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マンション買ってよかった? 2年前の購入時に重視したポイントと、その答え合わせ。

新築マンションを購入して2年が経ちました。

2022年7月に契約し、2022年9月に入居。あまりよくない首都圏の住宅事情の中、重視するポイントを考えながら根気よく検討し、運よく今の家を見つけたのです。

この記事では、当時重視していたポイントを振り返りつつ、そもそもマンションを買ってよかったかとか、今となっては重視しなくてもよかったと思える部分を振り返ってみます。2年前の答え合わせです。

もちろん、購入・賃貸、マンション・戸建てなどなど、家に関してはいろんな考え方があることは理解しています。「マンションを購入した人」のひとつの意見としてお読みいただけると嬉しいです。



購入に踏み切ったきっかけ

そもそものきっかけは入籍でした。

当時は僕が当初1人暮らしのために借りた賃貸の1LDKで2人暮らししていたので、将来のことを考えるともっと広い家に住みたかったのです。できれば新築がいいけれど、そしたら賃貸で見つけるのも難しそうだから、だったら買った方が早いと。

こんな方針でずっと前から購入を検討していたこともあり、入籍した翌月にはもう契約してましたね。ローンの審査もあっさり通って順調に契約まで進みました。

こういうのは勢いで決断して買わないとズルズルと先送りしてしまうので、腹を括るしかないです。モタモタしているとあっという間に売れていってしますので、短期決戦で契約まで進む必要があります。


マンション買ってよかった?

結論から言うと、買ってよかったです。

マンションって住環境としての側面と、資産としての側面があると思うのですよ。「心地よく快適に安心して住むことができる家」としてのマンション、そして「高く売れて資金の足しにできる資産」としてのマンション。

僕の場合は(そしてほとんどの人がそうだと思うけど)どちらも重視して購入しました。その結果、どちらの観点からも買ってよかったと思っています。


住環境としての側面

まず「心地よく快適に安心して住むことができる家」としてのマンションについて。

これは買って住むまで分からなかった感覚なのですが、「自分の家を持っている安心感」が精神の安定に大きく寄与しているのです。人のものを借りているのではなく、これは自分のものなのだと。

実際に家を買うまでは、どうせ住宅ローンの支払いも賃料の支払いも名目が異なるだけで支払うことに違いはないから、自分が所有していようといまいと関係ないと思ってました。でも、どうやら違うみたいなんですよね。

言ってみれば「ちゃんと帰る家があること」の安心感。

もちろん賃貸であっても借りている間は自分の帰るべき家であることは間違いない。でも、心のどこかには「ここは賃貸で本来の自分の家ではない」という思いが潜んでいて、無意識にもそれが毎日のように頭によぎるものだから、いつの間にかボディブローのように効いてきて「本来の」が抜け落ちてしまい、「ここは自分の家ではない」と錯覚してしまう。そんな感覚でした。

しかし、自分で買った家であれば名実ともに自分のものだから、そんな思いはかけらも感じることはないんです。本当に「かけらも」感じないんですよ。確かに住宅ローンは払っているけれども、それは借りたお金を返しているだけであって、家自体は自分の名義だからです。

もしかすると将来的に売ることがあるかもしれないけれども、現時点では僕と僕の家族にだけ使うことができ、他人が使うことは一切想定すらされないし、いつまで住んでも許される。この感覚こそが「居を構える」という言葉の本質なんだと思っています。


資産としての側面

僕の場合は、購入したマンションを終の住処にするつもりは全くありません。なんなら10年も住まないつもりで、この先子どもが生まれて小学校に上がるまでには注文住宅を建てて住み替えたいと思っています。

このような前提なので、売却するタイミングで高く売れてもらいたい。少なくともその時点の住宅ローンの残債よりは高い価格で売りたいし、もっと言うと利益を出して次の家の資金の足しにしたいと思っているくらいです。

マンションとは、買って住むことができる場所であるだけでなく、住み替えるときの資金ともなり得る。だから資産としての側面があります。

また、住宅ローンを組む際は必ず「団体信用生命保険」(いわゆる「団信」)に加入する必要があります。この団信の審査が通らないと住宅ローンの審査も通りません。

仮に僕に4,000万円の住宅ローン残債があったとして、そのまま不慮の事故などで帰らぬ人となった場合、残された家族には残債を返済する義務がありません。団信のおかげで4,000万円がチャラになるわけです。

家族はその家に住み続けてもいいし、4,000万円(あるいはそれ以上の可能性も)で売却して実家に帰ってもいい。つまり、ただ家に住むために住宅ローンを組んでいたつもりが、実は生命保険としての側面もあるんです。これが所帯持ちとしては強すぎるメリット。

もちろん賃貸ではそうはいかなくて、残された家族が住み続ける場合はそれまでと同じ金額の賃料を払い続ける必要があるし、実家に帰ったとしても大家さんからは1円も貰えません。


購入時に重視したポイント

では、マンションの購入にあたり2年前に僕が何を重視したのかについて。

多くの皆さんと同じように、僕も立地・物件スペック・価格などを総合的に考えながら検討を進めました。妥協できる・できないポイントを考えながら、以下のように整理しました。

あまり具体的な話を書くと場所が分かってしまいそうなので、ある程度ぼかすことはご了承くださいね。


立地について

  • 渋谷にある職場までdoor to doorで1時間以内

  • 駅まで歩いて行ける(せめて徒歩15分以内)

  • できれば2路線使える

  • 首都高(他の高規格道路でもOK)にアクセスしやすい場所

  • 幹線道路沿いではなく、静かに暮らせる住宅街がいい

  • 保育園がたくさんありそうな場所

  • 学校については深く考えない


電車へのアクセス

僕は基本的に休日は車移動で、電車を使うのは会社に行くときだけです。そして在宅勤務が多いので、出社イベントも週1回以下しか発生しません。

とはいえ、いざ行くとなると遠かったら面倒すぎるので、渋谷にある職場までせめてdoor to doorで1時間以内がいいなと。本来なら片道30分以内に収めたいけれども、毎日ではないから妥協できるポイントでした。

以前住んでいた賃貸は最寄りの駅まで徒歩25〜30分程度かかってしまう場所で、必然的にバスや自転車を使う生活をしていました。さすがに限界を感じ始めており、徒歩でのアクセス圏内(せめて15分以内)は必須としました。

あとは、できれば2路線使える場所がいいなと。必須ではないけれど、何かあったときにバックアップがあった方が助かります。


車でのアクセス

休日の車移動で便利なように、首都高をはじめとした高規格道路にスムーズにアクセスできることも重視しました。以前は30分くらい走ってやっと首都高に乗れるような場所だったのですが、これもうんざりポイントだったので改善したかった。

とはいえ幹線道路沿いでは騒がしいので、静かに暮らせる住宅街のような場所を中心に見ることにしました。わがままばかりな気がするけれど、もし見つかったら理想的な立地だから最初から妥協する必要はありません。


学校・保育園

一方、まだ子どもがいなくて保育園や学校についてはあまり解像度が高くないし、子どもが小学校に上がるまでには注文住宅に住み替えようと思っていたので、校区についてはあまり重視しませんでした。

せめて近くに保育園や幼稚園が多くありそうな場所、という程度の認識。これは実際に子どもを持ってみないと分からない気がしたので、少なくとも明らかに不利な選択をしないようにだけ気をつけました。


物件のスペックについて

  • 大手デベロッパー

  • 3LDK・70平米程度

  • 階数や眺望にこだわりなし

  • できれば角部屋で南側に窓がある

  • 平面駐車場が理想(機械式でもハイルーフかつ全幅1890mmの車が入る)


上記のとおり将来的には住み替える前提なので、リセールバリューを考えると大手デベロッパーの物件を購入しておきたかったです。

間取りは標準的な3LDKで、70平米程度の広さは確保したかった。最近は50平米台なのに3LDKという無茶すぎる間取りもあったりするから、「3LDK」という表記に騙されずに床面積もしっかり確認しました。

階数にはあまりこだわらなくて、眺望も別に気にしなくていいかなと。実家がタワマンなので高層階かつ眺望のいい家には慣れているのですが、それと引き換えにいろいろ面倒に感じる部分が多いんですよ(エレベーター待ちとか駐車場の入出庫とか)。

ただ、夫婦そろって在宅勤務中心の生活なので、日当たりは重視したかった。そのため、できれば角部屋かつ南側に窓がある部屋がよかったのです。以前の賃貸が日当たりのいい物件(サンルームかと思えるほど)だったので、あまり落差が大きくならないように。

そして、車好きとしては駐車場の仕様も重視しました。マンションを契約した時点でMAZDA CX-60への乗り替えが確定していたので、ハイルーフ車かつ全幅1,890mm以上の車が止められる駐車場が必須。機械式だとかなり限られるから、平面駐車場が理想でした。


価格について

  • せめて5,000万円台前半まで


フルローンで考えていたのですが、月々の支払いを考えるとせめて5,000万円台前半に収めたかったです。

例えば、5,000万円の住宅ローンを金利0.35%、35年、ボーナス払い無しと仮定すると、返済額は月々126,500円ほどになります。これが6,000万円になると月々151,800円ほど、7,000万円だと177,100円ほどです。

ここに管理費・修繕積立金・駐車場代などがざっくり月々4万円くらい乗っかるとして、5,000万円だと月々17万円くらい、6,000万円だと月々19万円くらい、7,000万円だと22万円くらいの支払いになります。

7,000万円だとしても全然払えるけれど、この先何かあったときのことを考えるとできるだけ月々の支払いを抑えておきたかったのです。せめてものリスクヘッジですよ。確かに家も資産だけど、もし資金が余ったらNISAにでも突っ込んだらいい。

以上のようなことを考えていたので、せめて5,000万円台前半、5,200万円とか5,300万円とかに抑える方針で物件を探しました。


重視ポイントの答え合わせ

上記のような内容を重視して探すと、東京だと23区外、埼玉だと東京周辺の川口・戸田・和光あたり、神奈川だと川崎や横浜が選択肢に入りました。

それまで川崎の武蔵小杉エリアに住んでいたので、生活圏を大きく変えることなく(美容院や車のディーラーを変えるのは面倒)、物件を見つけることができないかと。

神奈川は埼玉や千葉と比較して物件価格が高めな傾向にあるので難儀しましたが、ちょうどいい物件をちょうどいいタイミングで見つけることができました。あまりにも僕の重視ポイントにマッチしすぎていたので、初めて見学に行ったその場で仮申込したんです。

という感じなので、上記の重視ポイントはひとつ残らず全て網羅できています。

それに加え、近くに大きなスーパーがあり、桜並木がきれいな街並みがあり、大きな公園もいくつかあって、想像以上に住みやすい場所を見つけることができました。これに関しては本当に自分よくやったと褒めてやりたい。

おそらく2022年7月のタイミングだったからギリギリセーフで価格も予算内に収まったのですが、今だったら難しいかもしれません。


本当に重視する必要があった? 〜2年後の視点から〜

それでは、これらのポイントを本当に重視する必要があったのか、2年後の視点から振り返ってみます。


立地について

立地については、「駅まで徒歩15分」以外は不満はありません。

出社のハードルにならないようにと徒歩圏内にしたものの、徒歩15分という距離感(1 kmちょっと)でも十分大きなハードルになっています。普段が車移動なだけに、電車で会社に行くのがとてもとても面倒に感じてしまいますね。

そのため、ますます出社しないようになってしまいました。行かなくても成立するから別にいいんですけどね。

一方、首都高に近いというのは想像以上に便利です。犬を連れて車で遠出することが多い僕としては、家のすぐ近くから高速道路に乗ることができるのは大きな大きなメリットでした。出かけるときももちろん、長旅から帰ってきたときにも助かっています。

ただ、学校や保育園についてはまだ分かりません。今後子どもが生まれたあとで徐々に解像度が上がってくると思うので、何年後かに振り返ってみたいと思います。


物件のスペックについて

物件のスペックに関しては全く不満はありません。70平米の3LDKで、現状2人だと若干持て余している感じです。構造や内装については若干のコストダウンがみられる箇所もあるにはあるけれど、今後注文住宅に住み替える前提だと目を瞑れる部分かな。

一方、大手デベロッパーの物件にしたので、アフターサービスについても満足しています。隅々まで管理が行き届いているし、排水管の高圧洗浄を年1回やってくれるし、何かあればすぐに対応してもらえます。賃貸時代の管理会社とは対応の差が大きすぎるし、実家マンションよりも対応がきめ細かい気がするのです。

そして、日当たりがいい部屋というのもやっぱり重要だなと実感しています。暗い部屋で在宅勤務を続けていると気が狂いそうだし、検討するときに重視して本当によかったです。

車も問題なく止められています。ただ、この2年間でもっと欲が出てきてしまって、家で洗車したいとか、EVの充電したいとか、ガレージ欲しいとか、注文住宅に突き進む一方です。


価格について

価格についても目標額に収まったので全く不満ないし、この2年間無理せず支払えているので問題ないと思っています。

ただ、首都圏の住宅価格が全体的に高すぎるので、もっと安ければよかったのになとも思いますね。今は2年前と比べてもっと上がっていると思うので、あまり大きな声では言えませんが。


結論、買ってよかった(けど戸建てが羨ましくなってきた)

以上、マンションを買ってよかったのか、購入2年後の視点で振り返ってきました。

終の住処が決まっていない時点ではマンションを買う以外の選択肢は僕にはなかったと思っているし、今でもその選択は正しくて買ってよかったと思っています。

その理由はこの記事で述べてきたとおりで、

  • 「住環境としての側面」と「資産としての側面」の両方から自分の住む場所を考えたときに、2年前の時点ではマンションを買うのが最適だったこと

  • 重視していたポイントを十分満たすことができる物件を見つけることができたこと

大きくこの2点に尽きます。

それと同時に、この2年間で「家」についていろいろ調べるにつれ、やっぱり自分の納得のいく家に住むためには注文住宅しかないという結論に達しています。吹き抜けあったりガレージあったり羨ましいんですよ。

自分の家を建てるためには十分な知識を付けて望むことが重要だと思っているので、それまでの準備期間としてマンションを買うという選択は大いにありだと思います。

まず買わないと興味・関心も生まれないから、家を建てる前にまずはマンションを買ってみると。そうすれば家づくりでの失敗も減らすことができるのではないかな。

これからも、自分にとっての理想の家とは何か?と突き詰めながら、このマンションで準備期間を過ごしたいと思っています。

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