サビアンシンボルと二十四節気ー穀雨
4月20日からは穀雨。文字通り穀物を育てる雨が続きます。
教科書で学んだ事のある方が多いと思いますが、中国の雨といえば
杜牧の『江南春』を思い浮かべます。
千 里 鶯 啼 緑 映 紅 せんりうぐいすないてみどりくれないにえいず
水 村 山 郭 酒 旗 風 すいそんさんかくしゅきのはた
南 朝四 百 八 十 寺 なんちょうしひゃくはっしんじ
多 少 楼 台 煙 雨 中 たしょうのろうだいえんうのうち
千里四方のあちこちにウグイスが鳴き、赤い春の花が緑の木々に映えてなんとも美しい。
見渡せば水辺の村あり、山里の村あり。酒場の幟(のぼり)が風にはためいているのも見える。
南朝時代の四百八十を数える寺院。
たくさんの寺院の楼閣が春の霧雨にけぶっている。
この詩に憧れて蘇州を訪れたのは30年ほど前。
江南の春は予想以上に寒く、ひどい風邪をひいて帰ってきましたが、上海や蘇州の庭園めぐりができたのはいい思い出ですし、夢にたびたび登場した独特のフォルムの橋と出会ったのには驚きました。
穀雨に入った4月20日は占星術では太陽は牡牛座入り。牡牛座1度から15度までの15日間が穀雨ですが、この15日間を5度ずつのグループにすると、牡牛座第1グループから第3グループまで、つまり牡牛座前半となります。
サビアン研究会を主宰されているSUGARさんの考察をもとに、この期間のサビアンシンボルを解釈してみると、第1グループでは個人が環境から与えられる豊かさを、そのまま享受する。第2グループでそこに適応しつつも、その中で自立して利己と利他を意識するようになる。第3グループで自分の欲望を模索しつつ真の豊かさを求める、と理解しています。
第3グループ、牡牛座15度はこの流れの頂点ともいえる場所で、サビアンシンボルは「シルクハットをかぶった男がコートを着て嵐に立ち向かう」。季節的にはちょうど春たけなわで、苗床で育てた稲を田植えに向けて準備する時でもあります。守られた場所で立派に育ったものが、さらに広い自然に向かって出ていくのを待っている姿といいましょうか。
サビアンシンボルから読み取ると、穀雨の期間は農作物ばかりでなく、個人の成長に力強くかかわっている期間であることを実感します。