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別注品なのに注文が殺到

新しいものを世に出すとき
そこには期待と不安が入り混じります
この製品はどれだけの人が必要としてくれているのだろうか


きっかけはSNS

メーカーとユーザーさんを繋ぐものといえば、昔は電話やハガキそしてメールでした
それがいつのまにかそこにSNSというものが加わるようになりました
SNSというツールは色んな意味でメーカーとユーザーさんの距離感が近くなる
そんなツールではないかと思います
今回取り上げる製品はそんなSNSがきっかけでカタチになりました


アイデアは現場から

新製品はメーカー側が市場調査などして製品化されていく場合とユーザーさんのお声から製品化されていく場合があると思います
この「アンカー後施工用ドリル」はユーザーさんのお声から生まれました
実際に作業をされる方だからこその悩み、お困りごと
新製品のアイデアは現場に眠っている!

アンカー後施工用ドリルはこんな製品です
家を建てる現場を想像してみてください
基礎があり、その上に土台があります
土台にはアンカーボルトを通す穴があいており
座金を沈めるための座堀加工が施されています
最近ではプレカット工法が増えてきており
現場での穴あけ加工は以前に比べると少なくなっているかもしれません
しかしときにその加工とぴったり合わないことも起こります

たとえば・・・
基礎の上に土台をのせたら墨出しからずれている

基礎の墨出しから土台がずれている

そしてアンカーボルトが座堀にあたっているから土台が動かない

座堀穴にアンカーボルトがあたっている

そうなると、土台を一度外して加工をやり直さなければなりません
そこで役立つのが「アンカー後施工用(あとせこうよう)ドリル」なのです
これがあればアンカーボルトが立ち上がっていても土台を外すことなく加工ができます

アンカー後施工用ドリルをアンカーボルトにかぶせるようにして穴あけをする
アンカーボルトの周囲に隙間ができる
掛け矢で叩いて墨出しに合わせる

アンカーボルトの周囲に隙間が出来るので、掛け矢で叩けば土台が動きます

また、座金がネジ山にかからない・・・こんな場面でも
アンカーボルトが斜めに立ち上がり、座堀穴に当たってしまっている
そうするとアンカーボルトのネジ山に座金をかけることが出来ません
この場合もまた土台を外して修正しなければなりません

アンカーボルトが斜めに立ち上がっている

そこで、アンカー後施工用ドリルの出番です
アンカーボルトにアンカー後施工用ドリルを被せるようにして穴をあけます
そうすると先ほどのようにアンカーボルトの周囲に隙間が出来るので座金をかけ、締め付けを行うことができます

アンカー後施工用ドリルで穴を修正
座金を締め付ける

このような困りごとは実際に作業をしている中で発生するのだと思います
穴あけに関する困りごとをご相談いただけたことが製品化に繋がりました
ご相談いただきありがとうございました


別注品です、受注生産です

この製品は製品化はされましたが、規格品ではなく「別注品」です
ですので受注生産となります
弊社は1本からでも別注品の製作を承っています
別注品ながら、ご紹介すると同時に「これは面白い」「これはいい」とご注文が殺到し一時は生産がまったく追いつかず数年待ちという納期に・・・
想像以上の反響だったのです
せっかくご注文いただいたのですが、別注品のため量産体制はとっていなかったのでお客様にはご迷惑をおかけいたしました
その後、急ピッチで生産を行い、なんとか予定よりも早い段階で製品を完納させていただきました
別注品にもかかわらず多くのユーザーさんにお求めいただけた
それだけ現場で困っていたんだと知ることができました


声を届けてください

現場でのお困りごと
すべてを解決できるわけではありませんが
どうぞお気軽にご相談、お問い合わせください
もしかすると同じ困りごとを抱えている方が他にもいらっしゃるかもしれません
現場の困りごとからカタチになる製品は
きっと他の誰かの困りごとの解消につながるはず
そのお声をぜひ届けてください