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バウムクーヘンがやってくる

私たちが普段穴あけをするときは、木工ドリルは電動工具にセットして使うというのが一般的です
しかし、それだけではありません
孔削機にセットして使うこともあります
その場合は先ネジではなく先センタータイプになります
弊社では木材の芯抜きや深穴あけのご依頼を受け、孔削機を使って加工を行います
先日も穴あけのご依頼を受けたばかりでした
今回は深さ400L、穴径80mmの穴あけを23本
届いた木材は杉
まるでバウムクーヘンがやってきたかのようでした

準備の大切さ

穴あけ加工は、セッティングにとても時間がかかります
例えば今回の丸太の全長は600L
木材の中心に穴をあけるので、錐の先端部分が中心にくるようにセッティングを行う必要があります
外径はだいたい同じですが、まったく同じものはありません
加工台に乗せたあと、上下左右をあわせていきます
左右の調整は薄い板を挟むなどしながら行います
木材の長さによっても合わせやすさは変わってきますが、この位置合わせをしっかりするという準備が一番大変かもしれません

これがφ80の錐頭

耳をすませば

穴あけは送りや回転などを調整しながら行います
まず、錐頭が材に当たる瞬間が緊張します
ここでガガッと異常音がしたら、錐の破損などに繋がる場合があります
最悪の場合は加工ができなくなってしまいますので慎重に慎重を重ねます
錐頭が入ったらそこから先は緊張感を保ったまま耳をすますのです
切削の音、機械の音、木屑の排出具合
異常音がすればすぐに対応できるようにしなければなりません
できればそんなことはないことを願いますが・・・
写真撮影をしているだけの私でさえ、1本を無事にあけ終わるとホッとするので作業者の緊張感はかなりのものだと思います
長い貫通穴をあける場合は、両サイドから穴をあけます
中心がつながった時は音が変わります

穴あけ加工中

あけた穴は見えないけれど

木材の中心に穴をあけるのには、木割れを防いだり中に金具(棒)を通す為いうような目的があります
木材の中心に貫通穴や止め穴を行うので外からは穴があいていることはわかりませんが、実はこれらの木材が社寺仏閣に使用されていることもあります
歴史的建造物に我々の技術が役立っているのは嬉しいですね
もしもどこかで大きな丸太や柱を見かけたら、もしかするとその中心にはスターエムであけた穴があいているかもしれません
孔削機で使用するドリルの製作はもちろん、今回のご依頼のように孔削機を使った穴あけ、芯抜き加工も承っております
穴あけでお困りのことがございましたらぜひお問い合わせください
穴あけで困ったらスターエムだ!と思い出していただけると嬉しいです

この日はかまぼこ板の匂ひ

ご依頼のある木材の種類は檜や杉が多いように思います
穴あけをすると大量の木屑が排出されます
その木屑はほんのり温かく、あけている時は木工所の中は木の匂いでいっぱいになります
先日の穴あけは杉だったので、かまぼこ板の匂いでいっぱいになりました
これが檜の場合は、アロマオイルの中にいるような匂いがします
私は、機械の操作をすることも木材のセッティングをすることもありません
撮影と木屑集め専門です
それなのに、終わったあとはものすごい疲労感があります
多分それなりに緊張しているのでしょうね
午前中に穴あけをした日は、その日のエネルギーを使い果たしたかのような感じで午後を迎えます(笑)
だけど、毎回芯抜き加工の現場は楽しいです
1本1本違う顔を見せてくれる木材たち
大きなバウムクーヘンがやってくるとわくわくします
次はどんなバウムクーヘンが届くのか?
穴あけのご依頼が届くのが楽しみです