(詩)布団の中

踏み出した足は、頼りない爪先を先頭に
地面に触れた瞬間、砂の様に崩れ落ちた
人生は、どうせそんなもんだって思った

鈍色に光る窓の外で、未来が僕を見ている
でも僕は外に出ないから、その声を知らない

慣れ親しんだ地獄で
ずっと生きていくんだ
僕は一人だから、すぐ倒れちゃうから
自分の人生について考えようとすると
頭の中が真っ暗になっちゃうんだ
誰も助けてくれない
僕も助けてやれない


何時だったか、崩れていた僕の爪先を
掻き集めて直してくれた
人生も捨てたもんじゃないと思ったけど
その人は立ち止まらずに、どこかに行ってしまった

「大丈夫?」と心配してくれる声が
嬉しかったんだ、離したくなかったんだ
行かないで欲しかった
そばに居て欲しかった
僕の歩みは君ほど速くない
きっともう会えない
君が良かった
僕を助けるのは君だけが良かった
君だけが欲しかった

慣れ親しんだ地獄で
ずっと生きていくんだ

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