、多少は分かる。
●デザインの好みは、手にとって見れば自分のフィーリング次第。

でも、

● 各メーカーの現在の勢いや将来性は、時間をかけて業界を見ていないと感じられない
●雑誌やウェブ記事などでも、現在の機種のスペック等の議論ばかりで、将来の見込みなどを元におすすめモデルを提案するものはほどんどない。

そういった事があるからこそ、これからカメラをはじめてみたい方には、

「カメラ自体の品質比べ」じゃなくて、
「マウントの将来性」を重視して
最初のマイカメラを選びましょう! 

と提案したいのです。

・ミラーレス規格が出揃ったいまだからこそ

いま主流のミラーレス一眼では、ソニーEマウントが先行していた状況から、CanonやNikonも新規格(Rマウント、Zマウント)の導入により本格参戦しました。その中で、上記3社がガチンコバトルを繰り広げる傍らで、富士フィルムは勝負する舞台を限定する戦略に出て、ニッチながらも手堅い地位を築きつつあります。

その他のメーカー、例えばオリンパスやペンタックスなどはすでに他社に買収され、昔からのコアなファン向けに細々と現状維持を目指すのがやっと。

パナソニックとシグマとライカが組んで挑戦したLマウントも、全く盛り上がりを見せることなく、今後の勢力拡大を期待する声も、正直全く聞かなくなってしまいました。


ミラーレス市場が、そんな新マウント乱立の時期を経て、いまはじつは安定しており、今後も当面は新規格の登場はなさそうです。

あるとしたら、どのマウント/メーカーが、廃止や撤退に追い込まれてしまうのかな、というくらい。。

そんなご時世だからこそ、現在展開されているマウントの将来性をちゃんと見定めて、将来も安心して楽しんでいける選択肢を選ぶことが大切であり、またそういう将来の見通しの仕方が有効でもあるのです。

<追伸>きっかけ となったウェブ記事

さいごに余談と言うか、補足的なお話をひとつ。

今回のテーマでnoteを書こうと思ったのは、2021年3月のカメラの販売ラインキングBCNランキングに関する記事を読んだことが、直接のきっかけでした。

あれほど素晴らしいコスパで評判も良いNikonのZ50、ぜんぜん売れてないんですよね・・・。(というか、ニコンはいまだに一眼レフのほうが売れている。)

なぜだろう、と思ったときに気づいたのが、カメラそのものの良さ以上に、カメラメーカーの勢いがそのまま反映されているな、ということ。

やっぱりこの将来性、というのが、実際に長く楽しんでいくためには、もっと重要になってくるので、それがもうすでに、結果にこうして出てるんだな、と。

そんなこんなで、カメラを品質で選んではいけないなんて、キワモノっぽい言い回しではありますが、私なりの真心を精一杯詰め込んだ、初心者さんに届けたい大切なアドバイスでした。

カメラライフを長く楽しんでいくため、これからカメラ選びをする方は、ぜひとも参考にしていただけたら嬉しいです。

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